公開日:2024年10月25日

11月スタートのおすすめ展覧会13選:「ポケモン×工芸展」、毛利悠子、ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレックなど【2024年版】

2024年11月に開幕する展覧会を紹介。

【東京】「ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-」(麻布台ヒルズ ギャラリー)

麻布台ヒルズ ギャラリーでは「ポケモンと工芸」という異色の組み合わせの展覧会が開催される。本展は、2023年3月から6月まで石川の国立工芸館で初開催され、アメリカや日本各地を巡回し、今回はバージョンアップして東京に戻ってくる。工芸の多様な素材と技法を駆使してポケモンを表現し、ひらめきや試行錯誤のなかから生まれた作品に焦点を当てる。新たに追加された作品を含め、約80点が展示される予定だ。詳細はこちらのニュースから。

会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
会期:11月1日〜2025年2月2日

【東京】「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子 ―ピュシスについて」(アーティゾン美術館)

2020年の開館以来、毎年アーティゾン美術館で開催されている石橋財団コレクションとアーティストとの共演「ジャム・セッション」展。今回は、国際的なアートシーンで注目を集める毛利悠子をゲストとして迎える。「インプロヴィゼーション(即興演奏)」や現代/実験音楽の「エラー」や「フィードバック」 を作品空間に組み込み、振幅やゆらぎ、変動や不確定さを重視してきた毛利。所蔵コレクションから選ばれたクロード・モネ、アンリ・マティス、パウル・クレー、ジョルジュ・ブラック、マルセル・デュシャン、ジョゼフ・コーネル、藤島武二といった作家との時代を超えたコラボレーションを楽しむことができる。詳細はニュースをチェック

会場:アーティゾン美術館
会期:11月2日〜2025年2月9日

【東京】「線表現の可能性」(国立国際美術館)

1枚の絵は、1本の線を引くことから始まる。線にはいろいろな種類があり、描く材料によって表情も様々に変化する。大阪・国立国際美術館では、現代アートにおける線表現の多様性に焦点を当てた展覧会が開催される。美術館のコレクションから版画や素描を中心に、絵画、彫刻、写真を含む約150点の作品が展示される予定だ。詳細はこちらのニュースから。

会場:国立国際美術館
会期:11月2日〜2025年1月26日

【東京】「APK PUBLIC Vol.1」(TODA BUILDING)

新たなアートスポットとして注目を集める超高層複合ビル「TODA BUILDING」が11月2日に開業する。3階にはギャラリーコンプレックスが設けられ、1階と2階の共用空間にはパブリックアートが登場するほか、戸田建設が進めるアート事業「ART POWER KYOBASHI」の一環であるパブリックアートプログラム「APK PUBLIC」により、新進アーティストやキュレーターの作品発表の場として活用される。第1弾となる「APK PUBLIC Vol.1」では、キュレーターに飯田志保子を迎え、小野澤峻、野田幸江、毛利悠子、持田敦子の作品が展示される。また、1階のGallery & Bakery Tokyo 8分では、友沢こたおの新作個展「Fragment」も開催される予定だ。

会場:TODA BUILDING
会期:11月2日〜2026年3月終了予定

【東京】「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」(国立科学博物館)

国立科学博物館では、初となる鳥類をテーマとした展覧会が開催される。本展は、急速に発展するゲノム解析研究により明らかになった最新の進化系統をもとに、鳥類の特有な体の構造や生態を紹介しながら、鳥たちの多種多様な進化の謎を解き明かすものである。家禽やペットとして人間の生活に深く関わり、畏敬や愛玩の対象として身近に存在する鳥類の不思議で魅力的な姿を知る貴重な機会となる。

会場:国立科学博物館
会期:11月2日〜2025年2月24日

【東京】「百草蒔絵薬箪笥と飯塚桃葉」(根津美術館)

根津美術館が所蔵する、飯塚桃葉(初代)が制作し、阿波徳島藩主・蜂須賀家に伝来した「百草蒔絵薬箪笥」が新たに国の重要文化財に指定された。これを記念し、本展は薬箪笥の豪華な内容物を一挙に展示し、蓋裏の美しい百草図を手がかりに、18世紀後半の博物学と美術の背景を探る。飯塚桃葉の代表作を一堂に見ることができる貴重な機会になりそうだ。

会場:根津美術館
会期:11月2日〜2024年12月8日

【東京】「三菱一号館美術館 再開館記念 『不在』―ソフィ・カルとトゥールーズ=ロートレック」(三菱一号館美術館)

設備メンテナンスのため、2023年4月から長期休館していた三菱一号館美術館が、11月23日に再開館する。リニューアル・オープンの最初の展覧会として、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)とソフィ・カル(1953〜)のコラボレーション展が開催される。両作家に共通する「不在」をテーマに掲げ、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」について考えていく内容となる。詳細はこちらのニュースから。

会場:三菱一号館美術館
会期:11月23日〜2025年1月26日

【東京】「そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠」(東京都庭園美術館)

現代を代表するふたりの女性作家、鉄の造形で知られる青木野枝と、ガラスを用いる三嶋りつ惠の展覧会が東京都庭園美術館で開催される。同館(旧朝香宮邸)の各所に作品を配置し、鉄とガラスというふたつの素材を通じて、生命の輝きを想起させる現代美術の世界観を、新作インスタレーションを含む作品を通じて体感できる展覧会となる。

会場:東京都庭園美術館
会期:11月30日〜2025年2月16日

【東京】「須田悦弘 展」(渋谷区立松濤美術館)

独学で木彫の技術を磨き、朴の木を用いて実物大の植物彫刻を制作してきた須田悦弘。須田によって生み出される植物は、思いがけない場所にさりげなく設置されることで空間と作品が一体となり、独自の世界を構築する。本展では、初期作品やドローイング、近年取り組んでいる古美術品の欠損部分を木彫で補う作品、新作も展示される予定だ。

会場:渋谷区立松濤美術館
会期:11月30日〜2025年2月2日

【茨城】田村友一郎 「ATM」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー)

既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手がける田村友一郎の個展が水戸芸術館 現代美術ギャラリーで開催される。田村の作品は土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題におよぶ幅広い着想源と多様なメディアの使用によって、現実と虚構が交差した多層的な物語を構築する。本展では、同館の英語表記「Art Tower Mito」の略称「ATM」から着想を得た新作《ATM》を展示。作品の出発点である作述という行為を生成AIに委ねることで、田村の過去作の断片を辿りながら新たな物語を紡ぎ出す内容となる。

会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期:11月2日〜2025年1月26日

【千葉】「ザ・キャビンカンパニー大絵本美術展〈童堂賛歌〉」(千葉市美術館)

千葉市美術館では、大分県の廃校をアトリエとして、様々な作品を生み出している阿部健太朗と吉岡紗希によるユニット、ザ・キャビンカンパニーの過去最大規模の展覧会が開催される。ザ・キャビンカンパニーは2009年の結成以来、40冊以上の絵本を発表してきた。本展は、彼らのエネルギーに満ちた世界を、絵本、詩、立体、舞台美術など多角的に紹介する内容となっている。

会場:千葉市美術館
会期:11月16日〜2025年1月13日

【石川】「すべてのものとダンスを踊って―共感のエコロジー」(金沢21世紀美術館)

人間を取り巻く、ある限りすべての存在と共にダンスするように、この地球の抱える諸処の問題を乗り越えるために必要なものとは何か。金沢21世紀美術館では開館20周年を記念して、エコロジーをテーマにした特別企画展が開催される。社会や精神までを含みうる、総合的なエコロジー理論の行く末を、アーティストの鋭敏な感性と観察を通じて作品として展示する。同館の長谷川祐子館長は、この企画展を過去2年間の「歴史との対話」「現代のテクノロジーとの関係」というテーマの総集編と位置づけており、ここ数年の同館のテーマを総観するような展覧会となりそうだ。

会場:金沢21世紀美術館
会期:11月2日〜2025年3月16日

【広島】「原田裕規:ホーム・ポート」(広島市現代美術館)

人間らしさをテーマに、テクノロジー、リサーチ、パフォーマンスなど幅広いメディアを横断しながら作品を制作する原田裕規。近年は、広島や山口からハワイへ渡った移民について調査し、日系アメリカ人の混成文化を題材にした映像作品《シャドーイング》を発表。本展では、原田が現時点の集大成とする新展開の平面作品に加えて、これまでに制作された代表的な映像、インスタレーション、パフォーマンス作品、10代の大半を過ごした「広島時代」の初期絵画などを展示。多様な展開を見せる原田の制作の歩みが、「舵の曲がったボート」のように母港に帰還する様子を見る機会となる。

会場:広島市現代美術館
会期:11月30日〜2025年2月9日

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