*2024年下半期に見たい展覧会(最新版)も公開中!
天王洲アイルの寺田倉庫G1ビルでは、ゴッホの作品3000点以上をイマーシブな映像として体験できる展覧会が開催される。世界99都市を巡回し、900万人以上を動員してきた本展。国内では名古屋と神戸で開催され、のべ約34万人が来場したという。サラウンド音響やアロマの仕掛けも施された空間で、ゴッホ作品の没入体験を味わいたい。ニュースはこちら。
会場:寺田倉庫G1ビル
会期:1月6日〜3月31日
アメリカ近代建築の巨匠として知られるフランク・ロイド・ライト。昨年、豊田市美術館で開催されたその個展がパナソニック汐留美術館へ巡回する。展示されるのは、日本初公開となる建築ドローイングや図面の数々を含む約420点。帝国ホテルの設計をキャリアの中心軸として、ライトの魅力に迫る。豊田市美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。
会場:パナソニック汐留美術館
会期:1月11日~3月10日
刀剣鑑定の名門家系に生まれ、家業のほかにも能書や漆芸、陶芸、出版などさまざまな造形に関わった本阿弥光悦。本展は、そんな光悦の内面世界とその信仰の在り方に注目する企画。本阿弥家が扱った名刀や光悦自身の手による書や作陶、交流をもった職人たちの品物などが公開される。同館では1月23日から、「中尊寺金色堂」展もスタートする。
会場:東京国立博物館
会期:1月16日〜3月10日
本展は、ガラス作家・山野アンダーソン陽子の作品を起点とするプロジェクト「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」を紹介する企画。画家から伝えられたガラス作品のイメージを山野が造形し、それを画家が描く。さらに、写真家・三部正博が画家たちのアトリエを撮影し、デザイナー・須山悠里が本をデザインする。この連続的なコラボレーションで生み出された、クリアーガラスの食器、絵画、写真が公開される。東京オペラシティ アートギャラリーでは4月から、「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」展も予定されている。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:1月17日〜3月24日
2024年は、第1回印象派展から150周年の節目の年。東京都美術館は、アメリカ・ボストン近郊・ウスター美術館の所蔵品から印象派作品を紹介する展覧会を企画した。出展作家には、日本でもよく知られるモネ、ルノワールなどフランスの印象派はもちろん、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェント、さらにはアメリカの印象派を代表するハッサムらの名前も。出展作品のほとんどが初来日だという本展。ぜひ見ておきたい。
会場:東京都美術館
会期:1月27日~4月7日
東京国立近代美術館では、戦後の日本写真に多大な影響をもたらした中平卓馬の大規模個展が開催される。本展では初期から晩年まで、約400点の作品・資料を公開。「アレ・ブレ・ボケ」とも称されるスタイルの写真を掲載した雑誌『PROVOKE』や評論集『なぜ、植物図鑑か』などはもちろん、1977年の昏倒・記憶喪失やそこからの再起など、これまであまり注目されてこなかった仕事にも焦点が当てられる。詳細はニュースをチェック。
会場:東京国立近代美術館
会期:2月6日〜4月7日
東京都美術館での「マティス展」に続き、国立新美術館でもマティス展が開催。焦点が当てられるのは、後年ニースで制作された切り紙絵の作品群。マティス美術館の全面強力のもと、絵画、彫刻、素描、版画、テキスタイルなど約150点が公開される。詳細はニュースをチェック。
会場:国立新美術館
会期:2月14日〜5月27日
東京都庭園美術館は開館40周年を記念し、その建築の歴史に迫る展覧会を開催。同館は、1933年に皇族・朝香宮家の邸宅として竣工され、現在は重要文化財に指定されている。本展では、建築技法、建設に携わった人々、室内意匠や素材などにまつわるエピソードが、アルファベットごとのキーワードで解説。建物の保存と活用を続ける同館のこれまでとこれからの歩みに注目したい。
会場:東京都庭園美術館
会期:2月17日〜5月12日
事前予約制
愛知県美術館、兵庫県立美術館で開催されていた安井仲治の個展が、東京ステーションギャラリーへ。安井は戦前に関西で活動したアマチュア写真家。ピクトリアリスムから、ストレート・フォトグラフィ、フォトモンタージュ、街角でのスナップまで、多彩に写真表現を追求した。本展では戦災を免れたヴィンテージプリントとネガの調査をもとに、約200点の作品を公開。安井の活動をより実証的なかたちで提示する。愛知県美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。企画担当者にその魅力を尋ねたインタビューも合わせて読んでおきたい。
会場:東京ステーションギャラリー
会期:2月23日~4月14日
東京・東村山市の国立ハンセン病資料館は、多磨全生園での絵画活動を紹介する展覧会を開催。同園での絵画展は、いまから約100年前、第一区府県立全生病院時代の「第壱回絵画会」に遡る。本展では、絵画展の黎明期から、戦中から戦後、近年までの動向を辿り、文化運動としての絵画に注目する。
会場:国立ハンセン病資料館
会期:3月2日~9月1日
https://www.nhdm.jp/events/list/6494/
2024年は、アンドレ・ブルトンが「シュルレアリスム宣言」を発表してからちょうど100年。フランスで勃興したこの芸術運動は、日本の画家にも大きな影響をもたらした。本展では、戦時中から戦後にシュルレアリスムに傾倒していた国内の作家作品約120点と資料が公開。出展作家には東郷青児、古賀春江、三岸好太郎、北脇昇、靉光、平井輝七、浅原清隆、山下菊二らが名を連ねる。
会場:板橋区立美術館
会期:3月2日〜4月14日
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/artmuseum/4000016/4001737/4001747.html
主に20世紀前半までの西洋美術のみを蒐集してきた国立西洋美術館は、初となる現代美術の展覧会を企画。所蔵作品を通じて、未来のアーティストへ刺激を与える場となるという開館当初の想いに立ち帰り、「未来の世界が眠る部屋」となってきた/なりうるのかを検証する。出展作家は、飯山由貴、遠藤麻衣、小田原のどか、鷹野隆大、田中功起、エレナ・トゥタッチコワ、内藤礼、長島有里枝、パープルーム、布施琳太郎、ミヤギフトシ、弓指寛治ら20組以上。
会場:国立西洋美術館
会期:3月12日〜5月12日
21_21 DESIGN SIGHTは3月から、先端技術をプロダクトに落とし込むデザインエンジニアリングの世界を紹介する展覧会を開催。展覧会ディレクターは山中俊治。山中がこれまで作ってきたプロトタイプやスケッチなどが公開されるほか、専門領域が異なる7組のデザイナー・クリエイターと科学者・技術者のコラボレーションによる多彩な作品も展示される。
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:3月29日〜8月12日
ルーマニアで生まれ、その独創的なフォルムでロダン以降の20世紀彫刻を牽引したコンスタンティン・ブランクーシ。本展は、ブランクーシの創作活動の全貌を美術館で紹介する初めての機会。パリのブランクーシ・エステートおよび国内外の美術館から借り受けた彫刻約20点に加えて、絵画や写真など合わせておよそ90点の作品が公開される。詳細はニュースをチェック。
会場:アーティゾン美術館
会期:3月30日〜7月7日
シンガポールを拠点に、東南アジアの思想や歴史をもとに映像やパフォーマンスを発表してきたホー・ツーニェン。豊田市美術館で開催された「百鬼夜行」展も記憶に新しい。本展では、デビュー作から近作まで6点の映像インスタレーション作品が並ぶほか、時間とその経験を主題とした最新作《T for Time》(邦題未定)も公開される。ニュースはこちら。
会場:東京都現代美術館
会期:4月6日〜7月7日
アメリカ・シカゴを拠点に、彫刻と陶芸を中心とした制作で国際的に知られるシアスター・ゲイツ。その日本初、アジア最大規模となる個展が、4月から森美術館にて開催される。これまでの代表作から、愛知県常滑市で制作した陶芸作品やプロジェクト、日本の民藝運動と黒人文化の美学を融合するゲイツ独自の哲学である「アフロ民藝」まで、多岐にわたる作品が公開予定だ。詳細はニュースをチェック。
会場:森美術館
会期:4月24日〜9月1日
大阪中之島美術館で開催されていた民藝展は、4月に世田谷美術館へ巡回。民藝を「衣・食・住」をテーマにひも解く本展は、産地やそこで働く作り手も紹介しつつ、暮らしで用いられてきた民藝品が約130件公開される。さらに、現在の民藝ブームに大きく寄与してきたテリー・エリスと北村恵子(MOGI Folk Artディレクター)によるインスタレーションも展示される。佐々風太による本展レビューは読んでおきたい。
会場:世田谷美術館
会期:4月24日〜6月30日
東京都美術館は、サルバドール・ダリやルネ・マグリットといったシュルレアリスムの画家などに多大な影響を与えたジョルジョ・デ・キリコの個展を開催する。デ・キリコの代名詞ともいえる「形而上絵画」や西洋絵画の伝統に回帰した作品、そして晩年の新展開である「新形而上絵画」まで、世界各地から集まった80点以上の作品が展示される。詳細はニュースをチェック。
会場:東京都美術館
会期:4月27日〜8月29日
本展はパリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館という3館のコレクションから、共通点を持つ作品が集結する企画。絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点あまりの作品で34のトリオを組み、20世紀初頭から現代までのモダンアートの新しい見方を提示する。東京国立近代美術館での閉幕後、9月からは大阪中之島美術館へ巡回予定だ。
会場:東京国立近代美術館
会期:5月21日~ 8月25日
六本木ヒルズ内の東京シティビューでは7月から、ポール・マッカートニーの写真展が開催予定だ。本展では、ビートルズが社会現象となった1963年11月から1964年2月にかけてポール・マッカートニーが撮影した写真が公開。60年前からネガやコンタクトシートのままだった貴重な未公開写真およそ250点が並ぶ。
会場:六本木ヒルズ 東京シティビュー
会期:7月〜9月
ファッションブランドKENZOの創設者・髙田賢三の没後初の大規模個展は、東京オペラシティ アートギャラリーで7月からスタート。「色彩の魔術師」と呼ばれた髙田の変遷を、衣装やデザイン画、幼少期からのスケッチや、写真などを通じて紹介する。同館では来年1月から、今津景の個展も開催予定だ。詳細はニュースをチェック。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:7月6日〜9月16日
国立新美術館では8月から、田名網敬一の大規模個展が開催される。出展作品は、近年スタジオで発見された最初期のポップアート作品から、60年代後半から70年代初めにかけて制作されたグラフィックデザインやイラストレーション、80年代における極彩色の木彫シリーズ、新作のペインティングや立体作品、アニメーションまで、これまでのキャリアを概観するようなラインアップだ。「記憶」というキーワードをもとにその創作活動の全貌に迫る。
会場:国立新美術館
会期:8月7日~11月11日
https://nact.jp/exhibition_special/2024/keiichitanaami/
板谷梅樹は、旧日本劇場一階玄関ホールなどを手がけた昭和のモザイク作家。その人となりに迫る展覧会が、六本木の泉屋博古館東京にて8月から開催される。板谷が手掛けたエキゾチックなモザイク画や美しい飾筥(かざりばこ)、ペンダントヘッドといった装飾品などが出展予定だ。
会場:泉屋博古館東京
会期:8月31日〜9月29日
https://sen-oku.or.jp/program/20240831_itayaumeki/
東京都美術館は9月に、田村一村の大規模回顧展を開催。田村は、中央画壇からは距離をおき、晩年は奄美大島で、自然や花鳥を題材とした絵画を制作した。近年の研究で発見された資料を含む構成のもと、画家としての真の姿に迫るという本展に期待したい。
会場:東京都美術館
会期:9月19日~12月1日
https://isson2024.exhn.jp/
森美術館はシアスター・ゲイツに続いて、ルイーズ・ブルジョワの個展を開催。国内でのブルジョワの個展は27年ぶり。絵画、版画、素描、彫刻、インスタレーション、遺稿などの出展のもと、その全貌に迫る。さらに、六本木ヒルズ内に立つ彫刻《ママン》など、「蜘蛛」を題材としたシリーズにも焦点が当てられる。詳細はニュースをチェック。
会場:森美術館
会期:9月25日〜2025年1月19日
国立科学博物館では、同館史上初めて鳥類にフォーカスした展覧会が11月に開催される。急速に発展するゲノム解析によって明らかになってきた最新の進化系統をもとに、鳥の不思議に迫る。豊富な剥製標本や、鳥類の高い認知能力を紹介する資料などが紹介される予定だ。
会場:国立科学博物館
会期:11月2日〜2025年2月24日
第5回目を迎えるアーティゾン美術館のジャム・セッション。今回の出展作家は、2024年ヴェネチア・ビエンナーレ日本館に選出された毛利悠子だ。インスタレーションや彫刻を通じて、磁力や電流、空気や埃、水や温度といった潜在的な流れや回路に注目してきた毛利。毛利の新・旧作品とともに、作家の視点から選ばれた石橋財団コレクションとが並べられることで、ここでしか体感できない「微細な音や動きで満たされた静謐でいて有機的な空間」にいざなう展示になるという。
会場:アーティゾン美術館
会期:11月2日〜2025年2月9日
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/575
休館中の三菱一号館美術館は、11月の再開館に合わせて、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックとソフィカルの二人展が開催。コロナ禍で来日が叶わなかったソフィ・カルの展覧会が、4年越しに実現する。トゥールーズ=ロートレックの作品としては、同館のコレクションから13年ぶりにポスター全32点が一挙に公開。カルは代表シリーズ《なぜなら》《あなたは何が見えますか?》《盗まれた絵画》《フランク・ゲーリーへのオマージュ》など、約40点の展示が予定されている。詳細はニュースをチェック。
会場:三菱一号館美術館
会期:11月23日〜2025年1月26日
東京都現代美術館では12月から、2023年3月に逝去した坂本龍一の大規模個展が開催される予定だ。大型インスタレーション作品が包括的に紹介されるほか、生前に坂本が本展のために構想した新作とこれまでの代表作が、美術館内外でダイナミックに構成・展開される。坂本の活動を時系列に紹介しながら、その先駆的・実験的な創作活動の軌跡を辿る。ニュースはこちら。
会場:東京都現代美術館
会期:12月21日~2025年3月30日