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*冬休みに見たいおすすめ展覧会も公開中
新しい年の到来を喜び、人生の節目に幸福を願う気持ちは、古くから様々な造形に託されてきた。本展では、古代中国で不老不死の仙人が住むと考えられた蓬莱山(ほうらいさん)や、日本で吉祥図として描かれた縁起物を始め、めでたいことの訪れを告げる「瑞祥(ずいしょう)」の造形美を紹介する。吉祥の象徴に込められた美しさと意味を、この機会にぜひ堪能してほしい。
会場:皇居三の丸尚蔵館
会期:1月4日〜3月2日
インターネットやデジタルアーカイヴといったメディアから採取した画像を、コンピュータ・アプリケーションで加工を施しながら構成、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で作品を制作する今津景。今津は2017年にインドネシアのバンドンに制作・生活の拠点を移し、近年の作品は、インドネシアの都市開発や環境汚染といった事象に対するリサーチをベースにしたものへと移行している。タイトルにある「タナ・アイル」とは、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル(Air)」が「水」を指し、二つの言葉を合わせると故郷を意味する言葉になる。作家初の大規模個展。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:1月11日〜3月23日
画家、写真家、オブジェ作家など、多彩な顔をもったマン・レイ(1890〜76)は陽気で憎めない人柄でも多くの人々に愛された。本展では、東京富士美術館所蔵品に加え、マン・レイ研究の第一人者である石原輝雄のコレクションと膨大な周辺資料を中心に、マン・レイの足跡を追いつつ、彼の愛すべき人間性に迫る。
会場:東京富士美術館
会期:1月11日〜3月23日
ヘラルボニーが贈る本展は、異彩を放つ作家たちとSHIBUYA SKYがコラボレーションし、多様な視点でとらえられた「生命の輝き」を再構築する試みである。「PARADISCAPE」と題された空間は、都会の景色と生命が共鳴する理想郷を目指し、訪れる人々に「生命」と「世界」への新たな気づきをもたらす。さらに、「SKY GALLERY EXHIBITION SERIES」の一環として、SHIBUYA SKYの体験を元に制作した新作も披露される。
会場:SKY GALLERY
会期:1月16日〜3月31日
ブルックリン博物館が誇る古代エジプトコレクションから、彫刻、棺、宝飾品、陶器、パピルス、そして人間やネコのミイラなど約150点の遺物を通じて、高度な文化を創出した人々の営みをひもとく。これまでのエジプト展で見過ごされてきた「知っているようで知らない事実」から最新技術を使ったピラミッドの研究成果まで、映像や音声も交えて紹介。新進気鋭のエジプト考古学者、河江肖剰が大型展初監修する。詳細はニュースをチェック。
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:1月25日〜4月6日
身近なものを対象に、布と紙で美しく親しみやすい作品を生み出した宮脇綾子(1905〜95)。アップリケ、コラージュ、手芸などに分類されてきた彼女の作品は、しかしいずれの枠にも収まりきらない豊かな世界を作り上げている。本展では、宮脇をひとりの優れた造形作家としてとらえ、約150点の作品と資料を造形的な特徴に基づいて8章に分類・構成。分析を通してその芸術に新たな光を当てる。ニュースはこちら。
会場:東京ステーションギャラリー
会期:1月25日〜3月16日
「映像とは何か」という問いを投げかけながら、国内外の映像表現を紹介してきた「恵比寿映像祭」。今回は、「Docs —これはイメージです—」をテーマに据え、メディアの変容に着目して幅広い作品群をイメージと言葉から紐解くことで、「ドキュメント/ドキュメンタリー」の再考を試みるという。東京都写真美術館の全フロアを使って国内外で活躍するアーティストによる映像、写真、資料などのパフォーマンスや身体性と関連する作品群が展示されるほか、第2回目となる「コミッション・プロジェクト」のファイナリストである小田香、小森はるか、永田康祐、牧原依里による新作展示も予定。ニュースはこちら。
会場:東京都写真美術館など
会期:1月31日〜2月16日
「さいたま国際芸術祭2023」でディレクターを務めた現代アートチーム目[mé]による展覧会が、彩の国さいたま芸術劇場で開催される。本展では、目[mé]が劇場と契約を交わし、会期中劇場が「スケーパーが出現する可能性」を所有するという独自のコンセプトが展開される。存在するとも存在しないともいえない「スケーパー」とは何か。その曖昧な体験を楽しむため、ぜひ劇場に足を運んでほしい。
会場:彩の国さいたま芸術劇場
会期:1月21日〜2月24日
パウル・クレー(1879〜1940)は、その独創的な画風から生前より高い評価を受けた、20世紀前半に活躍したもっとも重要な美術家のひとりである。彼の作品は、人生の悲劇性を受け止めつつ、線と色彩を通じて光と生命のエネルギーを描き出している。本展では、スイスのパウル・クレー・センターとの学術協力のもと、クレーと交流のあった芸術家の作品との比較や、当時の貴重な資料の参照を通じて、その生涯にわたる創造の軌跡を辿る。3月に兵庫県立美術館へ巡回予定だ。ニュースはこちら。
会場:愛知県美術館
会期:1月18日〜3月16日
絵画制作を出発点としながら、早くから立体的な造形や光、映像、音を組み合わせたインスタレーションを展開してきた玉山拓郎。日常的に用いられる机や電球が大地や星々のようにも見えるなど、彼の作品は内なる場(In-terior)と外界(ex-terior)の関係へと想像をひろげつつ、大小のスケールの振れ幅に両者の境界を問う。本展では、谷口吉生が手がけた豊田市美術館の特徴的な展示空間を活かし、ひとつのインスタレーションが展示される。詳細はこちらのニュースから。
会場:豊田市美術館
会期:1月18日〜5月18日
ふと目に留まる日常の「モノ」を撮影する行為は、カメラからスマートフォンへと進化し、いまや誰もが親しむ行動となった。本展では「ブツドリ(物撮り)」という言葉を商業広告の枠を超え、写真史における重要な表現形式として再評価する。重要文化財である明治期の写真原板から、文化財写真、静物写真、広告写真、そして現代アーティストの作品まで、200点以上の写真作品が展示される。
会場:滋賀県立美術館
会期:1月18日〜3月23日
洋画家・松本竣介(1912〜48)が生きた時代は、大山崎山荘が文化人や政財界の人々で賑わいをみせた1930~40年代と重なる。1912年、東京に生まれた竣介は13歳で聴覚を失うも、絵画の道を志して上京。二科展への初入選を果たしたのちも、わずか36歳で世を去るまで制作に情熱を注いだ。本展では、アサヒグループ大山崎山荘美術館が所蔵する竣介コレクションを中心に、60点余りの絵画とデッサンを通じて、短い生涯のなかで確かな軌跡をのこした竣介の画業を辿る。
会場:アサヒグループ大山崎山荘美術館
会期:1月4日〜4月6日
京都市京セラ美術館にて蜷川実花が各分野のスペシャリストによるクリエイティブチームEiM(エイム)とともに手がけた関西最大規模の個展が開催される。本展では、蜷川が京都の街から得たインスピレーションを基に、10話にわたる「絵巻体験」を構築。映像インスタレーションや立体展示を通じて、鑑賞者を物語の主人公として迎える。アーティストの内面に触れるとともに、自身や世界とのつながりを問い直す体験を創出する試みである。ニュースはこちら。
会場:京都市京セラ美術館
会期:1月11日〜3月30日
若いアーティストが独自の才能をはばたかせる場として2022年に始まった公募展「MIMOCA EYE」。その第1回大賞受賞者である西條茜の個展が開催される。陶の空洞に身体との共通点を見出した西條は、内臓を想起させる造形や、息や声を吹き込むパフォーマンスを通じて、作品と身体の境界を探求してきた。本展では陶作品に加え、息を吹き込む過程を伴うガラス作品も発表する。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:1月26日〜3月30日
1940年に誕生したアニメーション『トムとジェリー』は、2025年に85周年を迎える。本展では、長年にわたって描かれてきたトムとジェリーの楽しい日常を紹介し、ふたりの関係性や仲間たちに焦点を当てる。また、ユニークなオブジェや撮影スポットも設置し、来場者がトムとジェリーの世界を体験できる体験型の展覧会となる。
会場:福岡市美術館
会期:1月25日〜3月20日
2021年に世界自然遺産に登録された沖縄本島北部を会場とする芸術祭。総合ディレクターを石垣島生まれのアーティスト・仲程長治が務める。8回目を迎える本年度は「山原本然」をテーマに、「エキシビション部門」「クラフト部門」の2部門でプログラムを構成。現代アートの作品が集まる「エキシビション部門」のディレクターは金島隆弘が担当し、31組のアーティストがサイトスペシフィックな作品を発表する。詳細はニュースをチェック。
会場:大宜味村立旧塩屋小学校 (大宜味ユーティリティーセンター)など
会期:1月18日〜2月24日