公開日:2023年8月18日

古代ローマ、門外不出の傑作が初来日!「永遠の都ローマ展」(東京都美術館)で2000年超の歴史を感じる

会期は、2023年9月16日~12月10日。カピトリーノ美術館のコレクションを中心に古代ローマの芸術と文化を紹介

カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali

2000年の美をめぐる、ローマの美の歴史

古代ローマの2000年を超える豊かな文化と壮大なる歴史。2023年9月16日~12月10日に「永遠の都ローマ展」が、東京都美術館で開催される。ローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘に建つカピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画などが展示される。

カピトリーノの牝狼(複製) ローマ市庁舎蔵 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

カピトリーノ美術館は、一般市民に公開された美術館のうちでは、世界的にもっとも古い美術館のひとつ。その歴史は1471年ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世が、ローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにまで遡る。

カンピドリオ広場のカピトリーノ美術館 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali

展示では、古代ローマの建国を伝える伝承や神話にはじまり、ユリウス・カエサルとその遺志を継いだオクタウィアヌスが礎を築いた古代ローマ帝国の栄光の歴史をひもといていく。また現在のカピトリーノ美術館の前身となる、16世紀にミケランジェロが手がけたカンピドリオ広場の建設プロジェクトの様々なアーカイヴ、そして1734年から始まった公立美術館としての歴史までを振り返る。当時納められていた16世紀から18世紀に活躍した画家たちの作品コレクションからは、当時のパトロンたちが収集した絵画の好みや画題や表現の主流を伺い知ることができるだろう。

エティエン・デュペラ カンピドリオ広場の眺め 1569 エッチング ローマ美術館蔵 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico del Museo di Roma
ピエトロ・ダ・コルトーナ 教皇ウルバヌス8世の肖像  1629-31 キャンバスに油彩 カピトリーノ美術館蔵 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini

見逃せない! 門外不出の傑作と約1.8mの巨大彫刻

なかでも、《カピトリーノのヴィーナス》は見どころだ。ルーヴル美術館《ミロのヴィーナス》ウフィッツイ美術館《メディチのヴィーナス》に並ぶ、古代ヴィーナス像の傑作と呼ばれている彫刻だ。カピトリーノ美術館以外ではなかなか見られない門外不出の作品で、この度初来日となる。また古代ローマ帝国の栄華を象徴する《コンスタンティヌス帝の巨像》の頭部も、頭部だけで約1.8メートルとなる圧巻の彫刻だ。

カピトリーノのヴィーナス 2世紀 大理石 カピトリーノ美術館蔵 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolini ※東京会場限定展示
コンスタンティヌス帝の巨像の頭部(複製) ローマ文明博物館蔵 © Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico del Museo della Civilità Romana

2023年は、日本の明治政府が派遣した「岩倉使節団」がカピトリーノ美術館を訪ねて150年の節目の年。ちなみにこの使節団は、のちの日本の博物館施策に大きな影響を与えることになる。カピトリーノ美術館のコレクションをまとめて日本で紹介する初めての機会に、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を堪能したい。
巡回展となる福岡会場は、福岡市美術館にて2024年1月5日〜3月10日。

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