公開日:2023年8月31日

【2023年】シルバーウィークに見たい東京の展覧会18選

9月16日〜24日に見ることができる東京の展覧会をピックアップ

左から、「テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ」(国立新美術館)「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」(森美術館)「エルマーのぼうけん」展(PLAY!)

今年のシルバーウィークは、9月18日「敬老の日」と9月23日「秋分の日」が祝日。ゴールデンウィークのように連休ではありませんが、休みを利用して夏休みに見逃した展覧会や9月スタートの展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか? この記事では、9月16日〜24日に開催されている東京都内の注目展覧会を紹介します。

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*東日本編はこちら

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*掲載展覧会のイベントページは#シルバーウィークに見たい展覧会をチェック

  1. テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ(国立新美術館、東京都)
  2. イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル(国立新美術館、東京)
  3. ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会(森美術館、東京)
  4. Material, or (21_21 DESIGN SIGHT、東京)
  5. 虫めづる日本の人々(サントリー美術館、東京)
  6. 楽しい隠遁生活 ―文人たちのマインドフルネス(泉屋博古館東京)
  7. デイヴィッド・ホックニー展(東京都現代美術館)
  8. あ、共感とかじゃなくて。(東京都現代美術館)
  9. 「横尾忠則 寒山百得」展(東京国立博物館)
  10. 永遠の都ローマ展(東京都美術館)
  11. 荒木珠奈 「うえののそこから『はじまり、はじまり』」(東京都美術館)
  12. 杉本博司 本歌取り 東下り(渋谷区立松濤美術館、東京)
  13. 本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(東京都写真美術館)
  14. 「エルマーのぼうけん」展(PLAY!、東京)
  15. ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン(アーティゾン美術館、東京)
  16. 春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ(東京ステーションギャラリー)
  17. 野又穫 「Continuum 想像の語彙」(東京オペラシティ アートギャラリー)
  18. 宇川直宏 「FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」(練馬区立美術館、東京)

テート美術館展 光 ― ターナー、印象派から現代へ(国立新美術館、東京都)

イギリス・ロンドンのテート美術館のコレクションが来日。18世紀末から現代までの約200年間におよぶ表現のなかで、「光」にまつわる作品が厳選して紹介される。近代絵画としては、イギリス近代美術史を代表する「光の画家」ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー、風景画の名手ジョン・コンスタブル、クロード・モネをはじめとするフランス印象派などの作品が集結。モホリ=ナジ・ラースローなどバウハウスの作家を筆頭に、写真作品も並ぶほか、ブリジット・ライリー、ジェームズ・タレル、オラファー・エリアソンなど現代美術の作品まで、約120点が公開される。展覧会の見どころはフォトレポートをチェック

会場:国立新美術館
会期:7月12日〜10月2日

イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル(国立新美術館、東京)

本展は、イヴ・サンローラン美術館パリの全面協力のもと、日本で初めて開催されるイヴ・サンローランの回顧展。ディオールでのデビューから、ブランドとして初のコレクション、そして独自のスタイルを確立するまでの変遷が、イヴ・サンローランによるルック110体のほかアクセサリー、ドローイング、写真によって紹介される。

会場:国立新美術館
会期:9月20日~12月11日

ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会(森美術館、東京)

本展は、世界にある「わからない」を探求し、人々の固定観念をクリエイティブに越えていこうとする現代アーティストたちの活動を紹介。現代アートを学校の「美術」「図画工作」といった科目から解放し、「世界」について学ぶあらゆる科目に通底する領域として定義を試みる。出展作家には、アイ・ウェイウェイ、青山悟、ヨーゼフ・ボイス、藤井光、畠山直哉、スーザン・ヒラー、奈良美智、ヤン・ヘギュなど。詳細はフォトレポートをチェック。

会場:森美術館
会期:4月19日〜9月24日
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Material, or (21_21 DESIGN SIGHT、東京)

本展は、私たちの身の回りにあるプロダクトが作られる過程に注目する展覧会。本展ディレクターであり、デザイナーの吉泉聡は、「もの」が作られる以前の問題として、「マテリアル」と「素材」の区別があると述べる。出展作品を通じて、素材ではなくより原初的なマテリアルとの対話をうながす。人類学や最先端のマテリアルサイエンスに関する紹介もあるので、こちらも注目したい。詳細はニュースをチェック

会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:7月14日~11月5日

虫めづる日本の人々(サントリー美術館、東京)

六本木のサントリー美術館では、日本美術と虫との関わりに注目する展覧会が開催中だ。草木花鳥と比べると存在感はないものの、昔から重要なモチーフのひとつだった虫。江戸時代の作品展示を中心に、蛍や鈴虫を描いた源氏絵や伊勢絵から、蜘蛛、蛙、蛇など虫に似た小さな生き物まで、日本人の虫への親しみに迫る。小川敦生によるレビューはこちら

会場:サントリー美術館
会期:7月22日~9月18日

楽しい隠遁生活 ―文人たちのマインドフルネス(泉屋博古館東京)

泉屋博古館東京は、中国の知識階級や日本の文人の隠遁生活を、マインドフルネスという観点から注目する展覧会を企画。穏やかで理想的な生活をイメージした山水・風景画や、中国の隠者達の姿を描いた絵画作品、そうした暮らしのなかで愛玩されただろう文房具などが展示される。詳しくはニュースをチェック

会場:泉屋博古館東京
会期:9月2日~10月15日

デイヴィッド・ホックニー展(東京都現代美術館)

イギリスのポップ・アートを牽引してきたデイヴィッド・ホックニー。国内では27年ぶりとなる大規模個展が東京都現代美術館で開催中だ。1960年代にアメリカの西海岸で描いた初期の代表作から、近年の集大成というべき故郷ヨークシャー東部の自然を描いた大型絵画のシリーズ、新型コロナウイルスによるロックダウンのあいだにフランス北部ノルマンディーで制作した全長90メートルにも及ぶ新作まで100点以上が公開される。展示の詳細はフォトレポートをチェック担当学芸員へのインタビューも合わせてチェックしてほしい。

会場:東京都現代美術館
会期:7月15日~11月5日
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あ、共感とかじゃなくて。(東京都現代美術館)

東京都現代美術館では「デイヴィッド・ホックニー展」と合わせて「あ、共感とかじゃなくて。」展が開催中。出展作家は有川滋男、山本麻紀子、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)、武田力、中島伽耶子。SNSや日常のコミュニケーションに共感があふれる現在において、あえて共感を避けることで新しい視点や対話を促す。レポートはこちら。本展と合わせて、「QuizKnock」の編集者の志賀玲太が、自身の経験を省みつつ語ったこちらの記事もチェックしてほしい。

会場:東京都現代美術館
会期:7月15日〜11月5日
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「横尾忠則 寒山百得」展(東京国立博物館)

東京都現代美術館での個展も記憶に新しい横尾忠則。本展公開されるのは、過去作ではなく、すべて新作。ふたりの中国の詩僧の名前に由来し、伝統的な画題である「寒山拾得」を再構築したシリーズ100点が一挙に公開される。「アーティストを辞めてアスリートになる」と意気込みを語った報道発表会の様子はこちらをチェック

会場:東京国立博物館
会期:9月12日~12月3日

永遠の都ローマ展(東京都美術館)

東京都美術館では、遡ること2000年以上、古代ローマの豊かな文化と壮大な歴史を紹介する展覧会がスタート。ローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘に建つカピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画などが展示される。詳細はニュースをチェック

会場:東京都美術館
会期:9月16日~12月10日

荒木珠奈 「うえののそこから『はじまり、はじまり』」(東京都美術館)

へんてこな可愛らしさとゾクッとする感覚が混ざり合ったような世界観の作品で知られる荒木珠奈。本展では、版画や参加型インスタレーションなど、これまでの発表作品が並ぶほか、開催地である上野の「記憶」に着想を得た大型インスタレーションも新たに制作された。会期中には、幅広い年齢を対象にした作家による造形ワークショップや、アート・コミュニケータとの鑑賞プログラムなども多数実施される。

会場:東京都美術館
会期:7月22日〜10月9日
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杉本博司 本歌取り 東下り(渋谷区立松濤美術館、東京)

有名な古歌の一部を作品に取り入れる「本歌取り」をテーマとした杉本博司の個展が、渋谷区立松濤美術館で開幕。昨年、姫路市立美術館にて開催された同名の展覧会が新たな展開を迎える。写真暗室内で印画紙の上に現像液に浸した筆で描かれた「Brush Impression」シリーズから、葛飾北斎の作品を本歌とする初公開作《富士山図屏風》まで、写真、書、伝統芸能など多様なモチーフの作品が公開される。

会場:渋谷区立松濤美術館
会期:9月16日~11月12日

本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(東京都写真美術館)

本展はふたりの写真家、本橋成一(1940〜)とロベール・ドアノー(1912〜94)に注目する企画。東京・東中野に生まれた本橋は、上野駅、築地市場、チョルノービリなどを舞台に、写真家・映画監督として撮影を続けている。対してドアノーは、自身が生まれたパリ周辺を中心に、身近にある喜びの瞬間をユーモラスにカメラに収めてきた。生まれた時代・地域が異なる彼らだが、奇しくも炭鉱、サーカス、市場といった撮影ロケーションや、被写体への向き合い方に共通点が多い。市井の人々の暮らしを撮影し続けてきた、ふたりの写真家の物語に迫る。フォトレポートはこちら。同館では「風景論以降」展も開催されている。

会場:東京都写真美術館
会期:6月16日~9月24日

「エルマーのぼうけん」展(PLAY!、東京)

PLAY! MUSEUMでは、国内初となる「エルマーのぼうけん」の展覧会が開催。「エルマーのぼうけん」とは、どうぶつ島にとらわれた「りゅう」の子を助けに行く、9歳の男の子エルマーの冒険物語シリーズ。日本では累計700万部を超すベストセラーとして広く愛されてきた。約130点の原画、貴重なダミー本や「りゅう」の人形などが公開される。展示物はもちろん、動物の鳴き声や「りゅう」の飛ぶ音が聞こえる会場デザイン、ぬいぐるみ、スノードームなどのグッズも気になる。フォトレポートはこちら

会場:PLAY!
会期:7月15日~10月1日

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山口晃 ここへきて やむに止まれぬ サンサシオン(アーティゾン美術館、東京)

ジャム・セッションは、アーティストと学芸員による協働のもと、アーティゾン美術館のコレクション内の作品と参加作家の作品によるセッションによって、新しい視点を生み出す企画。昨年は柴田敏雄と鈴木理策で、今年は日本画家の山口晃。日本近代美術を独自に解釈した作風の山口が、「近代」「日本的コード」「日本の本来性」とは何かを問い直す。同会期で「創造の現場 ー映画と写真による芸術家の記録」「読書する女性たち」も開催されるため、合わせて鑑賞したい。

会場:アーティゾン美術館
会期:9月9日~11月19日

春陽会誕生100年 それぞれの闘い 岸田劉生、中川一政から岡鹿之助へ(東京ステーションギャラリー)

春陽会は1923年に第1回展が開催された美術団体。当時民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちによって結成され、現在も活動は続いている。本展は設立100年を記念し、黎明期から1950年代までの展開を振り返るもの。同じ芸術主義を持ち連帯するのではなく、それぞれの画家たちの個性を尊重する「各人主義」を掲げた春陽会のメンバー。彼らの作品が100点公開される。

会場:東京ステーションギャラリー
会期:9月16日~11月12日

野又穫 「Continuum 想像の語彙」(東京オペラシティ アートギャラリー)

風景にどこか不思議な構造物が配され、懐かしさと不思議さ、現実と虚構が地続きであるような、独特の世界観で知られる画家、野又穫。2020年にはイギリスの有力ギャラリー、ホワイト・キューブにてオンライン個展が開催され、その後同ギャラリーへの所属が決まるなど、世界的にも注目が高まっている。本展は、初期作から最新作まで多数の作品を公開。その制作の全貌に迫る。

会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:7月6日~9月24日
TABアプリで200円OFF!

宇川直宏 「FINAL MEDIA THERAPIST @DOMMUNE」(練馬区立美術館、東京)

渋谷PARCOを拠点に、ライブストリーミングを継続しているDOMMUNE。DOMMUNEとそれを主催する宇川直宏による展覧会が練馬区立美術館で開催される。13年間の番組アーカイブが紹介されることに加えて、それらの映像が絵画や立体作品などに変換される。美術館を舞台としたライブストリーミングや、NFT作品の制作にも注目したい。

会場:練馬区立美術館
会期:9月10日~11月5日

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。