*2024年下半期に見たい展覧会(最新版)も公開中!
札幌市内にある北海道立近代美術館では、アイヌの特徴的な渦巻き文様であるモレウをテーマとした展覧会が開催される。モレウを中心に、アイヌアートの多様性とデザイン性に富んだ造形力に焦点が当てられる。木工芸、染織の優品のほか、貝澤徹、西田香代子、藤戸康平らの近作も注目だ。
会場:北海道立近代美術館
会期:1月13日〜3月10日
青森県立美術館では、鴻池朋子の個展の開催が決定した。本展は、2022年に高松市美術館と静岡県立美術館で行われた「みる誕生」 展のバトンを引き継ぎ、展覧会や美術館という巨大化したシステムを丁寧に解きほぐすことを試みるもの。美術館という大きな「家」との交感として、ハンティングと人間のものづくりの関係、毛皮の家や指人形などの触覚を通した遊び、生物の眠りと墓と土の考察を主題とする新作などが発表される予定だ。
会場:青森県立美術館
会期:7月13日〜9月29日
ボタニカル・アートとは、薬草学や植物学などの科学的研究を目的として花や植物を描いた植物画のこと。本展は、 世界最大級の植物園である、英国キュー王立植物園の協力のもと、野菜や果物、ハーブ、スパイスなどの植物画や、18~19世紀の食卓を飾った家具や食器、レシピなど、約190点が展示される。
会場:茨城県近代美術館
会期:2月23日~4月14日
https://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/viewer/info.html?id=181
春陽会は1923年に第1回展が開催された美術団体。当時民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちによって結成され、現在も活動は続いている。本展は設立100年を記念し、黎明期から1950年代までの展開を振り返るもの。同じ芸術主義を持ち連帯するのではなく、それぞれの画家たちの個性を尊重する「各人主義」を掲げた春陽会のメンバー。その作品を中心に、約200点の名品が公開される。本展は3月に、長野県立美術館へ巡回予定だ。
会場:栃木県立美術館
会期:1月13日〜3月3日
埼玉県立近代美術館は、美術史における「椅子」の在り方に注目する展覧会を企画。美術における椅子というモチーフは、権威の象徴として、記憶の依り代として、あるいは拡張された身体として、さまざまな機能や象徴性を見出すことができる。デザインの文脈から離れ、哲学や思想における「究極・絶対」なるものとしての椅子に迫る。
会場:埼玉県立近代美術館
会期:2月17日~5月12日
https://pref.spec.ed.jp/momas/2023absolute-chairs
ミニマル・アートの代表的な彫刻家として知られるカール・アンドレ。千葉・佐倉のDIC川村記念美術館では、その国内初となる大規模個展が開催される。木、金属、石のユニットが規則的に並べられた広い展示空間のもと、アンドレの典型的な彫刻作品を鑑賞し、「場として彫刻」を体感できる本展。彫刻に加えて、これまであまり紹介されてこなかったアンドレの詩もまとまったかたちで公開されるため、こちらも注目だ。
会場:DIC川村記念美術館
会期:3月9日〜6月30日
本展で焦点が当てられる鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし、1756〜1829)は、旗本出身の浮世絵師。当初は徳川家に「絵具方」として仕えていたものの、やがて武士の身分を離れ本格的に浮世絵師として活躍するようになった。本展は、世界初となる栄之展。国外に流出した名品を集めつつ、栄之の画業を総覧しその魅力に迫る。
会場:千葉市美術館
会期:1月6日〜 3月3日
ミューぽんで100円OFF!(3名まで割引)
神奈川県立近代美術館 葉山館では、芥川龍之介を中心に、夏目漱石、菅虎雄という3人の交流に注目する展覧会が開催される。漱石は芥川が師と仰いだ人物であるいっぽう、菅は芥川の一高時代のドイツ語の教師であるとともに、漱石を禅に導いた人物だ。作品内でたびたび美術について言及していた芥川の、美的世界に迫る。
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:2月10日〜4月7日
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では2月から、現代美術家と同館の所蔵作家を特集する二人展がスタート。本展で取り上げられるのは、絵画から映像、立体まで多様な表現で知られる小金沢健人(1974〜)と、洋画家でありながら装幀・挿画の仕事でも人気の佐野繁次郎(1900〜87)。線でイメージを作り出すドローイングと、映画的なカットやイラストレーションの境界を探求する。
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:2月23日〜5月6日
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition
フィリップ・パレーノは現代のフランス美術を代表するアーティストのひとり。映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど多様なメディアを用いて、現実とフィクションの境界、芸術の作者性などを主題とした作品を制作してきた。国内最大規模の個展となる今回。代表的な映像作品《マリリン》(2012)や1990年代の初期作品、初公開のインスタレーションまで、その活動が多面的に紹介される。
会場:ポーラ美術館
会期:6月8日~12月1日
https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20240608c01/
工業素材も用いた家具やインテリアで知られ、1960年代以降、デザイン界で高い評価を受けてきたインテリアデザイナー・倉俣史朗。およそ20年ぶりとなる回顧展が世田谷美術館から巡回する。出展作品には、初期から晩年までの作品に加えて、その制作の過程を示す夢日記やスケッチも。世田谷美術館での展示の様子はレポートをチェック。
会場:富山県美術館
会期:2月17日~4月7日
「ヴンダーカンマー=驚異の部屋」とは、絵画や彫刻、動物の剥製や植物標本など、美しいものや奇妙なものを世界各地から収集する空間やその文化現象を指す。15世紀ヨーロッパで始まり、美術館や博物館の原型とされている。豊田市美術館は、4月に市内に豊田市博物館が開館することを機に本展を企画。文化表象の実践の場として、未来の「ミュージアム」の可能性に迫る。出展作家は、リゥ・チュアン、タウス・マハチェヴァ、ガブリエル・リコ、田村友一郎、ヤン・ヴォー。
会場:豊田市美術館
会期:1月20日~5月6日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)
北川民次はメキシコで学び二科会で活躍した洋画家。その生誕130周年を記念して、名古屋市美術館で回顧展が開催される。本展ではその作品に加えて、同時代のメキシコで活動した画家ルフィーノ・タマヨや写真家ティナ・モドッティ、北川と親交のあった藤田嗣治などの作品も合わせて紹介。メキシコと日本の架け橋としての画家のすがたに迫る。なお本展は、世田谷美術館、郡山市美術館へ巡回予定だ。ニュースはこちら。
会場:名古屋市美術館
会期:6月29日〜9月8日
マンガやアニメといったポピュラーカルチャーなどの引用やコラボレーションを通じて、現代美術に多大な影響を与えてきた村上。京セラ美術館で開催されるその大規模個展は、国内ではおよそ8年ぶり、東京以外では初の開催だ。新作を中心に、代表的なシリーズ、国内初公開となる作品など約170点が出展される。ニュースはこちら。11月に京都で開催された記者会見の様子もチェックしておきたい。
会場:京都市京セラ美術館
会期:2月3日〜9月1日
キュビスムとはジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソらを中心に20世紀初頭に興った芸術運動のこと。幾何学的な形によって画面が構成されることが特色だ。本展は、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るフランス・パリのポンピドゥーセンターから、絵画を中心に彫刻、素描、版画、映像、資料など約140点(うち50点が日本初出品)が来日。日本でのキュビスム展は50年ぶりとなる。国立西洋美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。
会場:京都市京セラ美術館
会期:3月20日~7月7日
本展は雪舟の作品それ自体ではなく、その受容に注目する展覧会。「画聖」と仰がれる雪舟の評価が形成される道程に迫る。雪舟の国宝6件すべてが集結するほか、その影響を受けた長谷川等伯、雲谷等顔、山口雪渓、尾形光琳、円山応挙、狩野芳崖ら近世の日本画家の作品も公開される。
会場:京都国立博物館
会期:4月13日〜5月26日
上野の森美術館で開催されているクロード・モネの大規模個展は、2月に大阪中之島美術館へ巡回。本展では同じ場所やテーマを異なる角度、異なる時間、異なる季節を通して描いた「連作」に注目。国内外40館を超えるコレクションから厳選したモネの代表作60点以上が一堂に集結する。上野の森美術館でのフォトレポートはこちら。
会場:大阪中之島美術館
会期:2月10日〜5月6日
木下佳通代(1939〜94)は神戸を拠点に活動した、関西の戦後美術を代表する美術家のひとり。神戸の前衛芸術集団「グループ〈位〉」と行動をともにしつつ、平面と空間、視覚と認識の関係性を問うような作品を制作し、「存在とは何か」という問題と向き合い続けた。本展は、木下にとって初の美術館での個展。その全貌に迫る。
会場:大阪中之島美術館
会期:5月25日〜8月18日
大阪中之島美術館では9月から、大阪で生まれベルリンを拠点に活動する塩田千春の大規模個展が開催。パンデミックを経てより注目が集まる他者との「つながり」に、3つの「アイ」=「私/I」「目/eye」「愛/ai」を通じてアプローチすることを試みるという。インスタレーションを中心に、絵画、映像などが出展される。
会場:大阪中之島美術館
会期:9月14日〜12月1日
12月からは、江戸末期に活躍した浮世絵師・歌川国芳の大規模展が、大阪中之島美術館で開催。国芳展の決定版として武者絵や戯画、風景画、美人絵、子ども絵など、幅広い画題の浮世絵版画に加えて貴重な肉筆画も展示される。およそ300点が公開される国芳展の決定版だ。
会場:大阪中之島美術館
会期:2024年12月21日〜2025年2月24日
パープルームを主宰し、9月にはTABでホックニー展のレビューも執筆した美術家・梅津庸一。その個展が6月から、大阪の国立国際美術館で開催されることが発表された。2004年〜24年のあいだに制作された作品で構成される本展は、梅津の個展としてはこれまでで最大規模となる予定だ。
会場:国立国際美術館
会期:6月4日〜10月6日
江戸時代前期に、修験僧として旅をしながら市井の人々へ仏像を彫り続けた円空。生涯で約12万体の神仏を彫る誓願を立てたと言われ、現在までに5000体以上が見つかっている。本展では、約160体の円空仏が集結。その生涯と活動を紹介する。
会場:あべのハルカス美術館
会期:2月2日~ 4月7日
兵庫県立美術館は、フランスのアヴェロン県と兵庫県の20年以上にわたる友好交流を記念し、画家のピエール・スーラージュ(1919〜2022)と書家の森田子龍(1912〜1998)の二人展を開催。ふたりは森田が編集する雑誌『墨美』を通じて知り合った。彼らの作品を切り口として、東西の美術の出会いに注目する。
会場:兵庫県立美術館
会期:3月16日~5月19日
https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/
本展は、池田満寿夫と彼が交流を持ったデモクラート美術家協会の作家に注目する企画。旧満州国で生まれた池田は、戦後長野に引き上げ、後に上京。靉嘔や瑛九、久保貞次郎と交流し、1957年の第1回東京国際版画ビエンナーレ展に出展。1966年にはヴェネチア・ビエンナーレで版画部門の国際大賞を受賞し、国際的に評価されるようになった。同館が所蔵する池田作品のうち、1950年代〜66年頃までの作品が並ぶほか、池田と交友を持った作家による版画と油彩画も展示される。
会場:広島市現代美術館
会期:1月20日〜3月17日
福岡を拠点とする前衛美術グループ「九州派」のメンバーとして活動し、2015年に逝去したオチ・オサム。アスファルトや日用品を表現の素材とした制作や、球体をモチーフとした絵画で知られている。本展は、美術館では初となるオチの回顧展。生活と制作を地続きであるという態度のもと、ドローイングやコラージュを作り続けた作家の全貌に迫る。
会場:福岡市美術館
会期:1月24日〜3月24日
アール・ヌーヴォーの代表的な画家として知られるアルフォンス・ミュシャ(1860〜1939)。本展では、デザイナーとしてのミュシャの多彩さや先駆性に注目。絵画や写真はもちろん、劇場ポスターや書籍の挿絵、ポストカード、お菓子や香水のパッケージ、宝飾品などを含むおよそ170点の作品が公開される。うち約90点が日本初公開作品だ。
会場:熊本市現代美術館
会期:2月10日〜4月7日
https://www.camk.jp/exhibition/mucha/