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新津保 建秀

「T.T I-A 02 遺物の声を聴く 応用考古学の庭」

草月会館
終了しました
この度、T.T (ex. Taiga Takahashi)による展示「T.T I-A 02 遺物の声を聴く応用考古学の庭」を東京・草月会館にて2024年12月22日(日)から 12月29日(日)まで開催いたします。

高橋は自らの活動を「応用考古学」と称して、古美術品やヴィンテージの衣服に恒久的な美しさを見出し、それらを自身の芸術表現へと昇華してきました。特に、何世代にもわたって受け継がれてきた伝統的な技術に携わる職人たちとの協働を通じ、衣服をはじめ、彫刻や平面作品の制作に取り組んできました。高橋は2022年4月に道半ばで逝去しましたが、高橋の活動は、衣服、彫刻、建築、空間、茶の湯と多岐に渡り、京都・祇園に創り上げた総合芸術空間「T.T」や、また約2000点に及ぶ服飾資料や古美術品という膨大な遺産を残しています。

T.Tは、2024年から、高橋大雅の活動の核となる考古学的な手法を引き継ぎ、高橋が蒐集した過去の遺物のアーカイヴを開示するためのプラットフォーム「T.T I-A(Institution of Archeology)」を立ち上げ、高橋の思想を継承した活動を続けています。

本展示は、京都・祇園に続くT.T I-A第2弾として、高橋が最も影響を受けた芸術家の一人であるイサム・ノグチが作庭した石庭「天国」を主な展示空間とし、高橋が蒐集した過去の遺物や約300点に及ぶヴィンテージの服飾資料、さらにそれらから着想を得て高橋が制作した衣服や彫刻作品を公開します。ノグチが表現した抽象的な時間と空間の交錯や自然との調和を、高橋独自の視点で「応用考古学の庭」として再構築します。

また、京都・祇園の総合芸術空間「T.T」内にある日本建築における陰翳の美意識を体現した茶室「然美」は草月流とのコラボレーションによって「竹窓の然美」として展開されます。「然美」は、自然や陰翳の美意識を体現し、過去と現在を結ぶ象徴的な空間です。また一方で、草月流は、日本のいけばな文化を現代的に革新し続ける流派として知られており、草月会館はその創造性を象徴する場です。本展示にて、草月流三代目家元・勅使河原宏が生み出した、竹による回廊式の異空間から着想を得た空間を作り上げ、立礼式で4品のペアリングコースと共に静寂と調和の体験を観客に提供します。(11月27日から予約開始)

さらに本展示の関連イベントとして、 12月24日(火) 18:00より、パリを拠点とするサウンド・アーティスト Tomoko Sauvage氏によるライブパフォーマンスを1F草月プラザにて開催いたします。音楽というアプローチはT.Tにとって今回が初の試みであり、視覚芸術だけでなく音の次元がブランドの総合芸術に加わります。水の音や陶器の楽器を用いた即興演奏で知られるSauvage氏が奏でる深遠で静謐な音楽は、本展示のテーマと響き合い、観客に特別な体験を提供します。

本展示は、高橋の掲げた「応用考古学」の理念を具体化し、過去の遺物や美意識を現代に甦らせる試みです。「応用考古学の庭」と「竹窓の然「美」という二つの空間は、時代や文化を超えた創造の可能性を示唆するとともに、未来を見据えた新たな視点を提供します。

スケジュール

2024年12月22日(日)〜2024年12月29日(日)

開館情報

時間
11:0019:00
23日・24日は11:00〜16:00
最終日は15:00まで
入場料無料
会場草月会館
http://www.sogetsu.or.jp/index.html
住所〒107-8505 東京都港区赤坂7-2-21
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門・都営大江戸線青山一丁目駅4番出口より徒歩5分
電話番号03-3408-1129
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