皆さん、2024年はどんな1年でしたか? Tokyo Art Beatでは、2024年に1万件を超える展覧会・イベントを掲載しました。このなかから、TABユーザーの注目を集めた展覧会のトップ30を発表!
12月26日にはTokyo Art BeatのYouTubeチャンネルで初めてのライブ配信を行い、「2024年ベスト展覧会」を先駆けて発表しました。皆さん、ご視聴と応援をありがとうございました。アーカイヴは以下からご覧いただけます。
それではランキングとともに、1年を振り返ってみましょう。投票時に寄せられたコメントもご紹介します。
皆さん、投票や心のこもったコメントをお寄せいただきありがとうございました!
*「2024年ベスト展覧会」選出方法
以下の①と②の合計得点で、高い方からベスト30を選出
①Tokyo Art Beat内の「展覧会」ページに付けられた「ブックマーク」と「行った」のクリップ数1件につき1点とする
②「2024年ベスト展覧会」オンラインアンケート投票フォームにおける1票ごとに3点とする(投票期間:12月9日〜22日)
1位に輝いたのは、「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」。東京国立博物館を舞台に現代のアーティストが個展を行うという異色の企画であることから、開催前から大きな期待が寄せられました。トーハクが所蔵する所蔵品のなかから、縄文の土製品や、おそらく同館で初公開という獣骨などを内藤さんが選び、自身の作品に組み込んだ展示はここだけでしか見られない特別な内容。普段は様々な企画展が開催されている本館 特別5室はカーペットと仮設壁を取り払われ、可能な限り建築当初の状態に戻したうえで内藤さんの作品世界が展開されたことも、かつてない鑑賞体験となり、多くの人に感動を与えました。
💬ユーザーからのコメント
内藤礼・東京国立博物館の閉館間際に駆け込みました。お客さんも引いて、がらんとした第二会場、日の入り前の仄かな自然光の下で、個々のモノたちが独自の光を浴びてキラキラと存在していて。それらは古代、わたしと同じように、生きていた人たちが手で作ったもの。アンテナのような作品の間を歩きながら、古代から人は生を受けてきて、壮大な贈与の連続に自分はいま生きているんだ、と思えました。現実にはつらいことがあってボロボロだったのですが、自分は人生の贈与の受信箱なんだ、と、展示そのものが自分の姿を写し出しているようで、満ち満ちた空間の静かな感動が胸にいつまでも残りました。(あんな)
特に東博本館特別5室の展示について、内藤作品はなぜ瞑想を誘うのであろうか。それは、建築空間とその先にある恩寵を見るという鑑賞体験でもあるからだ。今回の内藤礼は建築を見る展覧会でもある。特に東京国立博物館本館特別5室では普段見られないトーハクの素顔の内装が見ることができた。(堀間律人 @forimalist)
TABでもレポート、内藤礼さんのインタビューを公開しています。
堂々の2位は20世紀を代表するもっとも重要なアーティストのひとり、ルイーズ・ブルジョワの個展。日本初公開の作品も多数含む約100点が集結しました。彼女の70年におよぶ創作活動の背後には、母親の病気、父親の支配的な態度や不貞といった幼少期に経験した苦しみやトラウマ、両親との複雑な関係が存在します。そうした個人的な出来事にまつわる記憶と結びついた作品は、鑑賞者にとっても様々な感情を呼び起こすものでした。俳優・歌手の中山美穂さんが亡くなる直前に本展を訪れたことをInstagramで投稿していたことも大きな話題となりました。
会期は2025年1月19日まで開催中です。
💬ユーザーからのコメント
「芸術は正気を保証する Art is a guaranty of sanity.」の言葉に象徴されるL ブルジョワの生をこれでもかと見せつけられた。(なつ)
人それぞれに重く響くテーマを正面から取り上げた。傷や痛みに対する生々しい視線は時に正視を拒むほどだったが、まずは向き合うことからしか得られない赦しがあると、語り掛けて来るようだった。(鞠子)
「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」が3位に輝きました! 日本を代表するコレクター、精神科医の高橋龍太郎さんのコレクションが一堂に介した展覧会。草間彌生、横尾忠則、森山大道、菅木志雄、空山基、舟越桂、奈良美智、村上隆、会田誠、山口晃、塩田千春、名和晃平、Chim↑Pom from Smappa!Groupら日本を代表する有名アーティストからいまをかける新進気鋭のアーティストまで総勢115組のアーティストの代表作が集結しました。TABでは本展の参加作家に高橋さんとの出会いやコレクションに至るエピソードを聞いたインタビュー集も公開しています。
💬ユーザーからのコメント
高橋龍太郎さんは現代美術の現在と未来のために欠かせない方だと前々から思っていましたが、個人史の中で現代美術に惹かれ作品を収集していく様子が展示の中で語られていたので心からありがとうという気持ちになる展示でした。そう見せる藪前さんのキュレーションがたいへん大きく、後世に語り継がれる展覧会になったとおふたりに心からの感謝を捧げたいと思います。(うりぼー)
1位に選ばれた東京国立博物館で開催中の同名の展覧会と連携した展覧会が銀座メゾンエルメスで1月13日まで開催中。こちらも見事に4位にランクインしました。東博から銀座メゾンエルメス、そしてふたたび東博へと戻るという、一種の円環を描くような展覧会構成となっています。
💬ユーザーからのコメント
内藤礼の作品は、自然光がふんだんに入り、そのうつろいを作品と共に感じられる環境で鑑賞したいと改めて思った。ガラスの壁と高い天井で作られる展示空間が、繊細な作品に重く覆いかぶさることなく軽やかに、作品の存在そのものを慈しむように包み込んでいた。トーハクでは起源(歴史、過去)に向き合う「祈り」の展示だと感じたが、こちらの会場では、唯一の生き物である薔薇が、動的な生(現在と未来)に向き合うことを象徴しているように思えた。(dorami3968670)
国立博物館でも銀座エルメスでも、その場所である意味があった。原初の祈りから、繁華街の高級ブティックまで、人の営みに思いを馳せた。(てまし)
シアスター・ゲイツの個展が5位に選ばれました。黒人の歴史や文化と日本の民藝運動とをつなぐコンセプト「アフロ民藝」を提唱し、彫刻から陶芸、音楽、地域再生まで幅広い領域で活躍するアメリカ人アーティストです。常滑の陶芸家、故・小出芳弘氏が遺した4トントラック3台分にもなる膨大な作品を展示した「小出芳弘コレクション」や、信楽で出会った大量の「貧乏徳利」を用いたインスタレーション《みんなで酒を飲もう》など、日本の陶芸へのリスペクトから生まれた作品も印象的でした。
💬ユーザーからのコメント
日本での様々な出会いから作り上げた作品たちは、どれも日本への感謝を表現した作品に思えた。特に、小出芳弘コレクションは自然と涙が出てきてしまった。小出氏の意思を引き継ぎ、独自の美学を表現してほしいと思う。(れもね)
アレック・ソスの個展が6位でした。1969年アメリカミネソタ州生まれ、現代写真を代表する作家であるアレック・ソス。その初期を代表する「Sleeping by the Mississippi」シリーズから、今秋刊行の最新作「Advice for Young Artists」まで展示する本展は、「部屋」をテーマにこれまでの作品を編み直すという独自の試みが光りました。2025年1月19日まで開催中です。
巨匠マティスの大規模個展が7位にランクイン。当初2021年の開催を予定されていましたが新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を延期。3年越しにようやく実現した展覧会で、待ち望んでいたアートファンも多かったはず。展覧会は切り絵のシリーズを中心にした充実の内容。ロザリオ礼拝堂の再現展示や日本初公開される大作《花と果実》(1952〜53)も見応えがありました。
💬ユーザーからのコメント
油彩画から切り絵、礼拝堂のデザインまで、マティスの生涯を通じての軌跡を辿ることが出来、とても充実した内容となっていました。昨年の都美でのマティス展を凌ぐ内容であったと思います。間違いなく今年美術展マイベストでした。(fumi)
また、今年はそれぞれの展覧会ページに、ユーザーによる評価・コメント機能が実装されました! 皆さんもぜひ活用して見てください。表示/非表示の設定も可能です。詳しくはこちら
国立西洋美術館での初となる現代美術の展覧会が8位に選ばれました。美術館が自らの枠組みを問うエポックメイキングな展覧会として、開催前から大きな注目が集まりました。作品制作に加えテキストを執筆する「論客系のアーティスト」をはじめ、独自の挑戦を行う20作家以上が参加作家した本展。美術館に新しい歴史を刻んだ、今年を象徴する展覧会と言えるでしょう。
いっぽう内覧会では、参加作家のひとりである飯山由貴ら有志が国立西洋美術館のオフィシャルパートナーである川崎重工業株式会社に対しイスラエルの武器の輸入の取りやめを要求する抗議活動を行い、同じく本展参加作家である遠藤麻衣とアーティストの百瀬文がゲリラ的な抗議パフォーマンスが行ったことも議論を呼びました。TABではレポート、レビュー、抗議活動に関するオピニオンなど様々な記事で取り上げました。
💬ユーザーからのコメント
ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?は非常に熱量の高い衝撃の展覧会でした。現代アートをただ飾るのではなく、それぞれのアーティストがしのぎを削っている感じが普段モネ展などどちらかというと万人ウケする展示が多い西洋美術館で非常に挑戦的に攻めていて衝撃的でした。そして刺激的なでした。(みえ)
イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったテレンス・コンラン。その日本初の展覧会が9位にランクインしました。初期のデザインやプロダクト、ショップやレストランのアイテム、発想の源でもあった愛用品、著書、写真、インタビュー映像など300点以上の作品や資料を通して、コンランの知られざる顔を浮き彫りにする内容です。いつもの東京ステーションギャラリーとは違った雰囲気の空間構成も本展ならでは。2025年1月5日まで開催中です。
💬ユーザーからのコメント
コンランのグッズとにかくかわいかった(iulet)
10位は現代アーティストを紹介する「遠距離現在 Universal / Remote」でした。2020年から約3年間のパンデミックの時期を、アジア、欧米、北欧など国際的に活躍しているアーティストたちの作品を通して振り返る内容。資本と情報が世界規模で移動する、今世紀の在り方に取り組んできた8名と1組の作品を、全世界規模の「Pan-」と、非対面の遠隔操作「リモート」の2つの視点から紹介。ヒト・シュタイエルらによるバレンシアガをモチーフにしたインスタレーションなどインパクト大な作品が集まり、現代の諸相をとらえた好企画でした。広島市現代美術館、熊本市現代美術館にも巡回しました。
💬ユーザーからのコメント
遠距離現在で、今の社会情勢や労働、孤独死をアートにして第三者に訴えるという精神が心から伝わり、今でも記憶に残っています。(うゆ)
「遠距離現在」展は熊本市現代美術館でスタートしたのち、国立新美術館に巡回。会場が変わると、作品が変化するのが面白かった。(宮本初音)
11位「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」(東京都美術館)
12位「翻訳できない わたしの言葉」(東京都現代美術館)
13位「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」(ワタリウム美術館)
14位「ホー・ツーニェン エージェントのA」(東京都現代美術館)
15位「デ・キリコ展」(東京都美術館)
16位「空間と作品」(アーティゾン美術館)
17位「モネ 睡蓮のとき」(国立西洋美術館)
18位「坂本龍一 | 音を視る 時を聴く」(東京都現代美術館)
19位「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」(東京オペラシティ アートギャラリー)
20位 ソール・ライター 「Saul Leiter」(art cruise gallery by Baycrew's)
21位「ブランクーシ 本質を象る」(アーティゾン美術館)
22位「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて」(アーティゾン美術館)
23位「三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」(三菱一号館美術館)
24位 アンゼルム・キーファー 「Opus Magnum」(ファーガス・マカフリー 東京)
25位「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」(DIC川村記念美術館)
26位「髙田賢三 夢をかける」(東京オペラシティ アートギャラリー)
27位「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」(東京都庭園美術館)
28位「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」(東京オペラシティ アートギャラリー)
29位「須田悦弘」(渋谷区立松濤美術館)
30位「ダイアローグ2 「つかの間の停泊者」ニコラ・フロック、ケイト・ニュービー、保良雄、ラファエル・ザルカ」(銀座メゾンエルメス)
ここでは投票とともに寄せられた熱いコメントをいくつかご紹介します。
惜しくも11位となった「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」(東京都美術館)ですが、投票では多くの票が集まりコメントの熱気も印象的でした。
💬ユーザーからのコメント
幼少期の作品も参考程度に展示してる作家は珍しくはないが都美館のワンフロア全部が一桁代から二十代前半の鑑賞に耐える作品で埋め尽くされた美術館は初めての体験だったし、到達点のアダンはまだまだ先なのに既に一定のレベルに完成されていて笑ってしまった。絵が上手い人は絵が上手いなぁしか言えない位ずっと絵が上手くて凄いものを見た。(えふ)
国立ハンセン病資料館に見学に行ったとき、図書室の窓際でたまたま職員の方が一村の作品集を並べて写真を撮っているのを見たのが一村を知ったきっかけでした。二度見に行きましたが「秋色」と「白い花」はあまりにも作品の力が強すぎて近づけないほどでした。(八代 聡)
ご本人の生き様・人生が丁寧に作品と共に展示され、解説や全体的な雰囲気から熱い思いが響いてきた。その思いが響いてきて心に刺さり、ラストの奄美編の作品群を干渉する頃にはいつの間にか涙が少し溢れていた。(miya)
Tokyo Art Beatは日本全国の展覧会を取り上げています。東京在住のユーザーが多いので、こうしたランキング形式ですとどうしても東京の美術館で開催されたものが上にくる傾向がありますが、関西をはじめほかの地域で開催された展覧会についても、多くの投票やコメントが寄せられました。
💬ユーザーからのコメント
「梅津庸一 クリスタルパレス」(国立国際美術館) 40代前半にして国立美術館での個展が実現という点にまず驚かされましたが、極めて多数の出展数量と創作の意欲・意図・変遷、さらに美術の制度や教育への疑問、万国博覧会…様々な含蓄が込められた充実ぶりが強く印象に残りました。春の国立西洋美術館グループ展では終盤配置で微妙に霞んでいた感じが否めなかったのに対し、梅津さん個人の活動をメインに据えた展示空間・動線として終始構成。会期最終盤に急遽開催された浅田彰さんとの対談を始め、関連企画の充実ぶりも◎でした。2025年以降もSNS・動画配信や著述活動を中心にますます追い続けて行きたいです。
「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」(青森県立美術館) 近年の青森県立美術館の個展・回顧展と比べても明らかに異質・極めて個性的なキュレーションで、こんなにも日本国内・世界各地の災害・疫病・戦争・事故…といった諸問題にコミットしてきた作家であったのかと改めて認識させられた一大企画でした。後半には他のキュレーター・学者・作家の方々による「プロジェクト・ラボ」も設けられ、独特感さらに際立つ仕上がりに。今後はサテライト会場・松丘保養園で観られたような、特定の題材をコンパクトでもさらに深く掘り下げるような展開にも期待したいです。
生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ」(名古屋市美術館) 2019年始に放送の日曜美術館から気になっていた画家でしたがその後はタブロー2点しか観る事ができず、ようやく念願の回顧展開催を知り1館目の名古屋まで行って拝見。アメリカとメキシコで身に付け日本に帰国後も継続された人物・動物の姿や表情を分かり易く描くリアリスティック表現。さらに第二次大戦後に関わった児童対象の美術教育にメキシコ時代からの憧れだったモザイク壁画制作の実現と、濃密内容でその生涯を知る事ができました。
(みなみむさし)
「AOMORI GOKAN アートフェス 2024 つらなりのはらっぱ」(青森県立美術館ほか) 「currents / undercurrents -いま、めくるめく流れは出会って」(国際芸術センター青森)を観覧しました。その中で、地元青森の現代美術作家・中嶋幸治を初めて知り、彼の実力に驚愕しました。ネットやSNSではあまり話題になっていなかったようですが、この点については、青森県内の美術館やアートセンターが連携したイベントであったため、個別に評価されるのはなかなか難しかったのではないかと想像しております。他の著名な作家の作品には好評が見受けられましたので、これはあくまで私の個人的な感想かもしれません。 中嶋の作品における、亡くなった友人のもとへ花弁を握りしめたまま追悼の旅を行った作品や、作家自身の介護生活を起点にした個人的な撮影行為、さらに展覧会終了までに枝を切り続けたパフォーマンスは、鑑賞者個々の視点を通じて社会への参与やレジスタンス、国内外の患難を抱く人々への呼応といった広がりを持つ構造を呈していたように思います。また、各作品のフレームも作家によって精緻に仕上げられており、その突出した技術力が前面には出ていないという表現にもただただ驚きました。 都内から初めて青森を訪れましたが、行ってよかったと思うと同時に、普段、華やかな現場や、有名作家、後ろ盾や社会問題を巧みに利用する作家が少なくない現代美術の世界で、私は一体何を見て、何に満足しているのか、この展覧会をきっかけに深く考えさせられた一年となりました。
(Take Yuki)
「オディロン・ルドン展」(岐阜県美術館) 圧倒的な作品数。ルドンが大好きだった高校時代の熱い心が蘇ってきました。来場者も少なくじっくりと作品と対峙できて良かったのですが、もっとたくさんの人に見てもらいたいなと思いました。 豊田市美術館「しないでおく、こと。― 芸術と生のアナキズム」 初めてアスガー・ヨルンの作品が見られて嬉しかった。ロシアの集団行動など初めて知ることができて良かった。豊田市美術館の企画展はいつも面白い。地方の美術館が意欲的な企画をしているのが素晴らしい。
「梅津庸一 クリスタルパレス」(国立国際美術館) 作品のボリュームも圧倒的だったし、壁面も効果的に使っていてまさにクリスタルパレスという感じだった。梅津庸一が特に好きというわけではなかったが、この展示を見て好きになった。作品も素晴らしいが、会場の使い方が良かった。
(前田薫子)
「森の芸術祭 晴れの国・岡山」 岡山の自然が季節と合っていて、全体的に作品とも関わり合っていてバランスが良かったと感じた。奈義の美術館が中心として核となっているから、できる芸術祭だったと思った。
「村上隆 もののけ 京都」(京都市京セラ美術館) 初日に行って、とにかく大変な目にあったが、今思い出すと語り継がれそうで面白かった。
「SIDE CORE 展|コンクリート・プラネット」(ワタリウム美術館) ワタリウム美術館を上手くつかっているところが素晴らしかった。展示の難しい場所に感じているが、空間全体が作品として機能していた。
(渡辺)
「没後50年 福田平八郎」(大阪中之島美術館) 絵のうまい作家のうまい絵をこれでもかと浴びる展示。個々の作品が単にいいだけでなく、作品点数も多く丁寧にキャリアを追いかけていくことができました。
アンゼルム・キーファー 「Opus Magnum」(ファーガス・マカフリー 東京) 作品と対峙する時間があまりにも良い体験で、表参道を通りかかるたびに5分でいいから立ち寄ろうとした展示でした。「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」(東京都庭園美術館) 作品と建築の対話が最大限に活かされた展示。青木淳が監修に入っており、今年はカルダー展のステファニー・ゴトウや、シャネル・ネクサス・ホールの小室舞なども合わせて、建築家のつくる展示空間の美しさに触れる機会が多くありました。
(半田 颯哉)
「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」(DIC川村記念美術館) DIC川村美術館の建築、庭園、立地、木漏れ日の部屋、ラスコルーム、全てがよかった。それだけではなく、作品の上を歩けたり、木の香りがしたり、五感で楽しめたのが良かった。
「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて」(アーティゾン美術館) 大ガラスの再構築が素晴らしかった。発想の妙。風でたなびかせてスキャナーで切り取るセンス。彼女の趣味のモレモレも作品になっていて嬉しかった。
(匿名希望)
「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」(豊田市美術館) 欧米中心主義に抗して、世界の辺境の地からこんなにおもしろい作家たちを集めてきて、さすがの企画力だった
(June)
「Nerhol 水平線を捲る」(千葉市美術館) 大量に重ねた写真を削る手法が独創的だった。時間の積層が量感を伴って可視化されるので非常に印象に残った。
「松谷武判 Takesada Matsutani」(東京オペラシティ アートギャラリー) 幾何学的な要素と有機的な要素が良いバランスで混ざり合っており、どの作品も格好良くて印象に残った。
「平田晃久ー人間の波打ちぎわ」(練馬区立美術館) 「からまりしろ」という独自の概念が面白く、非常に共感できた。平田さん自身が展示を説明して回る映像が随所に流れていてとても分かりやすかったと同時に、こだわりの強さが垣間見えて少し面白かった。
(ソウト)
「BENTEN 2024」(王城ビルほか) 土地と文化とそこにいる人々の息吹が感じられるストリート感溢れる展覧会でした。また開催してほしいです。
「青山悟 刺繍少年フォーエバー」(目黒区美術館) 現代芸術をここまでわかりやすくカッコよく問題提起できた展覧会は後世に残ると思う。素晴らしかったです。
(Seina)
「塩田千春 つながる私(アイ)」大阪中之島美術館 彼女の作品に私自身が取り込まれていくような感覚が鮮烈だった。グッズも一捻りあって、買いこんでしまった。
(サイコ)
「梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ」(ワタリウム美術館) ワタリウム美術館は毎回新鮮な驚きをもたらしてくれる展覧会を開いている美術館という印象で、今回も演劇と展覧会のかけ合わさった展覧会ということでワクワクしながら参加しました。入ってみると展示スペース内に足場が張り巡らされていたり、その足場が突然動き出したり、2階の搬入用の大窓が開いて道路の向こう側にいる参加者に手を振ったりと、予想していなかった展開に驚きっぱなしでした。 もちろん体験的な面白さだけではなく、美術館の内外を歩き回ることで、ワタリウム美術館の建築、構造としての面白さもしっかり感じられるようになっていて、ワタリウム美術館で行われる意義がしっかり感じられる展示だったと思います。
(フーミン)
「荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ」「田名網敬一 記憶の冒険」(ともに国立新美術館) 今年は国立新美術館での展覧会が少なかったのかもしれないが、やはり、あの広くて天井の高さでの展示は、見応えありました。田名網さんは、残念ながらお亡くなりになりましたが、展示の内容の充実ぶりに驚き、荒川ナッシュ医の展覧会は、さらに、ユーミンなど音楽とのコラボは、最高でした。 マティスの展覧会も良かったけど、敢えて選ぶとこの2つかなあと。
(まー)
「特別展『はにわ』」(東京国立博物館) 50年ぶりの展覧会ということもあり、考古にしては注目度が高く、ずっと楽しみにしていました。たくさんの埴輪たちがまるでアイドルかのように人気を得ていたのでこちらまで嬉しくなりました。また、同時期にHello Kitty展が開催されていたこともあり、古代と現代の偶像(アイドル)共演だと感じました。
「空間と作品」(アーティゾン美術館) アーティゾンでの「空間と作品」は贅沢な展示でした。障子越しの灯りの下、畳の上で、じっくり応挙を見る機会は今後ないような気がします。
(20代女性・北海道在住)
「空間と作品」(アーティゾン美術館) 「いいか?観に来たお前らに!教養というものを!流し込んでやる!!」と言わんばかりの気合と迫力に溢れた展示と解説の凝り方、並ぶ展示品の見事さが非常に印象的だった。スノッブな押し付けがましさを力強さで乗り越えてみせる、素晴らしい企画展だったと思う。
(相楽)
「ハニワと土偶の近代」(東京国立近代美術館) 今年どころかここ3年くらいでぶっちぎり一番の展覧会でした。キュレーションとはなにか。芸術とは何か。考古学とは史学となにか。どうして人は何かに対して意味を見出さざるを得ないのか。そのカルマまでもを感じた展覧会で、展覧会という場所でなければ体験できないものを久しぶりに浴びることができました。
(綿鍋和智子)
「南飛騨Art Discovery」 山の中に色んな作家さんの作品が点在してる芸術祭で、弓指さん作品が山を登りながら観る作品で登ってる時と下ってる時で景色が全然違く見えて、まるで一本の映画を見たような充実感に浸れました。他の方の作品も素敵なもので、パンフレットに書いてあった時間では回れませんでした。行って見て、よかった芸術祭でした。
(マドラス)
「北アルプス国際芸術祭2024」 はじめて、北アルプス国際芸術祭に行きました。北川フラムさんの芸術祭に行くのが好きなのですが、それはその土地のことが深く知れるから。長野は、とても自然でした。文化や風習など人がいるからこそのものというよりも、自然がむき出しでやってくるようでとても面白かった。アートをきっかけにまた訪れたい場所が増えました。
(kyana)
「第8回横浜トリエンナーレ 『野草:いま、ここで生きてる』」 横浜トリエンナーレ ”現代”の表れとしての展示の数々は、恍惚や混沌といった鑑賞体験を味合わせてくれた。
(ケーイ)
いかがでしたでしょうか?
それぞれの体験が伝わってくるコメントを多数お寄せいただきました。
2024年もありがとうございました。来年も展覧会情報や記事を通して、みなさんとアートの素晴らしさや魅力を共有できるよう頑張ります。これからもよろしくお願いします!