公開日:2024年10月17日

“古くて新しい線”がテーマ。国立国際美術館で約150点の“線”を考える「線表現の可能性」が11月開催へ

版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点のコレクション作品を選び、現代アートにおける線表現の多様性を紹介する企画

ベルナール・フリズ ガルブ 2003 キャンバスにアクリル、樹脂 国立国際美術館蔵 Courtesy of the artist

大阪国立国際美術館で11月2日から2025年1月26日にかけ特別展「線表現の可能性」が開催される。

直線、曲線、点線、波線──描く材料によっても「線」の表情は様々に変化する。かつては完成作のための習作や下絵、あるいはデッサンとしての役割を担い、近代には、抽象絵画などを通して線表現そのものに独立した価値が見出され、いまなおその表現領域を拡大し続ける「線」。

不動茂弥 形影の狭間(7) 1981頃 キャンバスにアクリル、転写シール 国立国際美術館蔵
須藤由希子 家と駐車場 2007 キャンバスに油彩、鉛筆、石膏 国立国際美術館蔵

本展は、美術館のコレクションのなかから版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代アートにおける線表現の多様性を知ることのできる企画だ。各ジャンルに線表現の特徴を比較しながらわかりやすく紹介し、線の用い方をその性質ごとに4つの章に分けて紹介することで、絵画における線の役割とその可能性について検証する。

木村忠太 南仏の六月 1980 キャンバスに油彩 国立国際美術館蔵
宮﨑豊治 Seeing… 1981 紙に鉛筆、インク 国立国際美術館蔵

展示構成は「線の動き、またはその痕跡」「物語る線たち」「直線による構成」「線と立体」の4章構成。

現時点で発表されている出品作家は木村忠太、津高和一、中原浩大、正延正俊、李禹煥、ヴォルフガング・ティルマンス、エミリー・カーメ・ウングワレー、サイ・トゥオンブリ―、ピエロ・マンゾーニ、池田龍雄、池田満寿夫、瑛九、須藤由希子、浜口陽三、不動茂弥、町田久美、南桂子、山本容子、ジョナサン・ボロフスキー、荒川修作、狗巻賢二、沢井曜子、高柳恵里、辰野登恵子、中村一美、山田正亮、アグネス・マーチン、ゲルハルト・リヒター、ブライス・マーデン、ベルナール・フリズ、植松奎二、宮﨑豊治、湯原和夫、岡崎和郎、菊畑茂久馬、桑山忠明、佐野ぬい、嶋田しづ、竹﨑和征、谷川晃一、奈良原一高、野見山暁治、野村仁、福岡道雄、舟越桂、三島喜美代、イリヤ・カバコフ、クリスチャン・ボルタンスキー、クリスト、スーザン・ローゼンバーグ、パナマレンコ、フランク・ステラ、リチャード・セラ(一部変更となる場合あり)。

福岡道雄 ピーチ・ハウス 1974 黒色強化ポリエステル、木 国立国際美術館蔵
中村一美 オレンジ・プレート 1986 キャンバスに油彩 国立国際美術館蔵

普遍的なテーマでありながら、日頃、意識することの少ない「線」という存在が、私たちの視覚にどのような作用を及ぼすのか。いまこそ古くて新しいテーマである「線」を考えたい。

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