今年のゴールデンウィークは4月27日~29日の3連休と、5月3日~5月6日の4連休に分かれていて少し変則的。なかには30、1、2日に休みを取って10連休という方もいるかもしれない。お出かけプランのひとつとして、全国各地の美術館や芸術祭に訪れてみるのはいかがだろうか?本記事では、GW期間中に東北~中部地方で開催される注目の展覧会を紹介する。
*気になるイベントはウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
* 各展覧会の会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。
*掲載展覧会のイベントページは#ゴールデンウィークに見たい展覧会をチェック
*東京編はこちらから
*西日本編はこちらから
青森の地を舞台に、新しい芸術祭「AOMORI GOKAN アートフェス2024」が開催される。今年度テーマは「つらなりのはらっぱ」。現代美術を紹介する5つの美術館・アートセンターで展覧会やイベントが開催される。美術館全体を使って原口典之、吉田克朗ほかの作品を紹介する 「かさなりとまじわり」(青森県立美術館)、 蜷川実花がクリエイティブチーム EiMと協働して行う大規模個展「蜷川実花展 with EiM:儚くも煌めく境界」(弘前れんが倉庫美術館)などにも注目だ。
また、各館で開催される展覧会のイベントページは、#AOMORI GOKAN アートフェスからチェックできる。展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会場:青森県立美術館、青森公立大学国際芸術センター青森(ACAC)、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館
会期:4月13日〜9月1日
GW中の休館日:4月30日(弘前れんが美術館)
広告、舞台、映画などの多岐に渡る分野で国際的に活躍したアートディレクター、石岡瑛子の展覧会が開催。東京都現代美術館で開催された「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」展も記憶に新しい。本展では、東京を拠点にしていた1960年~80年代の仕事を中心に、 アートディレクターとして采配を振るったポスターやCM、グラフィックアートからスケッチまで、約500点が公開される。
会場:茨城県近代美術館
会期:4月22日~7月7日
GW中の休館日:なし
テキスタイルデザイナーの須藤玲子と、須藤が率いるテキスタイルデザイン・スタジオ「NUNO」の大規模個展。日本の伝統的な染織技術と現代の先端技術を組み合わせ、従来にない素材をテキスタイルに取り入れてきた須藤らの活動を振り返り、包括的に紹介する。 本展は、2019年に香港のCHAT(Centre for Heritage, Arts and Textile)で企画・開催され、ヨーロッパ各地、そして丸亀市猪熊弦一郎現代美術館を巡回してきた。
会場:水戸芸術館 現代美術センター
会期:2月17日~5月6日
GW中の休館日:4月30日
今回で8回目を迎える横浜トリエンナーレ。リニューアルオープンしたばかりの横浜美術館をメイン会場に、旧第⼀銀⾏横浜⽀店、BankART KAIKOなど横浜市内各所が会場となる。現代における生きづらさ、闘争、トランスナショナルといったテーマをふまえた作品がならぶ本展。かなりボリューム感ある内容のため、お出かけの際はこちらのフォトレポートを参照しながら、あらかじめ訪れる場所を決めて行ってもよいかもしれない。
会場:横浜美術館、旧第⼀銀⾏横浜⽀店、BankART KAIKOほか
会期:3月15日~6月9日
GW中の休館日:なし
鎌倉とロサンゼルスを拠点に、 優れた色彩表現で人々を瞑想的な絵画空間へといざなうフランシス真悟の個展が開催。大規模な個展は本展が国内で初となった。彼の代表作として知られる《Interference》シリーズは、顔料に含まれる無数の粒子が、見る角度や光の反射によってその表情を変える。フランシスの初期作品から茅ヶ崎美術館ために作られた最新作までがならび、まさに彼の絵画世界を体感できる機会となった。詳細はこちらのフォトレポートから。レポートではフランシス真悟と、担当学芸員・藤川悠(茅ヶ崎市美術館)のコメントも公開中。
会場:茅ヶ崎美術館
会期:3月30日~6月9日
GW中の休館日:4月30日
1982年の開館当初から優れたデザインの椅子を収集し、常時数種類を館内に設置してきた「椅子の美術館」こと埼玉県立近代美術館 。そんな同館と愛知県美術館が共同企画した本展は、椅子の登場するアート作品を通じて椅子の絶対的(アブソリュート)な魅力に迫る。展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会場:埼玉県立近代美術館
会期:2月17日~ 5月12日
GW中の休館日:なし
ミニマリズムの巨匠カール・アンドレ(1935〜2024)の日本初となる個展が開催中。彫刻家でもあり、詩人でもある彼の「場としての彫刻」は立方体や直方体など基本的な形の金属板や石、木材のユニットを、床に直接並べる、上に積むといった動作を組み合わせてでき上がっており、素材に極力手をいれない表現が特徴とされる。展示の様子はこちらのフォトレポートから。
会場:DIC川村記念美術館
会期:3月9日〜6月30日
GW中の休館日:4月30日
千葉県150周年記念「100年後芸術祭-内房総アートフェス」(総合プロデューサー:小林武史、アートディレクター:北川フラム)の一環として開催される本展は、市原市に暮らす多様な民族的バックグラウンドをもつ人々が、共に生きる社会を希求するプロジェクトだ。「100年後芸術祭-内房総アートフェス」の詳細はこちらのニュースから。
会場:市原湖畔美術館
会期:3月23日~6月23日
GW中の休館日:なし
スイスを代表する映像インスタレーション作家、イヴ・ネッツハマー(1970~)の日本初の個展が開催中。本展では、これまでの代表的な映像作品、オブジェ、ドローイングが展示されるとともに、宇都宮の大谷採石場跡に触発された、完全新作となる大規模インスタレーションも展示される。展示の様子などは小川敦生によるレビューに詳しい。
会場:宇都宮美術館
会期:3月10日〜5月12日
GW中の休館日:4月30日
オランダを代表する現代アーティスト、テオ・ヤンセン(1948~)の個展。本展では、彼の代表作である「ストランドビースト」の実物が多く紹介される。無数のプラスチックチューブで構成された「ストランドビースト」は、風力によって自走する巨大造形作品であり、もともとは環境問題に立ち向かうためのものとして作られた。「ストランドビースト」が実際に動く様子を見ることができるイベントも開催。詳細は公式ウェブサイトから。
会場:静岡県立美術館
会期:4月13日~7月7日
GW中の休館日:4月30日
1922(大正11)年、帝国美術院、二科会に拮抗する、第3の洋画団体として誕生した春陽会。当時の西洋美術の動向をおさえながらも、いち早く日本的・東洋的表現の追求を行っていたことで知られる。本展は、その創立から1950年代までの葛藤に満ちた展開を、岸田劉生、中川一政、岡鹿之助などの作品を含む、100点以上の作品で辿ろうとするものだ。
会場:長野県立美術館
会期:3月16日〜5月12日
GW中の休館日:5月1日
豊田市博物館の開館にむけて開催された本展。 タイトルのヴンダーカンマーは「驚異の部屋」の意であり、博物館や美術館の原型と言われる場所を指す。本展ではリウ・チュアン、タウス・マハチェヴァ、ガブリエル・リコ、田村友一郎、ヤン・ヴォーという5人の現代アーティストが参加。人類学的/史学的リサーチに基づく、博物館という存在を問い直すような作品がならぶこととなった。展示の様子はこちらのフォトレポートから。また、TABでは参加作家によるインタビューも実施。こちらも展覧会の前後に読んでみてほしい。
会場:豊田市美術館
会期:1月20日~5月6日
GW中の休館日:なし
井嶋 遼(編集部インターン)