イタリアの都市ヴェネチアの市内各所を舞台に1895年から続く芸術の祭典。第60回となる今年は、メイン展示のキュレーターをアドリアーノ・ペドロサが務め、テーマは「Stranieri Ovunque / Foreigners Everywhere(どこにでもいる外国人)」。2000年代初頭に人種差別と闘ったトリノのコレクティヴの名前に由来するもので、移民をはじめとする外国人、ディアスポラ、亡命者、難民、なかでも南半球と北半球を行き来するアーティストにフォーカスするという。昨今の排他的なナショナリズムが台頭する世界各地の情勢や移民問題に言及するであろう本展が、ウクライナやパレスチナの情勢を踏まえどのような展示を展開するかに注目だ。
また各国のパビリオン展示も行われ、日本館代表には毛利悠子が選出されている。
会期:4月20日〜11月24日
会場:イタリア、ヴェネチア各所
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20世紀および21世紀美術の巨匠、アンゼルム・キーファーの大規模な展覧会が開催される。絵画、彫刻、インスタレーションを通して、記憶、神話、戦争、存在をテーマにした衝撃的な作品群が、ルネッサンス建築であるストロッツィ宮殿とどんなユニークな対話を繰り広げることになるだろう。歴史的作品に加えて新作発表も。
会期:3月22日〜7月21日
会場:ストロッツィ宮殿
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バウハウスで教鞭をとり、抽象絵画の創始者灯されるロシアの画家ワシリー・カンディンスキー(1866〜1944)と、当時の女性としては珍しい職業画家スウェーデンのヒルマ・アフ・クリント(1862〜1944)の作品が一堂に会する。ほぼ同時代に生きたアフ・クリントとカンディンスキーは、抽象画という新しい絵画スタイルを追求した。両者の絵画や水彩画、デッサンを見比べられる、またとない機会となるだろう。
会期:5月16日〜8月11日
会場:ノルトライン=ヴェストファーレン20世紀美術館
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李禹煥によるドイツ初の回顧展。李禹煥は日本の「もの派」、韓国の「淡彩派」を代表する画家であり、ほかのミニマル・アート運動と並行して発展した作家で、今回の展覧会では過去50年間の作品約50点が展示される。《ベルベットのベレー帽をかぶった自画像》(1634)がハンブルガー・バーンホフで初公開となる。
会期:2023年10月27日〜4月28日
会場:ハンブルガー・バーンホフ現代美術館
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「貧しい芸術」を意味する「アルテ・ポーヴェラ」の専門家 キャロリン・クリストフ=バカルギエフのキュレーションによる展覧会。主要な13人の主要作品の幅広いコレクションを通して、1960年代末から70年代初頭にかけてイタリアで興った芸術運動の国際的な影響を辿っていく。
会期:10月9月〜2025年5月24日
会場:ブルス・ド・コメルス
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2月からロンドンのテート・モダンでオノ・ヨーコの大規模個展がスタート。インストラクションや映像、音楽、写真など200点以上の作品を展示し、初期から現在までの芸術に対する革新的なアプローチに迫る。本展の中心は1966年から5年間に渡るロンドン滞在中に制作された作品群。カウンターカルチャーのネットワークへの参加やジョン・レノンと出会った時期でもあり、1966年に制作された白い駒だけの《ホワイト・チェス・セット》には、現在まで続くオノの平和へのメッセージを見て取ることができるはずだ。
会期:2月15日~9月1日
会場:テート・モダン
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世代を超えた女性たちがプロの芸術家になるまでの道のりを追った展覧会。チューダー朝時代から第一次世界大戦に至るまでの400年間、メアリー・ビール、アンジェリカ・カフマン、エリザベス・バトラー、ローラ・ナイトといった女性芸術家たちが、新たな芸術の道を切り開いてきた。150作品を超える作品群により、いかに彼女らが境界を打ち破り、多くの障害を乗り越えて、美術界における女性であることの意味を確立したかに光を当てる。
会期:5月16日~10月13日
会場:テート・ブリテン
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世界一有名なファッションドール「バービー」。ブランド65周年を記念する展覧会。1959年に始まったバービーがもたらしたファッションや建築、家具、乗り物など、デザインのレンズを通してバービーのストーリーを探る。数十点の貴重なアイテムも。
会期:2月23日~7月5日
会場:デザイン・ミュージアム
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ゴッホ生誕200周年を記念する大規模展示。ナショナル・ギャラリー所蔵の《ひまわり》(1888)や《ゴッホの椅子》(1889)はもちろんのこと、ゴッホの《ローヌの星月夜》(1888、オルセー美術館蔵)や《黄色い家》(1888、ゴッホ美術館蔵)、など有名作品の展示も。
会期:9月14日〜2025年1月19日
会場:ナショナル・ギャラリー
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フォントを巧みに操りコラージュアートを生み出す、バーバラ・クルーガー(1945〜)。1970年代以降、彼女は権力やジェンダー、階級、消費主義、資本の複雑なメカニズムを絶えず探求してきた。没入型の3チャンネル・ビデオ・インスタレーション《Untitled(No Comment)》(2020)は英国初公開。サーペンタイン内の屋内外を舞台に、様々なインスタレーション展示が繰り広げられる。
会期:1月1日〜3月17日
会場:サーペンタイン・ギャラリー
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南部の農村から隔離された何百万人ものアフリカ系アメリカ人が、ニューヨークに移り住んで生まれた黒人の街「ハーレム」。1920年〜40年代のハーレムで、黒人芸術家たちが日常的な現代生活を包括的かつ広範囲に描いた方法を探求する。注目アーティストは、チャールズ・アルストン、アーロン・ダグラス、メタ・ウォリック・フラーなど。
会期:2月25日〜6月28日
会場:メトロポリタン美術館
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ワシントンD.C.の国立女性美術館(National Museum of Women in the Arts、NMWA)で行われる国際グループ展。2008年より2〜3年に一度の開催を重ね、まだ世に知られていない女性アーティストたちを世界の舞台へ引き上げる登竜門として知られる。第7回となる今回は「コロナ後の新世界」をテーマに、多様な制作活動を行う作家たちを取り上げる。参加作家は米国および世界各国から28の委員会が推薦する各1名が選出し、今回初参加となる日本からは長谷川愛が参加する。
会期:4月14日〜8月11日
会場:国立女性美術館(National Museum of Women in the Arts)
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芸術家・高江津敏子(1922〜2011)の生誕100周年を記念する、20年ぶりとなる大規模巡回回顧展。代表的作品である、月や庭の椅子、樹木、そして晩年の傑作であるスターシリーズから選ばれた記念碑的な作品を含む、陶芸彫刻の膨大なコレクション展となる。2022年ピュリッツァー賞音楽部門の最終候補者のレイレフア・ランツィロッティによって、高江津の作品に隠された音の要素を生かしたコンサートプログラム、ビデオインスタレーションなども展開される。
会期:3月20日〜7月28日
会場:イサム・ノグチ美術館
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第81回開催となる、「ホイットニービエンナーレ2024」が、ホイットニー美術館で開催される。 アメリカの美術の発展を願い、1932年にスタートしたビエンナーレには、これまでに、3,600 人を超える影響力のある革新的なアーティストが参加してきた。パフォーマンス プログラムのゲストキュレーターには、マルチ・インストゥルメンタリスト、コンポーザーであるTaja Cheekを迎える。
会期:3月20日〜
会場:ホイットニー美術館
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コンセプチュアル・アーティストであるジェニー・ホルツァーの回顧展。彼女が1989年にグッゲンハイムで行ったインスタレーションも、35周年を記念して再構築される。《Truisms》と、それに関連するテキスト・ベースのアート作品シリーズ《Inflammatory Essays》も展示される予定だ。
会期:5月17日〜9月29日
会場:ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
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ビジュアル・アクティビストであるザネレ・ムホリは、カメラを使ってジェンダー・アイデンティティ、表現、人種の問題を探求している。2002年から現在までの写真と、絵画と彫刻におけるアーティストの最新の探求が一堂に会する展示となる。
会期:1月18日〜8月11日
会場:サンフランシスコ近代美術館
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2年に1度開催されている、韓国最大級の現代美術展「第15回光州ビエンナーレ」。今年のテーマである「パンソリ-21世紀のサウンドスケープ」という名の通り、公共空間の音や庶民の声に導かれ、カフェから公共公園など、市内の様々な場所で野心的なナショナル・パビリオンのプラットフォームを立ち上げ、社会におけるアートスペースの意味を再構築する試みも行われる。芸術監督はニコラ・ブリオー。
会期:9月7日〜12月1日
会場:光州市の各所
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同美術館の開館20周年記念プログラムの一環として、テクノロジーによる芸術体験の韓国系アメリカ人アーティストのアニカ・イによるアジア初となる個展。彼女はテクノロジー、生物学、感覚を結びつけた実験的な作品で知られており、本展では、香りや美食、科学など様々な分野を通して、イーのコンセプチュアル・アートが紹介される。様々な様式を探求する彼女のプロジェクトが展開される。
会期:9月5日〜12月29日
会場:リウム美術館
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タイと世界の美術シーンから、印象的なアーティストらが集結する4ヶ月間のアートフェア。ワット・アルン、ワット・プラユーン、バンコクアート&カルチャークセンター(BACC)、ミュージアム・シャムなど様々な公共空間が展示会場となる。
会期:10月24日〜2025年2月25日
会場:バンコクの各所
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「ディリヤ現代美術ビエンナーレ2024」のタイトルは「After Rain」。地面から湧き出る香りを連想させ、活性化と再生を体現している。ユネスコの世界遺産アット=トゥライフがある歴史的な町ディリヤに、43ヶ国92名のアーティストが集結する。
会期:2月20日〜5月24日
会場:ディリヤのJAX地区の倉庫群
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第24回シドニービエンナーレの芸術監督はコズミン・コスティナシュとインティ・ゲレーロが担い、47カ国から88組のアーティストとコレクティブが参加する。植民地支配と資本主義的搾取に由来する深い生態系の危機を認識しながらも、未来に対する黙示録的なビジョンに譲歩することを拒否し、これらの異なる意味の層を扱っている。
会期:3月9日〜6月10日
会場:シドニー市内の各所
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建築家・イオ・ミン・ペイ(1917〜2019)の初となる大規模な回顧展。ワシントン DC の国立美術館東館、パリのグラン ルーブル美術館の近代化、香港の中国銀行タワー、イスラム博物館など、70年に渡って活躍してきた。これまでのキャリアに焦点を当てた分野とアプローチを表す6つのテーマを通じて、ペイの実践を考察していく。
会期:6月29日〜2025年1月31日
会場:M+ Museum
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