年末年始の冬休み期間に開催されている注目展覧会をピックアップ。東北と関東甲信越の展覧会を紹介します。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
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日本を代表する現代美術のコレクションであるタグチアートコレクションと、弘前れんが倉庫美術館の所蔵作品から、世界各地で活動するアーティストたちの作品を紹介する本展。絵画や写真、映像やレクチャー型のパフォーマンスなど、多彩な作品を通して、「生きること」と「幸せ」について考えようとする展覧会だ。身近な空間から異世界への扉を開いてゆくミカ・ロッテンバーグ、詩的な旅のイメージに不穏な歴史が重なり合うトゥアン・アンドリュー・グエン、弘前の歴史の一端が垣間見えるロック喫茶と奈良美智の作品、自分の身体を通じて世界と向き合う片山真理、タイトルにもなった塩田千春の作品に加え、街なかで展開する高山明のプロジェクトなども紹介される。
会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:9月27日〜2025年3月9日
大阪に生まれ、現在はベルリンを拠点に活動する谷中佑輔。人間の身体を自律したものではなく周囲からの影響を受ける存在としてとらえ、彫刻やダンス、パフォーマンスなどの領域を横断しながら、環境や他者との関係性のなかで身体がどのように現れうるかについて表現してきた。作家にとって美術館初個展となる本展では、老いや病気、怪我、障害など身体が本質的にはらむ脆弱性と進化する医療技術が私たちに抱かせる欲望や儚い希望、また必ずしも思い通りにならない脆さを抱えながら生きることなどについて考察し、新作のインスタレーションや彫刻、映像インスタレーション、パフォーマンスを発表する。
会場:十和田市現代美術館
会期:12月7日〜2025年3月23日
ミューぽんで100円OFF!(3名まで割引)
愛知県の愛・地球博記念公園内にある、スタジオジブリ作品の世界を表現した公園施設「ジブリパーク」。その制作現場の指揮は、三鷹の森ジブリ美術館や、「サツキとメイの家」を手がけ、『ゲド戦記』『コクリコ坂から』『アーヤと魔女』などの監督を務めた宮崎吾朗が担当した。本展では、そんな宮崎吾朗のこれまでの仕事と作品を振り返るとともに、初公開の展示と資料の数々を通して、ジブリパークが作られるまでの舞台裏を紹介する。
会場:青森県立美術館
会期:11月13日〜2025年2月9日
様々な「愛」のかたちを描いた、宮西達也による絵本『おまえうまそうだな』(ティラノサウルスシリーズ)。2023年で発売20周年を迎え、シリーズは16冊におよぶロングセラー作品だ。本展では、絵本の制作過程を複製画や作者のエピソードとともに展示するほか、恐竜たちの暮らす世界に入り込めるようなフォトスポットやティラノサウルスの巨大フィギュアなど体験型展示も登場。絵本による恐竜たちの世界を紹介する。
会場:石ノ森萬画館
会期:10月26日〜2025年1月13日
1985年の“スタジオ開き”以来、数々の名作アニメーションを世に送り出してきたスタジオジブリ。その作品が日本中で愛されるようになった背景には、日本テレビ『金曜ロードショー』の存在がある。1986年に『風の谷のナウシカ』が同番組で放映されて以降、現在まで多くの作品が繰り返しテレビ放送されてきた。本展は、スタジオジブリ作品の魅力と『金曜ロードショー』で放映された時代の記憶と記録をあわせて紹介する展覧会。会場では、これまで語られてこなかったジブリ作品放映の秘密が明かされるほか、ジブリ作品のポスターの中に入り込んだような撮影空間や『借りぐらしのアリエッティ』のAR体験など、作品世界を体感できる様々な空間が登場する。
会場:秋田県立近代美術館
会期:10月12日〜2025年1月13日
美術館のコレクション作品を中心に紹介する「まんなか」展の第1期「日本のまんなかでアートをさけんでみる」に続いて行われる展覧会。「日本のまんなか」を自称する群馬県渋川市から、あるいは鑑賞者自身から「外側」へアートを発信していくような企画を実施した第1期に対し、「心のまんなかでアートをあじわってみる」と題した本展では、作品に向き合う鑑賞者それぞれが自身の心の「内側」へ美術を引き寄せることを提案する。
会場:原美術館 ARC
会期:9月14日〜2025年1月13日
ミューぽんで100円OFF!(3名まで割引)
自然や街並みの色、生活用品の色などに加えて、10億色を超える色の再現力を持つと言われる最新のモニターやスマートフォンの画面など、現代社会では人間がかつて経験したことのない色彩世界が広がっている。本展は、近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を素材との関係に触れながら、色彩の役割についてあらためて考察するもの。チューブ入りの油絵具を巧みに扱った19世紀の印象派や新印象派から、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、色彩の影響力によって見る者の身体感覚をゆさぶる現代アートまで、近現代の色彩の歴史を、絵画や彫刻、インスタレーションなどを通して読み直す。
会場:ポーラ美術館
会期:12月14日〜2025年5月18日
アール・ヌーヴォーを代表する作家であるアルフォンス・ミュシャ。その多彩な芸術活動に焦点を当てた本展では、チェコ在住の個人コレクターであるズデニェク・チマル博士のコレクションから、初来日作品約90点を含む約170点が展示される。貴重な直筆作品約60点をはじめ、代表的なポスター作品や挿絵、お菓子のパッケージ、装飾品や装飾の資料集を紹介するほか、作家と親交の深かったポール・ゴーギャンとの写真や、出品作品である油彩画《エリシュカ》のモデルとなった16歳のエリシュカ・ポリーフカの写真などを通して、プライベートのミュシャの姿にも迫る。
会場:そごう美術館
会期:11月23日〜2025年1月5日
明治工芸における超絶技巧のDNAを受け継いだ現代工芸と、超絶技巧が駆使された明治工芸をともに紹介し、時を超えた超絶技巧の世界に迫る展覧会。現代と明治という2つの時代で、作家独自の技法により生み出された実物と見まごうばかりの作品群が一堂に会する。会場では、いま注目の17名の現代作家による木彫、漆工、金工、陶磁、ガラス、ペーパークラフト、刺繍などの作品と、明治工芸の逸品をあわせて約120点が展示される。
会場:山梨県立美術館
会期:11月20日〜2025年2月2日
「アートはみんなのために」という信念のもと、1980年代のニューヨークを中心に地下鉄駅構内やストリートなど日常にアートを拡散させ、混沌とする社会に対してメッセージを発信し続けたキース・ヘリング。その31年の生涯のうち、創作活動を行なったのはわずか10年ほどだが、作品に込められたメッセージは現在まで多くの人々の心を掴んでいる。本展では、中村キース・へリング美術館のコレクションを中心に、絵画や版画、ドローイングなど約150点の作品を通して、ヘリングのアートと多彩な表現活動を紹介する。
会場:静岡市美術館
会期:11月28日〜2025年1月19日