Tokyo Gendai 2024 Courtesy Tokyo Gendai
国内外から厳選されたギャラリーが一堂に会する世界水準のアートフェア「Tokyo Gendai(東京現代)」が、9月12日〜14日に横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)で開催される。今年で3回目を迎える本フェアは、日本の女性アーティストによる伝統工芸技術に焦点を当てた特別展示をはじめ、新進アーティストを支援する「Hana Artist Award」や、創造的な対話を促進するキュレーターシンポジウムといった多彩なプログラムを通じ、国内外の優れたアート作品を新たな視点で探求する機会を提供する。このたび、第1弾プログラムが発表された。
今年の新たな取り組みとして、「Hana Artist Award」を初開催。本アワードは、キャリアの初期または中堅の個人アーティストやグループアーティストを対象とした賞で、「Hana 'Flower'」セクターに参加するアーティストのなかから選ばれる。受賞者には、フェア会期中の特別表彰とともに、約150万円の賞金が授与される。選考は、手塚美和子(Dib Bangkok館長)をはじめとする国際審査委員会が行い、会場内で審査を実施する。受賞者は9月13日の授賞式で発表される予定だ。
また、3回目の開催となる「Tsubomi ‘Flower Bud’」では、伝統工芸技術を用いる女性アーティストに焦点を当て、現代アートシーンにおける職人的手法の台頭を探る。特別展示では、陶芸家・中井波花(TARO NASU)やガラス作家・三嶋りつ惠(ShugoArts)など、キャリアの異なるアーティストの作品が紹介される。選定は、「Tokyo Gendai」のフェアディレクターを務める高根枝里と、2027年開館予定の小田原文化財団江之浦測候所甘橘山美術館準備室室長・橋本麻里が協働で行う。
「海水と淡水が混ざり合う河口のような場所を汽水域といい、そこでは塩分濃度や水流、水位が常に変動しています。そんな不安定な環境にもかかわらず──というよりだからこそ──豊かな生物相が育まれるのです。アートと工芸が接する領域も、いわば汽水域のように両者がせめぎ合い、混ざり合う、豊かな場所なのかもしれません。そのような領域を舞台とした日本の女性作家たちによる展示が、アートと工芸の間にある新しい豊穣さを垣間見せるものになることを期待しています」(プレスリリース、橋本麻里コメントより)
さらに、国内アートシーンのさらなる発展を支援し、アートコミュニティのためのプラットフォームを提供することを目的とした「キュレーターシンポジウム」も初開催される。日本と国際的なアートシーンをつなぐ対話の場として、新たな議論を生み出し、異文化交流の促進が期待される。参加者やテーマの詳細は、後日発表される。
3回目を迎える本フェアは、開催時期を猛暑日の多い7月から9月へ変更。国際芸術祭「あいち2025」と時期を合わせることで、国際的なアートコミュニティが日本の創造性と文化の豊かさを深く体験できる貴重な機会となる。後日発表される詳細を楽しみにしたい。
第3回 Tokyo Gendai
日時:9月12日〜14日(招待客向けプレビュー、ヴェルニサージュは9月11日)
開催場所:横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)ホールC/D
主催:The Art Assembly
ウェブサイト:https://tokyogendai.com/ja/