小澤征爾が館長を務め、音楽、演劇、美術の3部門がそれぞれに、自主企画による多彩な事業を展開している水戸芸術館。コンサートホールATM、ACM劇場、現代美術ギャラリーの3つの独立した施設では、2024年も様々な展覧会が企画されている。今年のラインナップを紹介したい。
テキスタイルデザイナー須藤玲子と、須藤が率いるテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」の大規模個展。日本の伝統的な染織技術と現代の先端技術を組み合わせ、従来にない素材をテキスタイルに取り入れてきた須藤らの活動を振り返り、包括的に紹介していく。ギャラリートークやワークショップも同時開催。本展は、2019年に香港のCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画・開催され、ヨーロッパ各地、そして丸亀市猪熊弦一郎現代美術館を巡回してきた。
動植物や自然を含めた他者との関係構築を試みてきた、アート・ユニット山下麻衣+ 小林直人による映像インスタレーションを中心とした実践を網羅的に紹介する。屋外広場では大規模な参加型の新作の発表も。
既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手がける田村友一郎の個展。土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで、多様なメディアと幅広い着想源によって、現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築していく彼の手法を楽しみにしたい。
画家・近藤亜樹による個展。ダイナミックな筆使いや力強い色彩など、エネルギーに満ちた絵画で知られている。新作を中心に、絵画の力と「生きること」のつながりに迫っていく。
現代美術ギャラリー第9室では、「クリテリオム100」も行われる。新作中心の展覧会で、新たな表現にチャレンジする若手作家を紹介している試みだ。決定しているのは、沼田侑香(1992年千葉県生まれ)は、2月17日~5月6日。今後の作家スケジュールは、公式サイトにて随時更新される。
水戸芸術館
詳細:https://www.arttowermito.or.jp/
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