公開日:2024年6月25日

【2024年版】夏休みに見たい展覧会20選(全国編)

全国各地で開催される展覧会のなかから夏休みに行われる注目の展覧会をTAB編集部がピックアップ。

本記事では、全国で開催される展覧会の中から夏休みに開催される注目の展覧会や芸術祭をTAB編集部がピックアップ。昨年から引き続き猛暑が見込まれる今年の夏。夏休みのおでかけプランのひとつとして、美術館でゆったりアート鑑賞なんていかがだろうか?

*各展覧会の会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。

*夏休みに見たい展覧会(東京編)も公開中

  1. 【北海道/8~10月】「原田治 展「かわいい」の発見」(釧路市立美術館)
  2. 【青森/4~9月】「AOMORI GOKAN アートフェス2024」(青森県立美術館ほか)
  3. 【青森/7~9月】「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」(青森県立美術館)
  4. 【茨城/7~10月】「山下麻衣+小林直人―他者に対して、また他者と共に」(水戸芸術館 現代美術センター)
  5. 【神奈川/6~12月】フィリップ・パレーノ:この場所、あの空(ポーラ美術館)
  6. 【神奈川/7~9月】「エドワード・ゴーリーを巡る旅」(横須賀美術館)
  7. 【神奈川/7~9月】「石田尚志 絵と窓の間」(神奈川県立近代美術館 葉山)
  8. 【新潟/7〜11月】大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
  9. 【石川/6~10月】「ラインズ—意識を流れに合わせる」(金沢21世紀美術館)
  10. 【愛知/7~9月】「エッシャー 不思議のヒミツ」(豊田市美術館)
  11. 【愛知/6~9月】生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(名古屋市美術館)
  12. 【愛知/7~9月】「アブソリュート・チェアーズ 現代美術における椅子なるもの」(愛知県立美術館)
  13. 【京都/2~9月】「村上隆 もののけ 京都」(京都市京セラ美術館)
  14. 【大阪/5~8月】「没後30年 木下佳通代」(大阪中之島美術館)
  15. 【大阪/6~8月】開創1150年記念 醍醐寺 国宝展(大阪中之島美術館)
  16. 【大阪/6~10月】「梅津庸一 クリスタルパレス」(国立国際美術館)
  17. 【広島/6~9月】「遠距離現在 Universal / Remote」(広島市現代美術館)
  18. 【香川/6~9月】加茂克也 KAMO HEAD(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)
  19. 【福岡/7~9月】「キース・へリング展 アートをストリートへ」(福岡市美術館)
  20. 【沖縄/7~9月】「ナンセンスマシーン展」(沖縄県立博物館・美術館)

【北海道/8~10月】「原田治 展「かわいい」の発見」(釧路市立美術館)

1970年代後半~90年代にかけて、女子中高生を中心に爆発的な人気を博した「OSAMU GOODS(オサムグッズ)」の生みの親、原田治の全貌にせまる展覧会。 50~60年代のアメリカのコミックやTVアニメ、ポップアートなどに影響を受けたイラストレーションは、その後の「かわいい」文化にも多大な影響を与えたと言われる。本展は7月6日から札幌・東一丁目劇場施設でも開催され、釧路市立美術館に巡回する。

会場:釧路市立美術館
会期:8月31日〜10月27日

*7~8月の休館日なし

【青森/4~9月】「AOMORI GOKAN アートフェス2024」(青森県立美術館ほか)

青森の地を舞台に、新しい芸術祭「AOMORI GOKAN アートフェス2024」が開催中。今年度テーマは「つらなりのはらっぱ」。現代美術を紹介する5つの美術館・アートセンターで展覧会やイベントが開催されている。 各館で開催される展覧会のイベントページは、#AOMORI GOKAN アートフェスからチェック。各展示の様子はこちらのフォトレポートから。

会場:青森県立美術館青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)弘前れんが倉庫美術館八戸市美術館十和田市現代美術館
会期:4月13日〜9月1日

【青森/7~9月】「鴻池朋子展 メディシン・インフラ」(青森県立美術館)

鴻池朋子の身体は東日本大震災以降、地球の振動を新たな画材と感じ、旅をしながら、土木工事や縫いものをメディアとした「絵」を描いてきた。展覧会タイトルにも入っている《メディシン・インフラ(薬の道)》は鴻池が各地を巡り、縁のあった場所に自作を展示保管してもらうというアートプロジェクトであり、本展は同プロジェクトを含む、彼女の旅を通じた制作活動を紹介する。

会場:青森県立美術館
会期:7月13日~9月29日

*7月22日、8月13日・26日は休室

【茨城/7~10月】「山下麻衣+小林直人―他者に対して、また他者と共に」(水戸芸術館 現代美術センター)

コントロールの効かない存在としての自然をありのままにとらえ、それらとの関係構築を試みてきたアートユニットの山下麻衣+小林直人。本展では映像インスタレーションを中心とした過去の実践を網羅的に紹介。屋外広場では、災害やパンデミックによって可視化された人間と自然の不安定な関係や、現在の深刻な世界情勢における他者との関係性を再考するような参加型の新作も発表される。

会場:水戸芸術館 現代美術センター
会期:7月27日~10月6日

*月曜休館(8月12日は開館|8月13日は休館)

【神奈川/6~12月】フィリップ・パレーノ:この場所、あの空(ポーラ美術館)

フィリップ・パレーノは現代のフランスを代表するアーティストのひとりであり、映像、彫刻、サウンド、オブジェ、テキストやドローイングなどを通して、現実/フィクション/仮想の境界や、実物と人工物とのあいだに生じる奇妙なずれに意識を向けてきた。本展では、彼の代表作である映像作品《マリリン》をはじめ、ドローイングから立体、映像、大規模なインスタレーションまで、幅広い実践が多面的に紹介される。展示の様子はこちらのフォトレポートから。

会場:ポーラ美術館
会期:6月8日~12月1日

*休館日なし

【神奈川/7~9月】「エドワード・ゴーリーを巡る旅」(横須賀美術館)

不思議な世界観と、モノトーンの緻密な線描で知られる絵本作家、エドワード・ゴーリーの個展が横須賀美術館に巡回。日本でも、『うろんな客』『不幸な子供』などの絵本で知られているいっぽう、挿絵、舞台と衣装のデザイン、演劇やバレエのポスターなど多岐にわたって活躍した。本展は「子供」「不思議な生き物」「舞台芸術」などのテーマを軸に、約250点の作品が紹介される。 詳細はこちらのニュースから。

会場:横須賀美術館
会期:7月6日〜9月1日

*8月5日は休館

【神奈川/7~9月】「石田尚志 絵と窓の間」(神奈川県立近代美術館 葉山)

画家/映像作家の石田尚志は、自らが描いた絵画を撮影する映像作品で高い評価を受けるアーティスト。2015年以来の大規模な個展となる本展では、初期の未発表作、映像と立体を組み合わせたインスタレーション、キャンバス絵画などを通じて、作家の近年の展開を辿る。

会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:7月13日~9月28日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館)

【新潟/7〜11月】大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024

「人間は自然に内包される」を理念に、新潟県十日町市・津南町の約760㎢の広大な土地を美術館に見立てた「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、自然を舞台にした芸術祭の草分け的存在でもあり、今年で25周年を迎える。総合ディレクターは北川フラム。

本年度の注目展示のひとつには、越後妻有里山現代美術館 MonETにて開催される「ウクライナウィーク」(7月12日~21日)などがあげられる。TABでは同企画のキュレーションを担当するニキータ・カダンへのインタビューを公開中。こちらもぜひチェックしてみて欲しい。

会場:越後妻有里山現代美術館 MonETほか
会期:7月13日〜11月10日

*火曜・水曜休館(一部作品施設は通常営業)

【石川/6~10月】「ラインズ—意識を流れに合わせる」(金沢21世紀美術館)

能登半島地震の影響による長期休館からの再開を飾る本展は、同館の収蔵作品を紹介するコレクション展。芸術作品における基礎的な要素である「線―ライン」を動的なジェスチャーや異なる空間や概念をつなぐ存在としてとらえ、多面的で発展的な世界のつながりを作品を通じて示す機会となる。また、本展では2023年4月に新たにコレクションとして加わった、マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》をはじめ、横山奈美、エル・アナツイ、ティファニー・チュン、サム・フォールズ、大巻伸嗣、ジュディ・ワトソンらの作品が展示される予定だ。

会場:金沢21世紀美術館
会期:6月22日~10月14日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【愛知/7~9月】「エッシャー 不思議のヒミツ」(豊田市美術館)

グラフィックアートの可能性を追求したオランダの画家マウリッツ・エッシャー。遠近法や、幾何学図形、人間の知覚構造に強い関心を抱き、芸術と科学とを融合させた彼の作品は、見る人の視覚を刺激し、多くの驚きを与えてきた。本展では初期から晩年までの作品を通じて、エッシャー作品の不思議のヒミツを紹介する。 詳細はこちらのニュースから。

会場:豊田市美術館
会期:7月13日~9月23日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【愛知/6~9月】生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ(名古屋市美術館)

北川民次はメキシコで学び二科会で活躍した洋画家。生誕130周年を記念して開催される本展では、北川の作品に加えて、同時代にメキシコで活動した画家ルフィーノ・タマヨや写真家ティナ・モドッティ、北川と親交のあった藤田嗣治などの作品もあわせて紹介される。なお、本展は東京・世田谷美術館、福島・郡山市立美術館にも巡回予定。詳細はこちらのニュースから。

会場:名古屋市美術館
会期:6月29日~9月8日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【愛知/7~9月】「アブソリュート・チェアーズ 現代美術における椅子なるもの」(愛知県立美術館)

1982年の開館当初から優れたデザインの椅子を収集し、常時数種類を館内に設置してきた「椅子の美術館」こと埼玉県立近代美術館愛知県美術館が共同企画した本展。椅子の登場するアート、ダンス、映像作品などを通じて、椅子という身近な存在から社会/人間のあり方への考察をうながす機会となる。埼玉県立近代美術館での展示の様子はこちらのフォトレポートから。

会場:愛知県美術館
会期:7月18日〜9月23日

*月曜休館(8月12日は開館|8月13日は休館)

【京都/2~9月】「村上隆 もののけ 京都」(京都市京セラ美術館)

伝統的な日本美術から、現代のマンガ・アニメまで続く平面性を背景にした「スーパーフラット」という独自の概念を提唱し、世界で活躍する村上隆。日本では約8年ぶりの大規模展となる本展では、村上の原点である日本画をオマージュした新作から、NFTアート、トレーディングカードをコンセプトにした作品まで、村上の過去から現在にいたるまでの関心を総観できる機会となった。展示の様子はこちらのフォトレポートから。

会場:京都市京セラ美術館
会期:2月3日〜9月1日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【大阪/5~8月】「没後30年 木下佳通代」(大阪中之島美術館)

戦後、関西を拠点に活動したアーティスト、木下佳通代。彼女は1960年代から河口龍夫、奥田善巳らの前衛美術の集団「グループ〈位〉」と活動をともにし、写真や抽象画などを制作していた。知られざる女性作家の初期の作品から代表作、そして絶筆にいたるまでの活動が紹介される。 展示の様子はこちらのフォトレポートから。

会場:大阪中之島美術館
会期:5月25日〜8月18日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館)

【大阪/6~8月】開創1150年記念 醍醐寺 国宝展(大阪中之島美術館)

醍醐寺は、真言密教のうち加持祈禱や修法などの実践を重視する寺として発展してきた。国宝《文殊渡海図》や、重要文化財《不動明王坐像 快慶作》をはじめとし、醍醐寺には天皇や公家、武家との深い関わりから貴重な文化財が多数伝わっている。そうした歴史と美術を「山の寺」「密教修法のセンター」「桃山文化の担い手」という3つのテーマで紹介する本展では、醍醐寺に伝わる国宝、重要文化財を含む約90点の宝物が大阪で初めて公開される。

会場:大阪中之島美術館
会期:6月15日〜8月25日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月23日は休館)

【大阪/6~10月】「梅津庸一 クリスタルパレス」(国立国際美術館)

ワタリウム美術館「エキシビション メーカー」(〜8月4日)で展覧会構成も行う美術家・梅津庸一。彼の過去最大規模の個展が国立国際美術館で開催中。「この国で美術家として生きることはいかにして可能なのか」という問いかけを起点に、「人がものをつくる」という行為の可能性について根本から再考する。詳細はこちらのフォトレポートから。

会場:国立国際美術館
会期:6月4日〜10月6日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【広島/6~9月】「遠距離現在 Universal / Remote」(広島市現代美術館)

新型コロナウイルスのパンデミックを経た現代世界における、グローバル資本主義やデジタル化社会といったテーマの再解釈を試みる現代美術のグループ展が広島に巡回。出展作家は井田大介、徐冰(シュ・ビン)、トレヴァー・パグレン、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ、地主麻衣子など。東京での展示の様子はこちらのニュースをチェック。

会場:広島市現代美術館
会期:6月29日〜9月1日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【香川/6~9月】加茂克也 KAMO HEAD(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)

モードの最先端で活躍したヘア&メイクアップアーティスト、加茂克也(1965〜2020)。時代性と先進性に加え、彫刻のような普遍的な美を持つ加茂のヘッドピースは、ファッションでありつつ、唯一無二のアートピースとして強い存在感を放ってきた。本展は、トップブランドのファッションショー等で実際に使用したヘッドピースを中心に、立体作品や資料を交えながら、加茂の創作活動を包括的に紹介する。

会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)
会期:6月30日~9月23日

*月曜休館(7月1日・15日、8月5日・12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【福岡/7~9月】「キース・へリング展 アートをストリートへ」(福岡市美術館)

1980年代のニューヨークを中心に、地下鉄駅構内やストリートへのドローイングで知られるキース・ヘリング。その作品をプリントしたTシャツなどのファッションアイテムは日本でも人気を集めている。出展作品は、6mに及ぶ大型作品など150点以上。エイズによって31歳で夭折したヘリングの作家人生を振り返る貴重な機会だ。 森アーツセンターギャラリーで行われた展示の様子はこちらのフォトレポートから。

会場:福岡市美術館
会期:7月13日〜9月8日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

【沖縄/7~9月】「ナンセンスマシーン展」(沖縄県立博物館・美術館)

顔のついた音符がまるで歌っているかのように音を出す電子楽器「オタマトーン」を開発した明和電機の展覧会が開催。明和電機のこれまでの足跡を貴重な資料とともに辿る機会となる。会期中は明和電機社長の土佐信道が作品を解説するギャラリートーク「製品説明会」も行われる予定だ。

会場:沖縄県立博物館・美術館
会期:7月13日~9月16日

*月曜休館(7月15日、8月12日は開館|7月16日、8月13日は休館)

井嶋 遼(編集部インターン)

井嶋 遼(編集部インターン)

2024年3月より「Tokyo Art Beat」 編集部インターン