ホー・ツーニェン個展、2024年4月6日より東京都現代美術館にて開催予定。「ホー・ツーニェン　エージェントのA」で伝える歴史的探求の軌跡

東京都現代美術館で、「ホー・ツーニェン　エージェントのA」が2024年4月6日〜7月7日に開催されることが決定した。シンガポールを拠点に活動するアーティストであるホー・ツーニェンは映像やヴィデオ・インスタレーション、パフォーマンスを制作してきた。その視点には東南アジアの歴史的な出来事、思想、個人または集団的な主体性や文化的アイデンティティに対する、独自の視点から切り込まれている。国内でも、2021年の山口情報芸術センター［YCAM］、豊田市美術館などで新作を発表し、話題を呼んできた。

その山口情報芸術センター［YCAM］とのコラボレーション作品《ヴォイス・オブ・ヴォイド—虚無の声》（2021）も本展で展示される。VRと6面の映像で構成された本作では、西洋主義的近代の超克を唱え、大東亜共栄圏建設について考察した京都学派の哲学者たちの対話やテキスト、講演などが現前する。

また新たな展開ともいえる新作《T for Time》（邦題未定）（2023）では、ホーが引用してアニメーション化した映像の断片が、アルゴリズムによって、時間の様々な側面とスケール—素粒子の時間から生命の寿命、宇宙における時間まで—を描き出すシークエンスに編成される。

既存の映像、映画、アーカイブ資料などから引用した素材を再編したイメージとスクリプトは、東南アジアの地政学を織りなす力学や歴史的言説の複層性を、抽象的かつ想起的に描き出している。ホーが監督と脚本を務めたデビュー作品《ウタマ—歴史に現れたる名はすべて我なり》（2003）から新作に至るまで、どのような変遷を経てきたかを本展で辿ってみたい。

会期中にはギャラリートーク、読書会などの関連プログラムも開催予定。詳細は公式ウェブサイトで順次公開される。