茨城県近代美術館で「石岡瑛子 I デザイン」が、4月27日~7月7日まで開催される。デザイナー、アートディレクターとして人々に新しい価値観を提示し、広告、舞台、映画など多岐に渡る分野で国際的に活躍した石岡瑛子。革新的なヴィジュアルを目指した石岡のデザイン哲学と、表現者として生涯にわたって磨き抜いた「I=私」を浮き彫りにする。
キャリア初期における資生堂やセンセーションを巻き起こしたPARCOの代表作をはじめ、東京を拠点にしていた1960年~80年代の仕事を中心に、 アートディレクターとして采配を振るったポスターやCM、グラフィックアートからスケッチまで、約500点を一挙公開。
本展の見どころはマイルス・デイヴィス、アーヴィング・ペン、フランシス・フォード・コッポラ、レニ・リーフェンシュタールらとのコラボレーション。なかでも「20世紀を代表する映像の巨人」と評したレニにまつわるプロジェクトは、インタビュー、展覧会の構成・演出等の資料、印刷物のデザイン、関連書籍などとともに紹介される。
また、石岡が残したスケッチやメモ、校正紙の数々も必見だ。とくに写真の色校正にびっしりと書き込まれた朱字(修正指示)などからは、彼女の体温や生の感情を感じ取るとともに、制作のプロセスの一端をうかがい知ることができる。
強烈な個性と飽くなき情熱が刻み込まれた石岡の「I デザイン」は色褪せることなく、現代を生きる私たちの心の深いところに斬り込んでくる。 見る者を鼓舞しインスパイアする刺激的な石岡瑛子の世界。その圧倒的な熱量を体感したい。