2025年3月開幕のおすすめ展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
*2025年のおすすめ展覧会[東京編]や[全国編]、2025年に行きたい芸術祭も公開中!
1893年にスペインのカタルーニャ州に生まれたジュアン・ミロ(1893~1983)。同郷のピカソと並び20世紀を代表する巨匠に数えられ、太陽や星、月など自然のなかにあるかたちを象徴的な記号に変えて描いた、詩情あふれる独特な画風は日本でも高い人気を誇る。本展は、「星座」シリーズをはじめ、初期から晩年までの各時代を彩る絵画や陶芸、彫刻により、90歳まで新しい表現へ挑戦し続けたミロの芸術を包括的に紹介。世界中から集った選りすぐりの傑作の数々により、ミロの芸術の真髄を体感できる空前の大回顧展となる。
会場:東京都美術館
会期:3月1日〜7月6日
テキスタイル・デザイナーとしてキャリアを開始し、緻密な幾何学的形態による構成を、絵画や室内空間へと領域を横断しつつ追求したゾフィー・トイバー=アルプ(1889〜1943)と、詩人としての顔を持ちながら、偶然的に生まれる形態に基づき、コラージュやレリーフ、彫刻を制作したその夫、ジャン・アルプ(1886〜1966)。その協働制作の試みと、協働創作の可能性を再考する。ドイツとフランスのアルプ財団をはじめとする国外のコレクションより計100点余りを出品予定だ。同日からスタートする「硲伊之助 展」も見逃せない。
会場:アーティゾン美術館
会期:3月1日〜6月1日
スウェーデン出身の画家ヒルマ・アフ・クリント(1862~1944)は、ワシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンら同時代のアーティストに先駆け、抽象絵画を創案した画家として近年再評価が高まっている。2018年にグッゲンハイム美術館(アメリカ)で開催された回顧展では、同館史上最多となる60万人もの動員を記録した。本展では、高さ3mを超える10点組の絵画をはじめ、すべて初来日となる作品約140点が出品。代表的作品群を中心に、5章立ての構成により画業の全貌を見る。詳細はニュースをチェック。
会場:東京国立近代美術館
会期:3月4日~6月15日
数々の名作を生みだした手塚治虫(1928〜1989)が、自らのライフワークと宣言したマンガ『火の鳥』は、その血を飲んだものは永遠の命を得るという伝説の鳥“火の鳥”を追い求める人々の葛藤を描く一大傑作長編。過去と未来を交互に描きながら、「生と死」「輪廻転生」といった哲学的なテーマを縦横無尽に表現した本作の壮大な世界観は、いまもなお人々の心をとらえる。本展では、生物学者・福岡伸一が企画に携わり、30年以上の長きにわたって執筆された壮大な叙事詩を読み解く。ニュースはこちら。
会場:六本木ヒルズ・東京シティビュー
会期:3月7日~5月25日
グラフィックデザイナーの佐藤卓とライターの橋本麻里が手がける美濃焼に関するプロジェクト「美濃のラーメンどんぶり展」を起点とする本展は、日本のラーメン丼の約90%を占める美濃焼の歴史や職人の技を多角的に紹介。「アーティストラーメンどんぶり」の新作10点に加え、40点のオリジナルラーメン丼や、建築家・デザイナーによる「ラーメン屋台」を展示。3月19日から3月31日まで、同館で開催される「ジオ・ポンティの眼:軽やかに越境せよ。」にも注目したい。
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:3月7日~6月15日
デュッセルドルフ在住のグラフィックデザイナーであるイェンス・ミュラーとカタリーナ・ズセックによって収集された「A5コレクション デュッセルドルフ」が所有する戦後西ドイツのグラフィックデザイン資料のなかから、幾何学的抽象、イラストレーション、写真、タイポグラフィの観点から選ばれたポスターを中心に、冊子や雑誌など多彩な作品を展示。バウハウスやウルム造形大学が提唱したデザイン教育を基盤としたモダニズムを継承しながらも、戦後の新しい時代の表現を追求した西ドイツにおけるグラフィックデザインの世界を紹介する。
会場:東京都美術館
会期:3月8日〜5月18日
ニューヨークを拠点にグローバルな活躍を見せるアーティスト松山智一の東京で初となる大規模個展。松山の日本初公開となる大規模作品、15点を含む約40点が展示される。さらにこの機会に、展覧会タイトルでもある新シリーズ「FIRST LAST」を発表。松山のアイデンティティを通してとらえたグローバルな現代社会のリアリティを、迫力ある色彩と壮大なスケールの絵画で体感できる。
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
会期:3月8日〜5月11日
何にも染まらない特異な「黒」は、江戸時代の日本絵画において重要な役割を果たしてきた。本展では、黒色に焦点を当て、江戸時代の絵画表現における多様な使われ方を紹介。背景を黒く塗り込んだ作品や、黒を基調とした浮世絵を通じて、当時の美意識を読み解き、黒の象徴性や文化的背景を探る。さらに、暗闇のなかで金屏風の輝きを鑑賞できる特別な展示空間も用意。
会場:板橋区立美術館
会期:3月8日〜4月13日
サンディエゴ美術館は、米国西海岸において最初期に収集された充実した西洋絵画のコレクションを有し、国立西洋美術館は東アジアにおいて唯一の体系的な西洋絵画のコレクションを誇る。本展では、両館の所蔵品から約90点を掛け合わせて、ルネサンスから19世紀印象派までの600年にわたる西洋美術の歴史をたどりながら、「作品をどのように見るとより楽しめるか」を提案。関連する作品をペアや小グループごとに展示、比較することで、様々な角度から絵画が持つストーリーを深掘りできる。日本初公開作品をモチーフにしたオリジナルグッズにも注目したい。
会場:国立西洋美術館
会期:3月11日〜6月8日
20世紀に始まった住宅をめぐる革新的な試みを、衛生、素材、窓、キッチン、調度、メディア、 ランドスケープという、モダン・ハウスを特徴づける7つの観点から再考する。本展で取り上げる住宅の多くは、建築家たちの自邸。国内はもとより、アメリカやヨーロッパ、ブラジルなどから、貴重な作品が集結。図面、模型、外観や内観の写真に加え、建築家自らが描いたドローイング、建築家が住まいとともにデザインした家具や生活道具、映像など、バラエティに富んだ内容を紹介する。詳細はニュースをチェック。
会場:国立新美術館
会期:3月19日〜6月30日
2022年4月に東京・世田谷文学館で開幕し、日本全国で約70万人を動員した本展が、さらに充実した内容で東京に帰ってくる。ヨシタケシンスケが描き続けた膨大なスケッチや絵本の制作過程をたどる原画など約400点を展示。東京会場限定の大型体験展示や追加の絵本原画も登場し、オリジナルグッズも増量。ヨシタケシンスケの世界に浸る貴重な機会になりそうだ。
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO
会期:3月20日〜6月3日
戦前から戦後にかけて活躍した、木漆工芸家・黒田辰秋(1904〜1982)の生誕120年の記念展。艶やかな塗り、曲線や捻りが生み出す大胆な造形の拭漆、耀貝(メキシコ鮑)により新たな境地を開いた螺鈿などによる初期から晩年までの黒田の代表作に加え、図面や未発表資料もあわせて展観。家具等の大作から掌で愛でる逸品まで、多彩な作品を通じて黒田辰秋の作品世界の真髄に迫る。
会場:豊田市美術館
会期:3月15日~5月18日
パウル・クレー(1879〜1940)は、その独創的な画風から生前より高い評価を受けた、20世紀前半に活躍したもっとも重要な美術家のひとりである。彼の作品は、人生の悲劇性を受け止めつつ、線と色彩を通じて光と生命のエネルギーを描き出している。愛知県美術館から巡回した本展では、スイスのパウル・クレー・センターとの学術協力のもと、クレーと交流のあった芸術家の作品との比較や、当時の貴重な資料の参照を通じて、その生涯にわたる創造の軌跡を辿る。ニュースはこちら。
会場:兵庫県立美術館
会期:3月29日〜5月25日
印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネ(1840〜1926)は、一瞬の光をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめた。本展では、世界最大のモネ・コレクションを所蔵するパリのマルモッタン・モネ美術館より、日本初公開作品を含むおよそ50点が来日。さらに日本各地に所蔵される作品も加え、モネ晩年の芸術の極致を紹介。日本では過去最大規模の「睡蓮」が集う貴重な機会となる。豊田市美術館に巡回(6月21日~9月15日)。
会場:京都市京セラ美術館
会期:3月7日~6月8日
京都市とファーガス・マカフリーギャラリーの共催により、アンゼルム・キーファーの新作による展覧会が、世界遺産・二条城にて開催される。本展に際してキーファーは、『陰翳礼讃』の一節を用いながら「谷崎潤一郎が綴った古い日本建築への深い洞察に魅了され、それは私の芸術に新たな光を与えるインスピレーションとなった。二条城の反射光源としての金の実用的な使用は、私にとって啓示である。美学と政治力の融合、そして創造、破壊、再生の歴史的な循環は、私の意識に深く響く。2025年の春、桜が咲く頃に二条城での展示ができることを心から楽しみにしている」とステートメントを発表している。
会場:二条城
会期:3月31日〜6月22日
19世紀後半、ポーランドの歴史や文化的逸話を大きなスケールで描き名声を博したヤン・マテイコ。クラクフ美術学校教授を務めた彼のもとからは、数多くの若き芸術家たちが巣立った。「若きポーランド」と呼ばれた彼らは、印象派など当時西欧で新しく生まれた芸術の動向を貪欲に吸収し、浮世絵を主とする日本美術を参照する傍ら、地方に残る伝統文化を発見・再解釈しながら、ポーランドの国民芸術の在るべき姿を模索した。本展では、マテイコ、「若きポーランド」の数多くの代表的絵画作品ならびに版画、家具やテキスタイルなどの工芸品を含む約130点によって、前世紀転換期に花開いたポーランド美術の真髄を紹介する。
会場:京都国立近代美術館
会期:3月25日〜6月29日
大阪に本社を置き、2023年に40周年を迎えた大手ゲームソフトメーカー「カプコン」。1983年の創業以来、『ストリートファイター』『バイオハザード』『モンスターハンター』シリーズなど、世界的人気タイトルを生み出してきた。本展は、ゲーム開発の裏側やゲームクリエイターの情熱に焦点を当て、大阪から世界に向けてその魅力を発信する。開発者たちの「手」による企画書や原画、ポスターやパッケージを含むグラフィックワーク、体験型コンテンツを幅広く展示。ニュースはこちら。
会場:大阪中之島美術館
会期:3月20日〜6月22日
松園が誕生して150年の節目を迎えることを記念し、数々の作品によってその画業をあらためて紹介する本展では、珠玉の名作を含む作品群によってその画業を振り返る。また、女性として初めて文化勲章を受章し、池田蕉園や島成園をはじめ多くの女性日本画家が誕生する契機にもなった松園芸術の真価を振り返る機会となる。初期から晩年まで、松園の画業をたどる100点以上を展示。詳細はニュースをチェック。
会場:大阪中之島美術館
会期:3月29日〜6月1日
3月30日に鳥取県倉吉市に開館する鳥取県立美術館。初となる本展では、江戸絵画から現代美術まで、国内外の様々な作家100名以上によって制作された約180点の作品を「リアル」をキーワードに読み解く。出品作家は朝倉文夫、石内都、伊藤若冲、アンディ・ウォーホル、岡上淑子、ソフィ・カル、河原温、岸田劉生、草間彌生、イヴ・クライン、古賀春江、小早川秋聲、塩田千春、志賀理恵子、下道基行、リクリット・ティラヴァニ、ウォルフガン・ティルマンス、マルセル・デュシャン、舟越桂、森村泰昌、やなぎみわら。
会場:鳥取県立美術館
会期:3月30日~6月15日
「キティとわたし」の50年をテーマに、ハローキティだけが持つユニークさを紐解く展覧会。史上最大量のグッズ展示をはじめ、個性あふれるアーティストとのコラボ作品、オリジナル映像コンテンツなど様々なコーナーでそのユニークさをひもとく。
会場:沖縄県立博物館・美術館
会期:3月7日~5月11日