公開日:2025年3月26日

4月スタートのおすすめ展覧会20選:蔦屋重三郎、パティ・スミス、瀬戸内国際芸術祭、日本国宝展など【2025年版】

東京、京都、大阪、青森、瀬戸内など、全国の美術館で2025年4月に開幕する展覧会を紹介。

2025年4月開幕のおすすめ展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

  1. 【東京】「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」(東京ステーションギャラリー)
  2. 【東京】「鴨治晃次 展|不必要な物で全体が混乱しないように」(ワタリウム美術館)
  3. 【東京】「士郎正宗の世界展〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡~」(世田谷文学館)
  4. 【東京】「LOVE ファッションー私を着がえるとき」(東京オペラシティアートギャラリー)
  5. 【東京】「どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?」(PLAY! MUSEUM)
  6. 【東京】「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(東京国立博物館)
  7. 【東京】「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展」(森アーツセンターギャラリー)
  8. 【東京】「横尾忠則 連画の河」(世田谷美術館)
  9. 【東京】「サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス」(東京都現代美術館)
  10. 【東京】「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(東京都現代美術館)
  11. 【青森】「ニュー・ユートピア——わたしたちがつくる新しい生態系」(弘前れんが倉庫美術館) 
  12. 【青森】「エルヴィン・ヴルム 展」(十和田市現代美術館)
  13. 【青森】「描く人、安彦良和」(青森県立美術館) 
  14. 【石川】「接続する絵画」(金沢21世紀美術館)
  15. 【京都】「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」(京都市京セラ美術館)
  16. 【京都】「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」(京都市内各所)
  17. 【大阪】「Study: 大阪関西国際芸術祭 2025」(大阪市内各所)
  18. 【大阪】「大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展 日本国宝展」(大阪市立美術館)
  19. 【奈良】「超 国宝―祈りのかがやき―」(奈良国立博物館)
  20. 【瀬戸内エリア】「瀬戸内国際芸術祭2025 - 春会期 - 」(高松港など)

【東京】「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」(東京ステーションギャラリー)

フィンランドのモダンデザイン界で存在感を放ったタピオ・ヴィルカラ(1915〜85)の日本初となる大規模個展。1940年代後半から1950年代にかけて、イッタラ社のデザインコンペ優勝、ミラノトリエンナーレへの3度の入賞などによって脚光を浴びたヴィルカラは、自然の生命力や躍動にインスピレーションを受け、「世界の果て」を意味する《ウルティマ・ツーレ》をはじめとするガラスの名品や、陶磁器、カトラリー、家具、木のオブジェ、ランドスケープアートなど幅広い創作活動を展開した。エスポー近代美術館の協力で行われる本展では、プロダクト、ガラスや木による彫刻、写真など約300点を展示。

会場:東京ステーションギャラリー
会期:4月5日~6月15日

【東京】「鴨治晃次 展|不必要な物で全体が混乱しないように」(ワタリウム美術館)

戦後のポーランド芸術の主流を築いた、1960〜70年代を代表する前衛芸術家のひとりである鴨治晃次。今回の展覧会は、現在もポーランドを拠点に活動を続け、今年90歳を迎える作家の日本で初となる展覧会。鴨治の小回顧展としてポーランドのザヘンタ国立美術館とアダム・ミツキェヴィチ・インスティテュートによって企画され、1960年代から現在までに制作された約20点の絵画、9点の立体作品、80点のデッサン、3点のインスタレーションが展示される。詳細はニュースをチェック

会場:ワタリウム美術館
会期:4月8日〜6月22日

【東京】「士郎正宗の世界展〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡~」(世田谷文学館)

士郎正宗は1961年生まれのマンガ家、イラストレーター。作品が発表された1980~90年代当時はまだ世に浸透していなかった先端技術の情報を独自の感覚でとらえ、世界でいち早く電脳化する未来をマンガで表現してきた。その革新性は、その後のマンガ、SF文学、映画などのクリエイターたちに大きな影響を与え続けている。本展は『攻殻機動隊』を中心に、初期作品『ブラックマジック』から『アップルシード』、『ドミニオン』、『仙術超攻殻オリオン』、そして現在に至るまでの軌跡をたどる内容となり、その創作の世界の全貌を間近で見ることができる。ニュースはこちら

会場:世田谷文学館
会期:4月12日~8月17日

【東京】「LOVE ファッションー私を着がえるとき」(東京オペラシティアートギャラリー)

本展では、装いを巡る憧れや熱狂、ときに葛藤や矛盾を伴って発露する私たちのうちなる熱情や欲望を、ファッションに対する「LOVE」ととらえ、その多様なかたちを考える。自己と他者の境界、老い、ジェンダー、アイデンティティに関わる苦悩や願望などの問題を抱える現代の「私」のありようは、一貫性があるものではなく「着替える」ように日々変化する。展覧会では、豪華な宮廷服から現代のデザインまで、京都服飾文化研究財団(KCI)が所蔵する衣服と装飾品に、アート作品を加え、着ることから紡がれる「私」と「LOVE」の物語を見つめ直す。2024年9月〜11月まで行われた京都国立近代美術館での展覧会のレポートはこちら

会場:東京オペラシティアートギャラリー
会期:4月16日〜6月22日

【東京】「どうぶつ展 わたしたちはだれ?どこへむかうの?〜WHO ARE WE? WHERE ARE WE GOING?」(PLAY! MUSEUM)

立川のPLAY! MUSEUMでは、国立科学博物館と初のコラボレーションとなる、「どうぶつ展」が開催される。本展は、国立科学博物館の哺乳類と⼈間との関係を考える巡回展「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」の展示キットを活用し、貴重な標本資料を紹介。「笑顔の森」「模様の惑星」「しっぽはすごい」など、5つのテーマで体験型インスタレーションを展開。さらに、名和晃平やミロコマチコら9人の現代アーティストが制作した作品群が⼀堂に介する空間「ユートピア」も展示する。

会場:PLAY! MUSEUM
会期:4月16日〜7月6日

【東京】「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」(東京国立博物館)

江戸時代の傑出した出版業者である蔦重こと蔦屋重三郎(1750〜97)は、喜多川歌麿、東洲斎写楽といった現代では世界的芸術家とみなされる浮世絵師を世に出したことで知られる。江戸の遊郭や歌舞伎を背景に、様々な分野を結びつけながら出版業界に多くの新機軸を打ち出した蔦重。本展ではその蔦重の活動をつぶさに見つめながら、江戸の多彩な文化を紹介する。2025年の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)とも連携し、江戸の街の様相とともに、蔦重の出版活動を多角的に見ることができる。また、同館で開催される「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」展(3月25日〜8月3日、本館特別5室)、「浮世絵現代」(4月22日〜6月15日、同館表慶館)にも注目したい。

会場:東京国立博物館
会期:4月22日〜6月15日

【東京】「ゴジラ生誕70周年記念 ゴジラ・THE・アート展」(森アーツセンターギャラリー)

2024年に生誕70周年を迎えたゴジラ。第1作の公開以来、現在まで様々なかたちで描かれてきた。本展は、多彩なジャンルで活躍する国内外のアーティストがゴジラに向き合い、新たに生み出した作品が一堂に会する展覧会である。福田美蘭、O JUN、風間サチコ、東京ビルド、小谷元彦、青柳菜摘、佐藤朋子らが、「ゴジラとは何か」という問いに対し、それぞれの答えをアート作品として表現する。詳細はニュースをチェック

会場:森アーツセンターギャラリー
会期:4月26日〜6月29日

【東京】「横尾忠則 連画の河」(世田谷美術館)

1972年にニューヨーク近代美術館で個展を開催するなど、早くから国際的な知名度を獲得してきた横尾忠則。2023年春から、かつて故郷の川辺で同級生たちと撮った記念写真のイメージを起点に、「連歌」ならぬ「連画」の制作を始めた。本展では、150号を中心とする新作油彩画約60点にスケッチなどを加え、88歳の作家の現在を紹介する。横尾による「連画」の軌跡を、ほぼ制作された順にたどることができる。ニュースはこちら

会場:世田谷美術館
会期:4月26日〜6月22日

【東京】「サウンドウォーク・コレクティヴ & パティ・スミス|コレスポンデンス」(東京都現代美術館)

東京都現代美術館の新しいプロジェクト「MOT Plus」の第1弾として、世界的な文化アイコンであるパティ・スミスと、ニューヨークとベルリンを拠点とする現代音響芸術集団「サウンドウォーク・コレクティヴ」の展覧会が開催される。本展は、スミスとサウンドウォーク・コレクティヴが約10年にわたる共同作業の成果として生み出した新作であり、原発事故、森林火災、動物の絶滅など現代の問題をテーマにした8つの映像作品が展示される。それぞれの作品は、アーティストや革命家を参照しながら、人間と自然、そしてアーティストの役割についての深い問いを投げかける。詳細はニュースをチェック

会場:東京都現代美術館
会期:4月26日〜6月29日

【東京】「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(東京都現代美術館)

日本を代表する造形作家であるとともに、建築や環境文化圏計画、絵本、ロボット開発などの幅広い表現領域を手がけ、さらには文化全般にわたる批評家としても活躍してきた岡﨑乾二郎(1955〜)の核心に迫る東京における初の大規模な展覧会。近年国際的な評価も高まる岡﨑が大きく転回した2021年以降の新作を中心に、過去の代表作も網羅しつつ、世界認識の方法としての造形の可能性と力を提示する。ニュースはこちら

会場:東京都現代美術館
会期:4月29日〜7月21日

【青森】「ニュー・ユートピア——わたしたちがつくる新しい生態系」(弘前れんが倉庫美術館) 

2020年の開館から弘前れんが倉庫美術館の5周年を記念して開催される展覧会。同館は、弘前や津軽地方固有の風土、歴史、民俗、文化に根差しつつ、新たな価値の創造を目指し、コミッション・ワークを収蔵してきた。今回の展覧会では、コレクションとともに、未来を担うアーティストたちの作品を紹介する。参加作家には、川内理香子、SIDE CORE、工藤麻紀子、松山智一、畠山直哉、小林エリカ、田村友一郎、藤井光、大巻伸嗣、奈良美智らが名を連ねる。

会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:4月4日〜11月16日

【青森】「エルヴィン・ヴルム 展」(十和田市現代美術館)

オーストリア出身のアーティスト、エルヴィン・ヴルムの日本初個展。彫刻を学んだヴルムは、石膏や金属などの伝統的な彫刻にとどまらず、写真や映像、絵画といった多様なメディアを用いて、彫刻の概念を拡張している。身の回りの日用品を使い、社会に存在する規範や制度、権力の構造をユーモラスに炙り出し、作品を通じて鑑賞者に様々な問いを投げかける。本展では、最新作《学校》を初公開する。詳細はニュースをチェック

会場:十和田市現代美術館
会期:4月12日〜11月16日

【青森】「描く人、安彦良和」(青森県立美術館) 

『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦良和の創作活動を展望する回顧展。北海道遠軽町に開拓民の3世として生まれ大学では学生運動に参加、その後上京してアニメ制作に加わり、漫画家に転身する激動の半生を振り返る。本展では、初公開を含むアニメ制作時の貴重な資料、端正美麗なカラーイラスト、漫画原稿など1000点以上の作品資料を紹介する。

会場:青森県立美術館
会期:4月19日〜6月29日

【石川】「接続する絵画」(金沢21世紀美術館

ポストモダン以降、絵画は従来のタブローとしての絵画から脱却し、絵画それ自体をメディウム化する方向へと展開してきた。オブジェを組み合わせてイリュージョンを排除するような絵画、空間全体を取り込むような絵画、作者が架空と実在を行き来するような絵画、現実と虚構に揺さぶりをかける絵画、パフォーマンスや映像を組み合わせた絵画、絵画それ自体の存在を問うような絵画などの取り組みは、現実の世界と深いつながりを結んでいる。本展では、対極する戦後ドイツの画家、ゲルハルト・リヒターとアンゼルム・キーファーを起点に、絵画における表現の可能性を探究し、それぞれの手法や視点から独自の「絵画」に取り組むアーティストを紹介する。ニュースはこちら

会場:金沢21世紀美術館
会期:4月29日〜9月28日

【京都】「松本市美術館所蔵 草間彌生 版画の世界―反復と増殖―」(京都市京セラ美術館)

世界的な前衛芸術家である草間彌生(1929~)による初めての大規模な版画展。世界最大の草間コレクションを誇る草間の故郷・長野県松本市にある松本市美術館が所蔵する340点にも及ぶ版画作品から、富士山を主題に浮世絵の木版画の技法を用いた連作や、モノクロームの大型シルクスクリーン作品「愛はとこしえ」シリーズなど、厳選した作品に作家蔵を加えた約300点を展示する。同館では、4月11日から「[2025春期]コレクションルーム 特集『染織をめぐる冒険―京都の作家を中⼼に』」も開催される。

会場:京都市京セラ美術館
会期:4月25日~9月7日

【京都】「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2025」(京都市内各所)

2013年から京都市内各所を舞台に開催されている写真の国際芸術祭。第13回を迎える今回は、「HUMANITY(人間性)」をテーマに掲げる。共同創設者/共同ディレクターはルシール・レイボーズと仲西祐介。メインプログラムでは、石川真生、JR、マーティン・パーら世界10ヶ国から13組のアーティストが参加。市内の様々な会場で展示を行う。またサテライトイベントとして、これから活躍が期待される写真家やキュレーターの発掘と支援を目的とした公募型アートフェスティバル「KG+2025」も開催される。詳細はニュースをチェック

会場:京都市内各所
会期:4月12日〜5月11日

【大阪】「Study: 大阪関西国際芸術祭 2025」(大阪市内各所)

2022年からプレイベントを行ってきた「Study:大阪関西国際芸術祭」が、大阪・関西万博にあわせて本祭として開催される。万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」にあわせ、「人間とは何か。」を考察する内容になるという。ロン・ミュエク、パトリシア・ピッチニーニ、マウリツィオ・カテランらが、安藤忠雄の設計による大阪文化館・天保山(旧サントリー・ミュージアム)を会場にハイパーリアリスティックな彫刻作品を発表するほか、釜ヶ崎芸術大学、kioku手芸館 たんすを拠点に活動する「NISHINARI YOSHIO」が西成エリアを中心に参加する。

会場:大阪・関西万博会場内、大阪文化館・天保山(旧サントリーミュージアム)・ベイエリア 、中之島エリア(大阪国際会議場)、船場エリア、西成エリア、JR大阪駅エリア、松原市ほか
会期:4月13日~10月13日
※会場などにより会期が異なります

【大阪】「大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展 日本国宝展」(大阪市立美術館)

大阪・関西万博開催記念と大阪市立美術館のリニューアルを記念して開催される本展は、国や地域を超え日本文化への理解を深める契機となることを目指して開催。縄文時代の造形から仏教美術、中世の水墨画や桃山絵画、書跡や陶磁器など、幅広い時代と多様なジャンルの国宝作品約130点が一堂に集まる。

会場:大阪市立美術館
会期:4月26日〜6月15日

【奈良】「超 国宝―祈りのかがやき―」(奈良国立博物館)

奈良国立博物館では初めての大規模な国宝展。奈良博や奈良の歴史に関わりの深い国宝を中心に、未来の国宝ともいうべき重要作品など、日本が世界に誇る名品の数々を紹介。国宝約110件、重要文化財約20点を含む約140点の仏教・神道美術を展示する。

会場:奈良国立博物館
会期:4月19日~6月15日

【瀬戸内エリア】「瀬戸内国際芸術祭2025 - 春会期 - 」(高松港など)

15年目の節目を迎える「瀬戸内国際芸術祭」は、春・夏・秋会期にわけて計107日間にわたって開催。今回から志度・津田エリア、引田エリア、宇多津エリアが新たに会場として加わるほか、直島では今春開館の直島新美術館も会場に。ジャッガイ・シリブート、プ・ジヒョン、雲門舞集ら21の国と地域から計63組のアーティストが参加。また新規にニュージーランドやスウェーデンと連携を図り、ニュージーランドからは「第60回ヴェネチア・ビエンナーレ」で金獅子賞を受賞した「マタホ・コレクティブ」のメンバーでもあるサラ・ハドソンが参加する。さらに芸術祭の連携プロジェクトとして、開催地域の8つの美術館が日本人アーティストの展覧会を行う。ニュースはこちら

会場:高松港、瀬戸内の島々と沿岸部
会期:4月18日〜5月25日(春会期)

Art Beat News

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