建築倉庫 Photo by Katsuhiro Aoki
寺田倉庫が運営する現代アートのコレクターズミュージアム「WHAT MUSEUM」の建築倉庫が、新たに体験型スペースを増設し、3月8日にリニューアルオープンした。
建築倉庫は、建築家の思考や設計プロセスを伝える重要な資料である建築模型の保管課題に向き合い、2016年に開設。これまでに800点以上の建築模型を保管・展示してきた。今回のリニューアルでは、新たに体験型スペースが増設され、従来の「鑑賞型展示」に加え、模型を用いて学び体験できるプログラムが新設される。
エントランスで来館者を迎えるのは、竹の素材の特性を活かした構造システムで作られた作品だ。WHAT MUSEUMで2023年に開催された「感覚する構造 - 力の流れをデザインする建築構造の世界 -」展に出展された滋賀県立大学陶器浩一研究室設計の「三灯小径」を移設したものである。
リニューアル後の建築倉庫では、建築模型の基本を学べる常設展示を新たに設け、模型を使ったワークショップや建築家、専門家によるトークイベントを定期的に実施し、建築文化を深く楽しむ場を提供する。さらに、子供向けや中高生向けのワークショップ、家づくりを考える人向けの体験講座など、多様なプログラムを展開する。詳細はWHAT MUSEUMの公式ページで確認できる。
家づくりをはじめる人のためのワークショップ「模型で考える 土地から間取りまで」
日時:全4回(5月10日、5月24日、6月7日、6月21日、各回13:30~16:45)
講師:田中正洋氏(建築家/行為資源開発一級建築士事務所代表)、近藤以久恵(建築倉庫ディレクター)
募集開始:2月10日 12:00
参加人数:10組 ※先着順中高校生向け構造ワークショップ「多面体と構造」
日時:2025年7月下旬
講師:田村尚土氏(構造エンジニア、デジタルエンジニア/株式会社ラムダエンジニアリング代表取締役社長)
募集開始:2025年6月
参加人数:各回20名 ※全2回、先着順
ほかに、建築倉庫ディレクターの近藤以久恵による、保管模型の詳細や種類、役割について解説するガイドツアーも定期的に開催予定。幅広い層が建築文化を楽しめる空間になりそうだ。