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3月20日から6月22日まで、大阪中之島美術館で「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が開催される。
大阪に本社を置き、2023年に40周年を迎えた大手ゲームソフトメーカー「カプコン」。1983年の創業以来、対戦格闘ゲームの歴史を築いてきた『ストリートファイター』シリーズや、サバイバルホラーゲームの金字塔『バイオハザード』シリーズ、社会現象となった『モンスターハンター』シリーズなど、世界的人気タイトルを生み出してきた。本展は、ゲーム開発の裏側やゲームクリエイターの情熱に焦点を当て、大阪から世界に向けてその魅力を発信する。
音声ガイドのナビゲーターを務めるのは、『バイオハザード』のレオン・S・ケネディや、『デビルメイクライ』のダンテなど、多くのカプコンタイトルのキャラクターを演じてきた森川智之。カプコンファンにお馴染みの声で、ゲーム誕生の壮大なプロセスや創意工夫を伝える。
本展の見どころのひとつは、歴代人気キャラクターたちが大行進する、新作アニメーションによる映像のトンネルだ。会場入口から約16mにわたる巨大スクリーンに映し出されるアニメーションを眺めながら、カプコンの歩みを堪能できる構成となる。さらに、ゲーム業界やカプコンの歴史を年代順に振り返る「カプコン年表」も登場。ゲーム機やソフトの実物も展示される予定で、ファン必見の内容となるだろう。
架空の世界やキャラクターにリアリティーを与えるための「カプコンらしさ」を追求してきたこだわりに迫るエリアも用意されている。カプコンを代表する人気キャラクターたちが石膏像として登場し、プロジェクションマッピングを駆使して、その精緻な3DCG制作の過程やリアルな表現技術を紹介。石膏像の立体感と映像の融合が、キャラクター制作の舞台裏に息を吹き込む、没入感のある体験を提供する。
ゲーム制作に欠かせない技術であるモーションキャプチャーを疑似体験できるコーナーも登場。『ストリートファイター6』のリュウ、『逆転裁判』の成歩堂龍一、『ロックマン』のロックマンといった人気キャラクターになりきることができ、ゲーム制作の一端を体感できる貴重な機会となる。
雄大な自然のなかで巨大なモンスターに立ち向かうハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』。その世界観を再現したフィールド模型にプロジェクションマッピングとAR(拡張現実)を組み合わせた「超立体図鑑」を体験できる。自然環境の精巧な作り込みや、その環境に適したモンスターの生態がリアルに表現されており、ゲームの世界に入り込んだかのような没入感を味わえる。
1996年に第1作が発売されて以来、世界的な人気を集める『バイオハザード』シリーズ。本展では、そのサバイバルホラーの世界観を新感覚で体験できるコーナーも用意されている。センサーを壁に向けると、ゾンビなどの映像が投影される仕組みが取り入れられており、スリリングな体験を味わうことができる。
さらに、『ストリートファイター6』のリュウと吉田沙保里による対戦が実現。対戦格闘ゲームの先駆けである『ストリートファイター』は、シリーズを重ねるごとにアクションやグラフィックスが進化し、最新作では実写映画さながらの迫力あるバトルが展開される。進化を遂げた架空世界のファイターが、現実世界の“霊長類最強”とも称される吉田沙保里と対峙したら、どのような戦いが繰り広げられるのか。ゲームと現実が交錯する、夢のコラボレーションが見どころだ。
本展のオリジナルグッズも見逃せない。ゲームの企画書をモチーフにしたクリアファイルや、カプコンのキャラクターになりきったコスチュームキューピー、さらにはスーベニアバッグやチケットホルダーなど、バラエティ豊かなアイテムが登場する。
さらに、大阪会場ならではのオリジナルグッズも手に入れることができる。大阪中之島美術館のシンボルであるヤノベケンジの作品《SHIP'S CAT(Muse)》になりきった『モンスターハンター』のアイルーや、同館のシンボルマーク内に配置されたカプコンキャラクターたちが印象的なTシャツなど、ユニークなアイテムが揃う。気になる方は、ぜひ本展を訪れ、グッズ売り場をチェックしてほしい。
なお、本展は大阪での開催を皮切りに、名古屋市美術館(7月5日〜9月7日)、鳥取県立博物館(10月19日〜12月7日)、東京のCREATIVE MUSEUM TOKYO(12月20日〜2026年2月22日)にも巡回予定だ。ゲームクリエイターたちの豊かな創造力に触れられる貴重な機会になりそうだ。