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「大正ロマン」を象徴する画家であり、詩人でもあった竹久夢二(たけひさ・ゆめじ)。1884(明治17)年に岡山県で生まれた夢二は、正規の美術教育を受けることなく独学で自身の画風を確立し「夢二式」と称される叙情的な美人画によって人気を博した。生誕140年を記念して開催される本展では、このたび新たに発見された《アマリリス》をはじめとする油彩画や素描など、初公開資料を含む約180点の作品を紹介。価値観が劇的に変化しつつあった20世紀前半に時代の立役者となった竹久夢二の魅力を堪能できる機会となった。詳細はこちらのニュースから。
会場:東京都庭園美術館
会期:6月1日~8月25日
ものの数量や分量、あるいは順序や回数をあらわす「数字」は、わたしたちの身のまわりにあふれている。本展は、作品名のなかに数字が含まれている古美術作品に焦点を当て、数という切り口から気軽に古美術を楽しんでもらうことを目的とした展覧会だ。作品名内の数が示すものには、形そのものや形式、技法や組合せ、さらには風俗や思想に関わるものまで様々な意味があり、数という新しい古美術鑑賞の切り口を得る機会となりそうだ。
会場:根津美術館
会期:6月1日~7月15日
自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止め、「根源的な生の光景」を表現してきた内藤礼。本展の企画は150年の歴史を持つ東京国立博物館の収蔵品や建築と内藤の出会いがきっかけになっており、縄文時代の土器や同館の建築にインスピレーションを受けた作品が展示される予定だ。また、9月から銀座メゾンエルメスで開催される関連展も是非チェックしたい。詳細はこちらのニュースから。
会場:東京国立博物館
会期:6月25日〜9月23日
印刷技術のない中世ヨーロッパにおいて、信仰や知の伝達のために重要な役割を果たしていた写本。写字生とよばれる人びとの手によって膨大な時間と労力をかけて制作される写本には、華やかな彩飾が施されており、一級の美術作品へと昇華を遂げている例も珍しくない。本展は聖書や詩編集、時祷書、聖歌集など中世から近世初頭にかけて普及した写本の役割や装飾の特徴に迫る展覧会となった。
会場:国立西洋美術館
会期:6月11日〜8月25日
世界の熱帯雨林や砂漠から国内の自然環境まで、自然と人の関わりを美しい映像と親しみやすい文章で伝え続ける今森光彦。彼は故郷である琵琶湖周辺を中心とした「里山」と呼ばれる空間を見つめ続け、自然と人との絶妙なバランスで生み出される里山を映像作品として発表してきた。本展は今森がこれまで出会った日本全国200ヶ所以上の里山のなかから、厳選した作品が紹介される。
会場:東京都写真美術館
会期:6月20日~9月29日
フィリップ・パレーノは現代のフランスを代表するアーティストのひとりであり、映像、彫刻、サウンド、オブジェ、テキストやドローイングなどを通して、現実/フィクション/仮想の境界や、実物と人工物との間に生じる奇妙なずれに意識を向けてきた。本展では、彼の代表作である映像作品《マリリン》をはじめ、ドローイングから立体、映像、大規模なインスタレーションまで、幅広い実践が多面的に紹介される。詳細はこちらのニュースから。
会場:ポーラ美術館
会期:6月8日~12月1日
岡本秋暉は、濃厚華麗な花鳥画、とりわけ孔雀の名手として名を馳せた江戸後期の画人だ。彼は懇意の小鳥店に通いながら写生に励んだという逸話もあるほど、鳥の描写をひたすらに研ぎ澄まし、透明感あふれる華やかな色彩と、羽の美しさを描き尽くす驚異的な技巧で江戸の人々を魅了した。本展では作家の初期から晩年にかけて制作された約100点の作品が集結し、岡本の画業を総観できる機会となった。
会場:千葉市美術館
会期:6月28日~8月25日
北川民次はメキシコで学び二科会で活躍した洋画家。生誕130周年を記念して開催される本展では、北川の作品に加えて、同時代にメキシコで活動した画家ルフィーノ・タマヨや写真家ティナ・モドッティ、北川と親交のあった藤田嗣治などの作品もあわせて紹介される。なお、本展は東京・世田谷美術館、福島・郡山市立美術館にも巡回予定。詳細はこちらのニュースから。
会場:名古屋市美術館
会期:6月29日~9月8日
能登半島地震の影響による長期休館からの再開を飾る本展は、同館の収蔵作品を紹介するコレクション展。芸術作品における基礎的な要素である「線―ライン」を動的なジェスチャーや異なる空間や概念をつなぐ存在としてとらえ、多面的で発展的な世界のつながりを作品を通じて示す機会となった。また、本展では2023年4月に新たにコレクションとして加わった、マーク・マンダース《4つの黄色い縦のコンポジション》をはじめ、横山奈美、エル・アナツイ、ティファニー・チュン、サム・フォールズ、大巻伸嗣、ジュディ・ワトソンらの作品が展示される予定だ。
会場:金沢21世紀美術館
会期:6月22日~10月14日
醍醐寺は、真言密教のうち加持祈禱や修法などの実践を重視する寺として発展してきた。国宝《文殊渡海図》や、重要文化財《不動明王坐像 快慶作》をはじめとし、醍醐寺には天皇や公家、武家との深い関わりから貴重な文化財が多数伝わっている。醍醐寺の歴史と美術を「山の寺」「密教修法のセンター」「桃山文化の担い手」という3つのテーマで紹介する本展では、醍醐寺に伝わる国宝、重要文化財を含む約90点の宝物が大阪で初めて公開される。
会場:大阪中之島美術館
会期:6月15日〜8月25日
アートコレクティブのパープルームを主宰し、昨年9月にはTABでデイヴィッド・ホックニー展のレビューも執筆した美術家・梅津庸一。そんな梅津の過去最大規模の個展が国立国際美術館で開催される。「この国で美術家として生きることはいかにして可能なのか」という問いかけを起点に、「人がものをつくる」という行為の可能性について根本から再考するような展覧会となる予定だ。東京・ワタリウム美術館 で開催中の「梅津庸一|エキシビション メーカー」もあわせてチェックしたい。
会場:国立国際美術館
会期:6月4日〜10月6日
工業素材を用いた家具やインテリアで知られ、1960年代以降、デザイン界で高い評価を受けてきたインテリアデザイナー・倉俣史朗。およそ20年ぶりとなる回顧展が京都に巡回する。出展作品には、初期から晩年までの作品に加えて、その制作の過程を示す夢日記やスケッチも紹介される。世田谷美術館での展示の様子はこちらのレポートをチェック。
会場:京都国立近代美術館
会期:6月11日~8月18日
新型コロナウイルスのパンデミックを経た現代世界における、グローバル資本主義やデジタル化社会といったテーマの再解釈を試みる現代美術のグループ展が広島に巡回。出展作家は井田大介、徐冰(シュ・ビン)、トレヴァー・パグレン、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ、地主麻衣子など。東京での展示の様子はこちらのニュースをチェック。
会場:広島市現代美術館
会期:6月29日〜9月1日
モードの最先端で活躍したヘア&メイクアップアーティスト、加茂克也(1965〜2020)。時代性と先進性に加え、彫刻のような普遍的な美を持つ加茂のヘッドピースは、ファッションでありつつ、唯一無二のアートピースとして強い存在感を放ってきた。本展は、トップブランドのファッションショー等で実際に使用したヘッドピースを中心に、立体作品や資料を交えながら、加茂の創作活動を包括的に紹介する。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(MIMOCA)
会期:6月30日~9月23日