2024年下半期に東京で開催されるおすすめ展覧会をピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
*東京編も公開中
*ウェブ版TABに有料会員向け新サービス「展覧会コメント・評価機能」が追加!
青森の地を舞台に、新しい芸術祭「AOMORI GOKAN アートフェス2024」が開催中。今年度テーマは「つらなりのはらっぱ」。現代美術を紹介する5つの美術館・アートセンターで展覧会やイベントが開催されている。 各館で開催される展覧会のイベントページは、#AOMORI GOKAN アートフェスからチェック。各展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会場:青森県立美術館、青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館
会期:4月13日〜9月1日
AOMORI GOKANアートフェスの注目展示のひとつが、近代以降の人間中心的な自然観を批判的に問い直す企画展「野良になる」だ。国内外の若手作家の作品を中心に、彫刻、映像、ウールのタペストリー、サウンド、インスタレーション、食など、多岐にわたる表現形式で現代アートを楽しめる展覧会となっている。
会場:十和田市現代美術館
会期:4月13日〜11月17日
戦後、関西を拠点に活動したアーティスト、木下佳通代。彼女は1960年代から河口龍夫、奥田善巳らの前衛美術の集団「グループ〈位〉」と活動をともにし、写真や抽象画などを制作していた。知られざる女性作家の初期の作品から代表作、そして絶筆にいたるまでの活動が紹介される。 展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会場:大阪中之島美術館
会期:5月25日〜8月18日
本展は「てあて」「まもり」「のこす」の3つの言葉を手がかりに、普段は目にすることのない美術館の保存修復の取り組みを紹介するもの。作品の修復過程やそこで使う道具、作品を守りつつ展示するための工夫などを軸に、高橋由一や古賀春江、村山知義、松本竣介などの絵画や野外彫刻などが展示される。詳細はこちらのフォトレポートから。
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:5月18日〜7月28日
ミューぽんで100円OFF!(3名まで割引)
工業素材を用いた家具やインテリアで知られ、1960年代以降、デザイン界で高い評価を受けてきたインテリアデザイナー・倉俣史朗。およそ20年ぶりとなる回顧展が京都に巡回する。出展作品には、初期から晩年までの作品に加えて、その制作の過程を示す夢日記やスケッチも紹介される。世田谷美術館での展示の様子はこちらのレポートをチェック。
会場:京都国立近代美術館
会期:6月11日~8月18日
新型コロナウイルスのパンデミックを経た現代世界における、グローバル資本主義やデジタル化社会といったテーマの再解釈を試みる現代美術のグループ展が広島に巡回。出展作家は井田大介、徐冰(シュ・ビン)、トレヴァー・パグレン、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ、地主麻衣子など。東京での展示の様子はこちらのニュースをチェック。
会場:広島市現代美術館
会期:6月29日〜9月1日
ワタリウム美術館の「エキシビション メーカー」(〜8月4日)で展覧会構成も行う美術家・梅津庸一。彼の過去最大規模の個展が国立国際美術館で開催中。「この国で美術家として生きることはいかにして可能なのか」という問いかけを起点に、「人がものをつくる」という行為の可能性について根本から再考する。詳細はこちらのフォトレポートから。
会場:国立国際美術館
会期:6月4日〜10月6日
能登半島地震の影響による長期休館からの再開を飾る本展は、同館の収蔵作品を紹介するコレクション展。芸術作品における基礎的な要素である「線―ライン」を動的なジェスチャーや異なる空間や概念をつなぐ存在としてとらえ、多面的で発展的な世界のつながりを作品を通じて示す機会となる。また、本展では2023年4月に新たにコレクションとして加わった、マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》をはじめ、横山奈美、エル・アナツイ、ティファニー・チュン、サム・フォールズ、大巻伸嗣、ジュディ・ワトソンらの作品が展示される予定だ。
会場:金沢21世紀美術館
会期:6月22日~10月14日
顔のついた音符がまるで歌っているかのように音を出す電子楽器「オタマトーン」を開発した明和電機の展覧会が開催。明和電機のこれまでの足跡を貴重な資料ととともに辿る機会となる。会期中は明和電機社長の土佐信道が作品を解説するギャラリートーク「製品説明会」も行われる予定だ。
会場:沖縄県立博物館・美術館
会期:7月13日~9月16日
グラフィックアートの可能性を追求したオランダの画家マウリッツ・エッシャー。遠近法や、幾何学図形、人間の知覚構造に強い関心を抱き、芸術と科学とを融合させた彼の作品は、見る人の視覚を刺激し、多くの驚きを与えてきた。本展では初期から晩年までの作品を通じて、エッシャー作品の不思議のヒミツを紹介する。 詳細はこちらのニュースから。
会場:豊田市美術館
会期:7月13日~9月23日
画家/映像作家の石田尚志は、自らが描く絵画を撮影する映像作品で高い評価を受けるアーティストだ。2015年以来の大規模な個展となる本展では、初期の未発表作、映像と立体を組み合わせたインスタレーション、キャンバス絵画などを通じて、作家の近年の展開を辿る。
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:7月13日~9月28日
鴻池朋子の身体は東日本大震災以降、地球の振動を新たな画材と感じ、旅をしながら、土木工事や縫いものをメディアとした「絵」を描いてきた。展覧会タイトルにも入っている《メディシン・インフラ(薬の道)》は鴻池が各地を巡り、縁のあった場所に自作を展示保管してもらうというアートプロジェクトであり、本展は同プロジェクトを含む、彼女の旅を通じた制作活動を紹介する。
会場:青森県立美術館
会期:7月13日~9月29日
コントロールの効かない存在としての自然をありのままにとらえ、それらとの関係構築を試みてきたアートユニットの山下麻衣+小林直人。本展では映像インスタレーションを中心とした過去の実践を網羅的に紹介。屋外広場では、災害やパンデミックによって可視化された人間と自然の不安定な関係や、現在の深刻な世界情勢における他者との関係性を再考するような参加型の新作も発表される。
会場:水戸芸術館 現代美術センター
会期:7月27日~10月6日
1970年代後半~90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」の生みの親、原田治の全貌にせまる展覧会。 50~60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどに影響を受けたイラストレーションは、その後の「かわいい」文化にも多大な影響を与えたと言われる。本展は7月6日から札幌・東一丁目劇場施設でも開催され、釧路市立美術館に巡回する。
会場:釧路市立美術館
会期:8月31日〜10月27日
Nerhol(ネルホル)は、田中義久と飯田竜太によるアーティストデュオ。同じ被写体の写真を積み上げた彫刻作品で知られる。公立美術館で初の大規模な個展となる本展では、ふたりの対話を原点とし、写真と彫刻、自然と人工、言語と図像といった様々な境界を越境する多様な表現を、千葉の土地や歴史にまつわる最新作とともに網羅的に紹介する。
会場:千葉市美術館
会期:9月6日~11月4日
本展は、京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)が共同で開催するファッションの展覧会。KCIが所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションや、人間の根源的な欲望を照射するアート作品を通じて、ファッションとの関わりにみられる様々な「LOVE」のかたちを考察。人間の普遍的な営みである服を着ることの意味をひもとく。
会場:京都国立近代美術館
会期:9月13日〜11月24日
ベルリンを拠点に活動する現代アーティスト塩田千春の大規模個展が、彼女の故郷である大阪で9月から開催される。パンデミックを経てより注目が集まった他者との「つながり」に、3つの「アイ」=「私/I」「目/eye」「愛/ai」を通じてアプローチすることを試みる本展。インスタレーション作品を中心に、絵画、映像などが出展される予定だ。 詳細はこちらのニュースから。
会場:大阪中之島美術館
会期:2024年9月14日〜12月1日
東京国立近代美術館で開催されたTORIO展が大阪にも巡回。パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館という3館のコレクションから、共通点を持つ作品をトリオとして並べて展示する本展。絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点あまりの作品で34のトリオを組み、モダンアートの新たな見方を提示する。展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会期:大阪中之島美術館
会期:9月14日~12月8日
抽象的かつ物質的な絵画作品で注目を集めるアーティストの五月女哲平。本展では小山市を拠点にそれぞれの芸術を追求してきた三代の画家、五月女哲平、政巳、政平の作品を紹介し、この土地で半世紀以上にわたって描かれた絵画を振り返る。
会場:小山市立車屋美術館
会期:9月14日~12月8日
*イベントページ準備中 展覧会の詳細は公式ウェブサイトをチェック
ティンティン・ウリアは、地政学的、社会的な境界をインターフェイスとしてとらえる研究者/アーティスト。民族的なマイノリティである中国系インドネシア人として育った自身の生い立ちや、グローバリゼーション、グローバルな政治状況などが織りまざるインスタレーション作品を発表している。本展では、ウリアの作品とワークショップ・プログラムを通じて、隠された歴史と社会政治的変遷を考察する。
会場:広島市現代美術館
会期:9月21日~2025年1月5日
*イベントページ準備中 展覧会の詳細は公式ウェブサイトをチェック
パンデミック期の「ステイホーム」を経て、国際的な紛争などを背景に、世界各地で多数の新たな難民が生み出されている現在。このような現代社会に生きる私たちにとって、「ホーム」とはどのようなものなのだろうか。私たちの居場所、役割などをキーワードに表現された国内外の現代美術家の作品群から、「ホーム」の多様な意味を再考していく。国立国際美術館との共催企画。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)
会期:10月12日~2025年1月13日
制度化され、統治されることへの抵抗=アナキズムのうちに美術の本来的な性質と力を認め、近代以降、現在に至る作家たちの活動を通して、その可能性を問う。 主な出品作家にポール・シニャックをはじめとする新印象主義の画家たち、ロシア集団行為 、マルガレーテ・ラスペ、大木裕之、コーポ北加賀屋(adanda+contact Gonzo+dot architects+remo)、オル太など。詳細は公式ウェブサイトから。
会場:豊田市美術館
会期:10月12日~2025年2月16日
既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手がける田村友一郎の個展。彼の作品は土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題におよぶ幅広い着想源と多様なメディアの使用によって、現実と虚構が交差した多層的な物語を構築する。展覧会では過去の代表作や水戸の近現代史を起点にした新作が展示される。
会場:水戸芸術館 現代美術センター
会期:11月2日~2025年1月26日
人間の人間らしさとは何かをテーマに、テクノロジー、リサーチ、パフォーマンスなど幅広いメディアを横断しながら作品を制作する原田裕規。長きにわたってリサーチを続けるクリスチャン・ラッセンに関する書籍が出版されたことも記憶に新しい。今回の個展では新作を含む近年の作品が展示され、アーティストとしての活動にフォーカスする。
会場:広島市現代美術館
会期:11月30日~2025年2月9日
*イベントページ準備中 展覧会の詳細は公式ウェブサイトをチェック
金沢21世紀美術館では開館20周年を記念して、エコロジーをテーマにした特別企画展が開催される。同館の長谷川祐子館長は、この企画展を過去2年間の「歴史との対話」「現代のテクノロジーとの関係」というテーマの総集編と位置づけており、ここ数年の同館のテーマを総観するような展覧会となりそうだ。
会場:金沢21世紀美術館
会期:11月2日~2025年 3月16日
吉川静子とスイス人グラフィックデザイナーのヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの日本初となる大規模回顧展。1960年代、70年代に抽象絵画と彫刻により女性芸術家として注目された吉川と、洗練されたタイポグラフィーとグリッドシステムによるグラフィックデザインで、1950年代以降スイスを代表するデザイナーとなったミューラー=ブロックマン。夫婦として創造的な生涯を過ごしたふたりの活動の軌跡を振り返る。
会場:大阪中之島美術館
会期:12月21日〜2025年3月2日