2024年9月開幕のおすすめ展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
*2024年下半期に見たいおすすめ展覧会(最新版)も公開中
人類は、常識や慣習から逸脱した異なるものをどのように認識し、説明し、描いてきたのか。本展は、人魚や龍、河童など、想像界の生きものの多様性について祭具、衣装、絵画、彫刻、書籍を通して紹介し、人間の想像と創造の力の源泉を探る。プエルトリコのヴェヒガンテ衣装や、ソロモン諸島のトビウオ漁用釣具、インドネシアの舞踏劇ワヤン・オランの衣装《ジャタユ》など、世界各地の人びとが創り出した不思議な生きものたちが集結する予定だ。詳細はこちらのニュースから。
会場:国立アイヌ民族博物館
会期:9月14日~11月17日
理解できない他者への怖れによって引き起こされる、終わりの見えない争いや分断が絶えない現代において、旅を通じた人との出会いや、意見の異なる人と話し合う行為は、こうした分断を埋めるひとつのきっかけとなりうる。本展は、異なる世界・時代を横断して制作を行うアーティストの多彩な作品を通じて、生きることや幸せについて考えることをうながすような展覧会になる予定だ。参加アーティストは、ミカ・ロッテンバーグ、トゥアン・アンドリュー・グエン、奈良美智、塩田千春、高山明ほか。
会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:9月27日〜2025年3月9日
抽象的かつ物質的な絵画作品で注目を集めるアーティストの五月女哲平。本展では小山市を拠点にそれぞれの芸術を追求してきた三代の画家、五月女哲平、政巳、政平の作品を紹介し、この土地で半世紀以上にわたって描かれた絵画を振り返る。
会場:小山市立車屋美術館
会期:9月28日~12月8日
Nerhol(ネルホル)は、グラフィックデザイナーの田中義久と彫刻家の飯田竜太によるアーティスト・デュオであり、同じ被写体の写真を積み上げた彫刻作品などで知られている。公立美術館では初の大規模個展となる本展では、ふたりの対話を原点とし、写真と彫刻、自然と人工、言語と図像といった様々な境界を越境する多様な表現を、千葉の土地や歴史にまつわる最新作とともに紹介する。
会場:千葉市美術館
会期:9月6日~11月4日
ドイツを拠点に活動する西川勝人は光と闇、その間の陰影に心を配り、多様な技法を用いた作品を、40年以上にわたり手がけてきたアーティストだ。本展は、1980年代より現在まで、一定して静けさという特質を保持し続ける西川作品の美学に近づこうとする日本初の回顧展。彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物の約60点が、作家自身の構成によって展示され、一人ひとりが作品世界に没入できるような機会となる予定だ。
会場:DIC川村記念美術館
会期:9月14日〜2025年1月26日
日本では27年ぶりとなるルイーズ・ブルジョワの個展が森美術館で開催。絵画、版画、素描、彫刻、インスタレーション、遺稿などを通じて、アーティストの全貌に迫るような展示となる。また、本展では六本木ヒルズの広場に設置されている彫刻作品《ママン》(1999/2002)をはじめとする「蜘蛛」を題材としたシリーズにも焦点が当てられる予定だ。詳細はこちらのニュースから。
会場:森美術館
会期:9月25日~1月19日
北川民次はメキシコで学び二科会で活躍した洋画家。生誕130周年を記念して開催される本展では、北川の作品に加えて、同時代にメキシコで活動した画家ルフィーノ・タマヨや写真家ティナ・モドッティ、北川と親交のあった藤田嗣治などの作品も紹介される。なお、本展は6月29日〜9月8日まで名古屋市美術館での開催を経て、東京・世田谷へ、その後は福島・郡山市立美術館にも巡回予定。詳細はこちらのニュースから。
会場:世田谷美術館
会期:9月21日~11月17日
斬新な色と形による表現を追求し、近代日本画の新領域を拓いたとされる福田平八郎。その没後50年となる2024年、山種美術館が収蔵する福田の作品が一堂に会し、その画業を振り返る展覧会が開催される。本展では、大正期の代表作のひとつである《牡丹》、デザイン的な竹の葉とリアルな筍の組み合わせが新しい《筍》、大胆なトリミングが魅力的な《芥子花》をはじめ、初期から晩年までの作品が、彼に大きな影響を与えていた琳派の作品とともに紹介される。
会場:山種美術館
会期:9月29日〜12月8日
本展は、1933(昭和8)年に竣工した旧朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)の魅力を紹介するために、年に1度開催している建物公開展。今年度は「照明」に焦点を当て、各室の照明に関する解説や資料を通して、アール・デコ様式と日本の美が折衷した同館の魅力に迫る。同館の作品や仮設壁などが設置されていないありのままの姿はもちろん、建物公開展恒例の再現展示も見どころのひとつとなりそうだ。詳細はこちらのニュースから。
会場:東京都庭園美術館
会期:9月14日~11月10日
六本木の街を舞台にしたアートイベントの「六本木アートナイト」。今年度は9月27日から3日間の開催となる。第13回目を迎える今回は、メインストリームのアーティストを中心としてとりあげてきたこれまでの形式から、同イベントが注目する国内外のアーティスト6組を、六本木ヒルズ、国立新美術館、東京ミッドタウンなど各所で展示する「RAN Picks」、開催回ごとにさまざまな国や地域のアートに注目する「RAN Focus」を新設し、新しい枠組みでの開催を試みる。参加アーティストなどの詳細はこちらのニュースから。
会場:六本木ヒルズ、国立新美術館、東京ミッドタウン ほか
会期:9月27日~9月29日
1960~70年代にかけて、テレビやヴィデオ・カメラが登場すると、アーティストたちはたちまちそれらを表現のなかに取り入れるようになった。また、同時期にひろがった社会運動のひとつであるフェミニズムにおいても、映像表現による社会的慣習やマスメディアの一方的な表象に対する抵抗は見ることができる。本展は、このような時代背景をもとに、1970年代から現代までの映像表現を、作品鑑賞の補助線となるいくつかのキーワードを通じて紹介する展覧会だ。参加アーティストはマーサ・ロスラー、ダラ・バーンバウム、塩田千春、遠藤麻衣、百瀬文ほか。
会場:東京国立近代美術館
会期:9月3日〜12月22日
世紀末パリを代表するデザイナー・画家であるアルフォンス・ミュシャ。パリの街を華やかに彩るポスターや、重厚な油彩表現で知られるミュシャは、ふたつの顔を持つ芸術家だととらえられている。本展では、版画、油彩画に、貴重な下絵なども交えながら、ミュシャ特有の表現の源泉とも言える、アーティストの非凡な造形力をひも解く。詳細はこちらのニュースから。
会場:府中市美術館
会期:9月21日~12月1日
本展は、私たちの文化で汚いものとして扱われる「ゴミうんち」も、じっくり観察し、単純化せずに新しい態度で向き合えば、社会問題や世界の循環における新しい発見があるのだということを伝える展覧会。「ゴミうんち」を含む世界の循環を「pooploop」としてとらえ、デザインへの応用可能性についても考える。詳細はこちらのニュースから。
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:9月27日~2月16日
今年度で開館20周年を迎える金沢21世紀美術館は、発酵の専門家や地域の醸造家、観光・まちづくりに関わる企業から構成される「発酵ツーリズム金沢実行委員会」と協働し、アートと発酵文化、そしてまち歩きが結びついた新たな文化芸術祭を開催する。キュレーターには小倉ヒラク(発酵デザイナー)、ゲストキュレーターにドミニク・チェン(研究者)を迎え、石川の発酵文化を紹介するパネルや映像などが展示されるほか、金沢の醸造所に設置されたインスタレーションを巡るイベントも行われる予定だ。
会場:金沢21世紀美術館 ほか
会期:9月21日~12月8日
東京国立近代美術館で開催されたTORIO展が大阪にも巡回。パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館という3館のコレクションから、共通点を持つ作品をトリオとして並べて展示する本展。絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点あまりの作品で34のトリオを組み、モダンアートの新たな見方を提示する。展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会期:大阪中之島美術館
会期:9月14日~12月8日
ベルリンを拠点に活動する現代アーティスト塩田千春の大規模個展が、彼女の故郷である大阪で9月から開催される。パンデミックを経てより注目が集まった他者との「つながり」に、3つの「アイ」=「私/I」「目/eye」「愛/ai」を通じてアプローチすることを試みる本展。インスタレーション作品を中心に、絵画、映像などが出展される予定だ。 詳細はこちらのニュースから。
会場:大阪中之島美術館
会期:2024年9月14日〜12月1日
本展は、京都国立近代美術館(MoMAK)と京都服飾文化研究財団(KCI)が共同で開催するファッションの展覧会。KCIが所蔵する18世紀から現代までの衣装コレクションや、人間の根源的な欲望を照射するアート作品を通じて、ファッションとの関わりにみられる様々な「LOVE」のかたちを考察。人間の普遍的な営みである服を着ることの意味をひもとく。詳細はこちらのニュースから。
会場:京都国立近代美術館
会期:9月13日〜11月24日
「森の芸術祭」は今年度が第1回となる芸術祭。キュレーターは、金沢21世紀美術館館長・長谷川祐子が務める。これまでアートに関するイベントがあまり開かれてこなかった岡山県北部を舞台に、自然と人間との関わりについて、多様なかたちでプレゼンテーションを行うような芸術祭となる予定だ。参加アーティストは森山未來、川内倫子、坂本龍一+高谷史郎、レアンドロ・エルリッヒ、アンリ・サラ、キムスージャ、リクリット・ティラヴァニほか。詳細はこちらのニュースから。
会場:奈義町現代美術館 ほか
会期:9月28日〜11月24日
ティンティン・ウリアは、地政学的、社会的な境界をインターフェイスとしてとらえる研究者/アーティスト。民族的なマイノリティである中国系インドネシア人として育った自身の生い立ちや、グローバリゼーション、グローバルな政治状況などが織りまざるインスタレーション作品を発表している。本展では、ウリアの作品とワークショップ・プログラムを通じて、隠された歴史と社会政治的変遷を考察する。
会場:広島市現代美術館
会期:9月21日~2025年1月5日
ホキ美術館は千葉県・千葉市に位置する、写実絵画専門の美術館。本展は同館が所蔵する約500点ものコレクションの中から選りすぐりの人気作品64点が、福岡アジア美術館で一挙に紹介される。写真や映像と見違うほど精緻でありながら、それらのメディアとはまた異なった存在感を放つ写実絵画の魅力を存分に楽しむことができる機会となりそうだ。
会場:福岡アジア美術館
会期:9月7日〜10月13日