公開日:2024年2月6日

内藤礼の展覧会が東京国立博物館で開催。「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」は6月25日から。銀座メゾンエルメスとの2館を往還する構成

会期は6月25日~9月23日。東京国立博物館と向き合い、生まれる作品空間を展開

トーハクの収蔵品や建築空間と内藤礼の出会い

東京国立博物館で展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」6月25日~9月23日に開催される。会場は同博物館の平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ。

内藤礼 死者のための枕 2023 シルクオーガンジー、糸 撮影:髙橋健治


自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止めることから「根源的な生の光景」を作品として出現させてきた美術家・内藤礼。

本展は150年の歴史を持つ同館の収蔵品や建築と作家の出会いから始まった企画。内藤は縄文時代の土製品に自らの創造と重なる人間のこころを見出し、「生の内と外を貫く慈悲」を感じたという。

本館1階ラウンジ

さらに建築の歴史を作家が独自の視点で読み解くことで、新たな空間作品を制作する。会場のひとつとなる特別5室では、長年閉ざされていた大開口の鎧戸が開放され、作家が追求する「地上の生の光景」の舞台となる。

また場の本来の姿が顕れるようにと、展示室のカーペットと仮設壁が取り払われ、建築当初の裸の空間が立ち現れる。その空間を自然光が満たすことで、一瞬ごとに変容していく風景が広がるだろう。

「内藤礼:breath」2023 年 ミュンヘン州立版画素描館 《color beginning》2023 紙にアクリル絵具  撮影:畠山直哉

なお本展は、エルメス財団との共同企画。作家の構想は、2ヶ月後に始まる銀座メゾンエルメス フォーラムでの展覧会「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」(9月7日〜2025年1月13日)へと続き、再び東京国立博物館へと戻るという。2会場にまたがり連作の絵画と立体作品が展開される。

この世界で生きることと作ること、変容や流動、人と自然の交歓といったものについて、深く感じることができる展覧会になりそうだ。

「内藤礼:すべて動物は、世界の内に ちょうど水の中に水があるように存在 している 2022」2022 神奈川県 立近代美術館 葉山 《母型》2022[2009]年 水、ガラス瓶 撮影:畠山直哉

「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」
会期:6月25日~9月23日
会場:東京国立博物館 平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ
主催:東京国立博物館
特別協力:エルメス財団
協力:タカ・イシイギャラリー

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