公開日:2023年7月13日

【2023年】東京・関東で夏休みに見たい展覧会30選

マティス、ホックニー、蔡國強らの個展や、テートの名品、メキシコ、サグラダファミリア、エルマーのぼうけん、中平卓馬×森山大道など。夏休みに訪れたい東京・関東の注目展覧会を紹介。

左から「マティス展」(東京都美術館)、「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」(渋谷ヒカリエホール 、「Material, or」 (21_21 DESIGN SIGHT)

夏休み期間に開催されている注目展覧会をピックアップ。東京を中心に関東の展覧会を紹介する。気になる展覧会はウェブ版でのログインTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

*会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。

全国編はこちら

  1. マティス展(東京都美術館)
  2. テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ(国立新美術館、東京)
  3. デイヴィッド・ホックニー展(東京都現代美術館)
  4. あ、共感とかじゃなくて。(東京都現代美術館)
  5. 「エルマーのぼうけん」展(PLAY!、東京)
  6. ガウディとサグラダ・ファミリア展(東京国立近代美術館)
  7. 古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン(東京国立博物館)
  8. 蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる(国立新美術館、東京)
  9. 野又穫 「Continuum 想像の語彙」(東京オペラシティ アートギャラリー)
  10. ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ(アーティゾン美術館、東京)
  11. ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会(森美術館、東京)
  12. 私たちは何者? ボーダレス・ドールズ(渋谷区立松濤美術館、東京)
  13. 本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(東京都写真美術館)
  14. ソール・ライターの原点 ニューヨークの色(渋谷ヒカリエホール、東京)
  15. フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン(東京都庭園美術館)
  16. Material, or (21_21 DESIGN SIGHT、東京)
  17. エマイユと身体(銀座メゾンエルメス、東京)
  18. スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた(国立西洋美術館、東京)
  19. うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展(東京都美術館)
  20. 甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性(東京ステーションギャラリー)
  21. ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室(DIC川村記念美術館、千葉)
  22. 三沢厚彦 「ANIMALS / Multi-dimensions」(千葉市美術館)
  23. 湖の秘密-川は湖になった(市原湖畔美術館、千葉)
  24. シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 横山大観、杉山寧から現代の作家まで(ポーラ美術館、神奈川)
  25. 挑発関係=中平卓馬×森山大道(神奈川県立近代美術館 葉山館)
  26. 吉村弘 風景の音 音の風景(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)
  27. 横尾龍彦 瞑想の彼方(埼玉県立近代美術館)
  28. アートセンターをひらく 2023-地域をあそぶ(水戸芸術館 現代美術ギャラリー、茨城)
  29. 今日の彫刻 - 冨井大裕展—————トルソ、或いはチャーハン—————(栃木県立美術館)
  30. ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち(群馬県立近代美術館)

マティス展(東京都美術館)

20世紀を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス。世界最大規模のコレクションを所蔵するポンピドゥー・センターの全面的な協力を得て、日本では約20年ぶりの大規模な回顧展が開催中だ。絵画に加えて、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、ロザリオ礼拝堂に関する資料が集まる。公開中のレポートで本展の見どころをぜひチェックしてほしい。なお、本展は事前予約制なので訪れる際は公式サイトの確認をお忘れなく。

会場:東京都美術館
会期:4月27日~8月20日
事前予約制

テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ(国立新美術館、東京)

イギリス・ロンドンのテート美術館のコレクションが来日。18世紀末から現代までの約200年間におよぶ表現のなかで、「光」にまつわる作品が厳選して紹介される。近代絵画としては、イギリス近代美術史を代表する「光の画家」ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー、風景画の名手ジョン・コンスタブル、クロード・モネをはじめとするフランス印象派などの作品が集結。モホリ=ナジ・ラースローなどバウハウスの作家を筆頭に、写真作品も並ぶほか、ブリジット・ライリー、ジェームズ・タレル、オラファー・エリアソンなど現代美術の作品まで、約120点が公開される。展覧会の見どころやオリジナルグッズなど、詳細はニュースをチェック

会場:国立新美術館
会期:7月12日〜10月2日

デイヴィッド・ホックニー展(東京都現代美術館)

東京都現代美術館では、国内では27年ぶりとなるデイヴィッド・ホックニーの大規模個展が7月からスタート。1960年代にアメリカの西海岸で描いた初期の代表作から、近年の集大成というべき故郷ヨークシャー東部の自然を描いた大型絵画のシリーズ、新型コロナウイルスによるロックダウンのあいだにフランス北部のノルマンディーで制作した全長90メートルにも及ぶ新作まで、ホックニーの作品が100点以上が公開される。展示の詳細はニュースをチェック

会場:東京都現代美術館
会期:7月15日~11月5日

あ、共感とかじゃなくて。(東京都現代美術館)

東京都現代美術館では、「デイヴィッド・ホックニー展」に加えて「あ、共感とかじゃなくて。」展も同時開催。出展作家は有川滋男、山本麻紀子、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)、武田力、中島伽耶子。安易な共感に疑問を投げかけたり、時間をかけて深い共感にたどりつくような作品が紹介される。SNSの「いいね!」や、おしゃべりのなかでの「わかる〜」など、日常のコミュニケーションで「共感」があふれているいっぽうで、簡単に共感できないような出来事も少なくない現代。知らない人、目の前にいない人について考え、理解を試みる5名の作品を通じて、新しい他者との在り方を学ぶことができるはずだ。

会場:東京都現代美術館
会期:7月15日〜11月5日

「エルマーのぼうけん」展(PLAY!、東京)

PLAY! MUSEUMでは、国内初となる「エルマーのぼうけん」の展覧会が開催。「エルマーのぼうけん」とは、どうぶつ島にとらわれた「りゅう」の子を助けに行く、9歳の男の子エルマーの冒険物語シリーズ。日本では累計700万部を超すベストセラーとして広く愛されてきた。約130点の原画、貴重なダミー本や「りゅう」の人形などが公開される。展示物はもちろん、動物の鳴き声や「りゅう」の飛ぶ音が聞こえる会場デザイン、ぬいぐるみ、スノードームなどのグッズも気になる。詳細はニュースをチェック

会場:PLAY!
会期:7月15日~10月1日

ガウディとサグラダ・ファミリア展(東京国立近代美術館)

スペインのバルセロナで活躍した建築家アントニ・ガウディ(1852〜1926)。本展では、彼の代表作であり、完成が見えてきたサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、その建築プロセスを通じて彼の建築思想や創造性に迫る。見どころはニュースを、会場の様子はフォトレポートを読んでほしい。またガウディとサグラダ・ファミリア聖堂の波瀾万丈なエピソードを紹介する「6つのトリビア」も公開中。なお本展は滋賀・佐川美術館名古屋市美術館にも巡回予定だ。

会場:東京国立近代美術館
会期:6月13日~9月10日

古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン(東京国立博物館)

メキシコは35の世界遺産を有し、なかでも古代都市の遺跡群が高い人気を誇る。本展は、独自の展開を遂げたメキシコ古代文明のなかで、「マヤ」「アステカ」「テオティワカン」という代表的な3つに注目。マヤの「赤の女王」などを筆頭に、古代メキシコの至宝約140件が集結する。フォトレポートはこちら

会場:東京国立博物館
会期:6月16日~9月3日

蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる(国立新美術館、東京)

いわきでの花火も話題を読んだ中国出身の作家、蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい・こっきょう)の大規模個展は、国立新美術館にて開催中。蔡は東洋哲学、社会問題を作品の基本コンセプトに、火薬絵画、インスタレーションや屋外爆破プロジェクトなどを発表してきた。本展では、彼の作品「原初火球」を宇宙の誕生になぞらえ、その制作の全貌に迫る。フォトレポートはこちら。本展企画者で国立新美術館館長の逢坂恵理子によるインタビューも合わせて読んでほしい。

会場:国立新美術館
会期:6月29日~8月21日

野又穫 「Continuum 想像の語彙」(東京オペラシティ アートギャラリー)

風景にどこか不思議な構造物が配され、懐かしさと不思議さ、現実と虚構が地続きであるような、独特の世界観で知られる画家、野又穫。2020年にはイギリスの有力ギャラリー、ホワイト・キューブにてオンライン個展が開催され、その後同ギャラリーへの所属が決まるなど、世界的にも注目が高まっている。本展は、初期作から最新作まで多数の作品を公開。その制作の全貌に迫る。

会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:7月6日~9月24日

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ(アーティゾン美術館、東京)

19世紀末から第一次世界大戦の勃発まで、「ベル・エポック」の時代として芸術を生み出す活気に溢れていたフランス。その影響もあって、20世紀初頭においてフォーヴィスム、キュビスムといった新たな絵画のスタイルが展開され、抽象表現へ向かうことになった。本展はそんなフランスの戦前から戦後にかけての抽象表現の動向に注目しつつ、さらに日本の実験工房や具体など、世界中で同時多発的に興った抽象絵画の歩みを展望する。見どころを学芸員へ尋ねたインタビューはぜひチェックしてほしい。

会場:アーティゾン美術館
会期:6月3日〜8月20日

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会(森美術館、東京)

本展は、世界にある「わからない」を探求し、人々の固定観念をクリエイティブに越えていこうとする現代アーティストたちの活動を紹介。現代アートを学校の「美術」「図画工作」といった科目から解放し、「世界」について学ぶあらゆる科目に通底する領域として定義を試みる。出展作家には、アイ・ウェイウェイ、青山悟、ヨーゼフ・ボイス、藤井光、畠山直哉、スーザン・ヒラー、奈良美智、ヤン・ヘギュなど。詳細はフォトレポートをチェック。

会場:森美術館
会期:4月19日〜9月24日
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私たちは何者? ボーダレス・ドールズ(渋谷区立松濤美術館、東京)

日本の人形と聞かれて何を思い浮かべるだろうか? 生人形や蠟人形から、マネキン、フィギュアまで、国内の人形文化は体系化が難しいほど多様に展開してきた。本展はこうしたボーダレスな日本の人形を、あえて芸術・美術の枠に押し込めずに紹介。人形とその歴史を通して、私たちが何を「芸術」としあるいはしていないのか、その境界に迫る。詳細は会場風景はニュースをチェック

会場:渋谷区立松濤美術館
会期:7月1日~8月27日

本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(東京都写真美術館)

本展はふたりの写真家、本橋成一(1940〜)とロベール・ドアノー(1912〜94)に注目する企画。東京・東中野に生まれた本橋は、上野駅、築地市場、チョルノービリなどを舞台に、写真家・映画監督として撮影を続けている。対してドアノーは、自身が生まれたパリ周辺を中心に、身近にある喜びの瞬間をユーモラスにカメラに収めてきた。生まれた時代・地域が異なる彼らだが、奇しくも炭鉱、サーカス、市場といった撮影ロケーションや、被写体への向き合い方に共通点が多い。市井の人々の暮らしを撮影し続けてきた、ふたりの写真家の物語に迫る。フォトレポートはこちら

会場:東京都写真美術館
会期:6月16日~9月24日

ソール・ライターの原点 ニューヨークの色(渋谷ヒカリエホール、東京)

2013年に亡くなった後も多大な人気を誇る写真家、ソール・ライター。本展は彼の生誕100周年を記念する企画展。ライターの個展は過去2回、Bunkamuraザ・ミュージアムで行われてきたが、同館は現在休館中。それに伴い、会場は渋谷ヒカリエとなった。未公開のモノクロ写真や絵画、大規模なカラースライド・プロジェクションなど、新たに発掘された作品を中心に約400点を公開。半世紀以上にわたってニューヨークのアーティストたちをカメラに収めてきた「カラー写真のパイオニア」の色彩感覚に迫る。フォトレポートはこちら

会場:渋谷ヒカリエホール
会期:7月8日~8月23日

フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン(東京都庭園美術館)

東京都庭園美術館では、フィンランドの「アートグラス」に焦点を当てた展覧会が開催中。「アートグラス」とは、1917年にロシアから独立し国家としてのアイデンティティを取り戻すことを目指したフィンランドで作られた、芸術的志向の高いプロダクトのこと。1930年代の台頭期から50年代に始まる黄金期、そして現行のデザイナーが手がけた優品約140件を通して、フィンランド・グラスアートの系譜をたどる。

会場:東京都庭園美術館
会期:6月24日~9月3日

Material, or (21_21 DESIGN SIGHT、東京)

本展は、私たちの身の回りにあるプロダクトが作られる過程に注目する展覧会。本展ディレクターであり、デザイナーの吉泉聡は、「もの」が作られる以前の問題として、「マテリアル」と「素材」の区別があると述べる。出展作品を通じて、素材ではなくより原初的なマテリアルとの対話をうながす。人類学や最先端のマテリアルサイエンスに関する紹介もあるので、こちらも注目したい。詳細はニュースをチェック

会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:7月14日~11月5日

エマイユと身体(銀座メゾンエルメス、東京)

エルメス財団は今夏、自然素材をめぐる職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みる「スキル・アカデミー」の一環として、岩波書店から書籍『Savoir & Faire 土』を出版する。本展はその刊行を記念し、関連する陶芸作品を集めた展覧会。ジャン・ジレル、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣、シルヴィ・オーヴレ、ユースケ・オフハウズ、内藤アガーテ、小川待子の作品が並ぶ。エマイユとは、陶磁器の表面を覆うガラス質の素材「釉薬」のこと。エマイユがもたらす色彩や効果と、身体の関係を探る。

会場:銀座メゾンエルメス​​
会期:6月17日~9月17日

スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた(国立西洋美術館、東京)

フラメンコ、闘牛、ドン・キホーテなど、私たちが思い浮かべるスペインの「イメージ」は、19世紀にこの国を訪れた旅行者たちと、簡単に持ち運びができた版画によって醸成されたものだという。本展は、17世紀からゴヤ、ピカソ、ミロ、タピエスと受け継がれてきたスペイン版画と、ドラクロワやマネなど19世紀イギリスやフランスの画家によるスペイン趣味の版画作品を中心に展示。スペイン版画の傑作が一堂に会する、史上初の機会だ。

会場:国立西洋美術館
会期:7月4日~9月3日

うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈 展(東京都美術館)

へんてこな可愛らしさとゾクッとする感覚が混ざり合ったような世界観の作品で知られる荒木珠奈。本展では、版画や参加型インスタレーションなど、これまでの発表作品が並ぶほか、開催地である上野の「記憶」に着想を得た大型インスタレーションも新たに制作された。会期中には、幅広い年齢を対象にした作家による造形ワークショップや、アート・コミュニケータとの鑑賞プログラムなども多数実施される。

会場:東京都美術館
会期:7月22日〜10月9日

甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性(東京ステーションギャラリー)

京都国立近代美術館で開催されていた甲斐荘楠音(かいのしょう・ただおと)の大回顧展は、東京ステーションギャラリーへ巡回中。甲斐荘は日本画家として活躍したものの、1940年代初頭に画業を中断して映画業界に転身。様々な表現を越境し、「京都画壇の異才」と称された。会場には、スクラップブック、写生帖、絵画、写真、映像、映画衣裳、ポスターなど、甲斐荘に関する多様な資料が並ぶ。詳細はニュースをチェック

会場:東京ステーションギャラリー
会期:7月1日~8月27日

ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室(DIC川村記念美術館、千葉)

バウハウスやブラックマウンテン・カレッジの教員として戦後アメリカにおいて重要なアーティストを数多く育て上げ、作家としては色面を用いた抽象画で知られるジョセフ・アルバース。本展は、国内初公開作品を含む約100点を公開。アルバースの絵画作品はもちろん、実験的な授業をとらえた写真や映像、当時の学生の作品まで展示し、アルバースの制作者/教師という両側面にアプローチする。出展作品など、詳細はニュースをチェック

会場:DIC川村記念美術館
会期:7月29日〜11月5日

三沢厚彦 「ANIMALS / Multi-dimensions」(千葉市美術館)

三沢厚彦(みさわあつひこ、1961–)は木彫りで動物を作り、油絵具で彩色する「ANIMALS(アニマルズ)」シリーズで知られる彫刻家。本展のテーマは「多次元」。千葉市美術館全体を展示会場として、1990年代の初期未発表作から最新作まで、200点を超える彫刻と絵画が配される。

会場:千葉市美術館
会期:6月10日〜9月10日

湖の秘密-川は湖になった(市原湖畔美術館、千葉)

市原湖畔美術館では、市原市を流れる養老川と、同館のそばのダムのために建てられた高滝湖をめぐる展覧会が開催。出展作家は岩崎貴宏、大岩オスカール、尾崎悟、加藤清市、菊地良太、南条嘉毅、松隈健太朗、椋本真理子。異なるメディア8名の作家による、サイト・スペシフィックな作品が公開される。

会場:市原湖畔美術館
会期:7月15日〜9月24日

シン・ジャパニーズ・ペインティング 革新の日本画 横山大観、杉山寧から現代の作家まで(ポーラ美術館、神奈川)

「日本画」という言葉は、明治政府のお雇い外国人として来日していたアーネスト・フェノロサが国内の絵画を「Japanese Painting」と呼び、これを和訳したのが始まり。日本固有の伝統と舶来した西洋の文化が混ざり合うなかで、絶えず発展してきた。本展は、そんな日本画の潮流を追いかける展覧会。明治時代から第二次大戦後まで、近代の「日本画」を牽引した画家たちや、現在の「日本画」とこれからの日本の絵画を追究する多様な作家たちの実践が紹介される。

会場:ポーラ美術館
会期:7月15日~12月3日

挑発関係=中平卓馬×森山大道(神奈川県立近代美術館 葉山館)

神奈川県立近代美術館 葉山館では、中平卓馬と森山大道の関係に焦点を当てた展覧会が開催。ふたりはともに26歳のとき出会い、伝説的な写真誌『PROVOKE』の同人になるなど、交流を深めお互いを刺激し合った。神奈川県内で撮影された、1960〜80年代の貴重な雑誌や写真集、ヴィンテージ・プリントに加えて、本展のために新たに制作されたプリント、映像なども展示される。詳細はニュースをチェック

会場:神奈川県立近代美術館 葉山館
会期:7月15日〜9月24日

吉村弘 風景の音 音の風景(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)

神奈川県立近代美術館 鎌倉別館で開催されている音楽家・吉村弘の回顧展。吉村は環境音楽の国内での普及や公共空間の音響デザイン、美術館でのワークショップなど、多岐にわたって活動を展開した。本展では、初期のコンクリートポエトリー、楽譜、写真、映像作品、サウンドオブジェ、モビールなど、作品や資料を通じて彼の活動に迫る。レポートはこちら

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:4月29日~9月3日

横尾龍彦 瞑想の彼方(埼玉県立近代美術館)

神奈川県立近代美術館 葉山で開催されていた横尾龍彦の個展は、埼玉県立近代美術館へ巡回。1928年福岡県で生まれ美術教師を務めていた横尾は、65年にスイスへ。聖書などを題材とした幻想的な絵画によって、澁澤龍彦や種村季弘といった文学者に注目される。ドイツに拠点を設けた80年代以降は、東洋の書道を思わせる、力強い筆線と激しい飛沫が特徴の抽象画を数多く制作し、日独の美術の架け橋となった。本展では、国内のアトリエに残された作品を中心に約90点が公開される。神奈川県立近代美術館 葉山での開催時に公開した小川敦生による本展レビューはぜひ読んでほしい。

会場:埼玉県立近代美術館
会期:7月15日~ 9月24日

アートセンターをひらく 2023-地域をあそぶ(水戸芸術館 現代美術ギャラリー、茨城)

茨城県の水戸芸術会館では、「地域」と「あそぶ」をテーマにした展覧会「アートセンターをひらく」の第2弾が開催。コレクションの展示や、子供からお年寄りまで楽しめる創作と交流のスペースが設けられる。同館のアートセンターとしての特性をふまえ、たんに作品の展示と鑑賞だけではなく、「アートが生まれる場」ととらえる試みだ。

会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期:7月22日~10月9日

今日の彫刻 - 冨井大裕展—————トルソ、或いはチャーハン—————(栃木県立美術館)

画鋲やスーパーボール、ハンマーなど、日用品を組み合わせることで思いがけない造形の「作品」を制作してきた冨井大裕。7月17日まで新潟市美術館で開催されている「みるための時間」展に続けて、栃木県立美術館での個展が開催される。新作を中心とした約9シリーズ、約45件、約2800点の「彫刻」を通じて、誰もが彫刻家になりうることを示す。

会場:栃木県立美術館
会期:7月8日〜9月3日

ディーン・ボーエン展 オーストラリアの大地と空とそこに生きる私たち(群馬県立近代美術館)

ディーン・ボーエンは、オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するアーティスト。版画を学んだのち渡欧し渡欧したボーエンは、身の回りに生息する生き物をモチーフに作品を制作。これまで、オーストラリアで最高位と言われるフリマントル版画賞グランプリ(1994)、大阪版画トリエンナーレで連続となる特別賞(1994、1997)などを受賞している。本展では、版画80点を中心に、油彩や水彩、ブロンズ彫刻、アサンブラージュ、アーティストブックなどを加え、およそ150点が公開される。

会場:群馬県立近代美術館
会期:7月8日〜8月27日




浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。