新たなアートイベント「EASTEAST_TOKYO 2023」がスタートした。会期は2月17日〜19日。
会場は東京国立近代美術館のすぐ、北の丸公園内の科学技術館。同展は、2020年に開催されたアートフェア「EAST EAST_Tokyo」を大幅リニューアルしたイベントだ。会期中には、科学技術館での展示に限らず、渋谷や新宿の街頭展示や、ライブハウスやクラブでのイベントなど、多数のオフサイトプログラムも予定されており、合わせてチェックするとよいだろう。このレポートでは、科学技術館での展示の様子を、かいつまんでお届けする。
展示の見どころである「プロジェクト」は、アートに携わる多様な団体による企画展示。
会場入口のすぐ横には、NANZUKAによるプロジェクト「NANZUKA LUCKY DRAW」が。NANZUKA所属アーティストの関連商品が当たるくじ屋だ。
ビームスが展開するプロジェクト「BEAMS CULTUART」は、ゲストキュレーターに吉田山を迎え、カワイハルナ、三澤憲司、宮原嵩広の作品が並ぶ。
ファッションブランドkudos/sudokのデザイナーとして知られる工藤司は、自身の写真作品を「sorry, thank you」というプロジェクト名で公開。男性が衣服を着脱する姿を収めたポートレイト「STUDY OF BOYS」などが展示されている。
アーティスト・ラン・レジデンス 6okkenによる「YEASTYEAST」は、本展の名前と「酵母」をかけたもの。ゲストにカウンセラーを迎え、パンを捏ねながら参加者の相談に乗る「far-mentation」や、地図が描かれたTシャツの制作・販売をする「Tマップ印刷」に加え、昨年のドクメンタ15のアーティスティックディレクターを務めたインドネシアのコレクティヴruangrupa(ルアンルパ)による教育プラットフォームGUDSKUL(グッドスクール)のメンバー招聘した「トークプログラム」も行われる。
会場左奥では「EE_kitchen」も。「AC HOUSE」や「TYON」、「マグパイカフェ」による料理やドリンク、お菓子が楽しめる。スペース内には、ANOMALYのブースにも出展している玉山拓郎による、ネオンライトを用いた作品も展示される。
アートフェアとして、主に東京を拠点とする約25のギャラリーによる展示もある。いくつか紹介しよう。
ANOMALYはアートフェア初出店という玉山拓郎の作品を出品。ふたつの球体という幾何学的なモチーフを使ったオブジェが並ぶ。
PARCELは森靖と佐宗乃梨子のインパクトのある彫刻作品を公開。同じ浅草橋のビルにスペースを持つ「CON_」が出展するのは、Ahn Tae Won、GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE、Hyun Woo Lee、YUSUKE SEKI、山中雪乃の作品。合わせて注目したい。
CALM & PUNK GALLERYは、ラッセル・モーリス、宮澤謙一、水野健一郎、成田輝、岡田舜の作品を展示。隣のブースにて、YOSHIROTTENとジョナサン・ザワダの作品を出展している新たなギャラリーNOZZA SERVICEもチェックしておきたい。
筆者が訪れたプレビューでは、来訪者に混ざって多数のパフォーマーが徘徊していた。タイムテーブルに沿ったトークショーやツアー、ライブパフォーマンスも予定されているが、思わぬパフォーマンスにも遭遇できるかもしれない。
既存のアートフェアのあり方にとらわれず、アートとそこに隣接する音楽やデザイン、ユースカルチャーを積極的に取り入れた「EASTEAST_TOKYO 2023」。訪れることができる人はもちろん、会期中の来訪が難しい人もぜひチェックしてみてほしい。