公開日:2023年6月9日

ジョセフ・アルバースの回顧展が、DIC川村記念美術館で7月スタート。課題に挑戦できるワークショップ・スペースも

会期は7月29日〜11月5日。ジョセフ&アニ・アルバース財団の全面的な協力を得て、国内初の回顧展が実現。

左から、「イェール大学で色彩の授業を行うアルバースと学生 1952 撮影者不詳 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 Courtesy of the Josef and Anni Albers Foundation」と「ジョセフ・アルバース 3つの茶色+黄土色 1948–57 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217 Photo: Tim Nighswander / Imaging4Art」

DIC川村記念美術館「ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室」の開催詳細を発表した。会期は7月29日〜11月5日。国内では初めてとなるアルバースの大規模回顧展だ。

イェール大学で色彩の授業を行うアルバースと学生 1952 撮影者不詳 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 Courtesy of the Josef and Anni Albers Foundation

ジョセフ・アルバース(1888-1976)は画家、デザイナー、美術教師として活動。ドイツで生まれたアルバースはバウハウスで学び、後に同校で教員に。バウハウス閉校後は渡米し、ブラックマウンテン・カレッジ、イェール大学に勤務。戦後アメリカにおいて重要なアーティストを数多く育て上げた。作家としては、色面を用いた抽象画が知られている。

ジョセフ・アルバース プリズムのような II 1936 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217 Photo: Tim Nighswander / Imaging4Art
ジョセフ・アルバース スタッキング・テーブル 1927頃 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 © The Josef and Anni Albers Foundation / JASPAR, Tokyo, 2023 G3217 Photo: Tim Nighswander / Imaging4Art

本展はジョセフ&アニ・アルバース財団の全面的な協力を得て、国内初公開作品を含む約100点を公開。アルバースの絵画作品はもちろん、実験的な授業をとらえた写真や映像、当時の学生の作品まで展示し、アルバースの制作者/教師という両側面にアプローチする。

作者不詳[バウハウスの学生] 紙による素材演習 制作年不詳(2023再制作) ミサワホーム株式会社蔵
作者不詳[ブラックマウンテン・カレッジの学生] マチエール(黄色い四角が塗られた石と紙) 1940代頃 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵

展示構成は、「1章 バウハウスー素材の経済性(1920-1933)」「2章 ブラックマウンテン・カレッジー芸術と生(1933-1949)」「3章 イェール大学以後ー色彩の探究(1950-)」「4章 版画集〈フォーミュレーション:アーティキュレーション〉(1972)」と時系列に。さらに、色や紙を用いたアルバースの課題に挑戦できる常設のワークショップ・スペースも設置される。

作者不詳[イェール大学の学生] 色彩演習 1958–60頃 ジョセフ&アニ・アルバース財団蔵 Courtesy of the Josef and Anni Albers Foundation

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。