公開日:2025年3月21日

90年間の現代美術を9つの部屋で辿る。東京都現代美術館の開館30周年記念、「MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025」が4月開催へ

約6000点の所蔵作品から、コレクションを代表する作品や新規収蔵品を紹介する。1階から3階の全9室で展開

辰野登恵子 UNTITLED 90-14 1990

1935年から2025年までの90年間の作品を複数の視点で見つめ直す

2025年で開館30周年を迎える東京都現代美術館で、「開館30周年記念 MOTコレクション 9つのプロフィール 1935→2025」が開催される。会期は4月29日から7月21日まで。

東京都現代美術館では、開館当初から東京都美術館より引き継いだ作品を含む約3500点を所蔵しており、現在のコレクションは約6000点にものぼる。開館当初の常設展示では、コレクションのなかから「精選された代表作」によって、第二次世界大戦後の日本の前衛美術を始点に国際的な視野から「現代美術の流れをわかりやすく示す」ことを主眼としていた。その後、作品の収蔵を続けるなかで新たな視点が加わっていき、2005年以降は「MOTコレクション」展として、個々の作家に焦点を当てた展示や、横断的なテーマで様々な作品を対比するなど、多角的な切り口を設けて所蔵作品を紹介してきた。

鶴岡政男 リズム 1935(1954)

開館30年周年を記念して行われる本展では、1935年から2025年までの90年間にわたる美術を、10年ごとに区切った9つの部屋でたどる。1階から3階に続く各部屋では、10年間に制作された作品を部屋ごとに異なる複数の視点で見つめ直し、その時代の美術の様相だけでなく、同館のコレクションの特徴を浮かび上がらせることを試みる。

会場では、鶴岡政男、菊畑茂久馬、高松次郎、草間彌生、辰野登恵子をはじめ、この30年間の収集活動で充実してきた戦前・戦中期の作品やコレクションを代表する作家の作品を展示。

桂ゆき 抵抗 1952
高松次郎 扉の影 1968 撮影:柳場  © The Estate of Jiro Takamatsu, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

さらに同館で行われた個展を機に収蔵された作品の初公開も行われる。2021年に個展を開催した久保田成子、2022年に個展を開催したウェンデリン・ファン・オルデンボルフの作品が収蔵後、初めて公開されるほか、青山悟、片岡純也+岩竹理恵など、近年新たにコレクションに加わった作家や作品もあわせて紹介される。

久保田成子 デュシャンピアナ:マルセル・デュシャンの墓 1972-75/2019 撮影:森田兼次
ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 彼女たちの 2022 撮影 : 森田兼次

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