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[画像: クリス・ヒュン・シンカン 《Joel, Tess, MuiMui and Balltsz》2023年 キャンバスに油彩 220 x 320 cm]

クリス・ヒュン・シンカン 「A Day in the Life」

オオタファインアーツ
終了しました

アーティスト

クリス・ヒュン・シンカン
オオタファインアーツでは、香港出身のペインター、クリス・ヒュン・シンカンの日本では4年ぶりとなる個展を開催いたします。ビートルズの代表曲「A Day in the Life」を展覧会タイトルとする今展では、2021年に活動拠点を香港からイギリスに移して以降初めてとなる、室内を題材とした作品群を紹介いたします。
ヒュンは日常の出来事を観察し、主に家族や身の回りの風景をモチーフとしたペインティングを制作しています。写真やスケッチに頼らず、スタジオのキャンバスに向かいながら頭の中の記憶をたどってイメージを膨らませる工程により、時に複眼的な構図を作り出します。中国水墨画の影響から、抑えられた筆使いで表現される画面には、時に空白や曖昧さを残しながらも多くの要素が登場します。今回の新シリーズでは、一日の中で継続的に移り変わる室内に差し込む日の光が、ヒュンの主観を通して、それぞれのペインティングに独特の相異なる色彩を与えています。常に「見る」という行為を通じて人がどのように物事を理解するかに焦点を当ててきたクリスにとって、長年過ごした故郷を離れ、新しい家や家具に囲まれた新天地での生活は、制作に大きな影響を与えました。
2022年にシンガポールで開かれた個展「Blossoms in the Shade」では、イギリスで初めて体験する四季の移り変わりや木々の陰影に焦点を当て、同じく家族を題材としながらも、屋外の場面のみが描かれ、それぞれの背景の特異性は失われていました。比べて今展の新作では、すべての作品が自宅のキッチン、リビング、バスルームなど特定の空間を舞台としています。移住当初「何もないスタジオで自宅を描こうにもまだ馴染んでいない感覚があった」と語るヒュンが、再び移住前のように自宅を題材にしたとき、その筆使いや構成には新たな一面が見られます。家具や物体が控えめなタッチでありながらも独立してかたどられていた以前に比べ、モチーフを描く筆使いはさらにおぼろげになり、時に背景に溶け込んでしまいそうな淡さで描かれます。
「香港で制作した作品を振り返ってみると、20年間同じ場所にいて考えたことの積み重ねだったように思います。イギリスに移り住んでからは、すべての思考は今と昔の経験の違いを比較することでしか成立しないようになりました。」とヒュンは語っています。この認識の変化は、彼がキャンバス上で場面を構築する過程にも変化を及ぼしました。過去の自分との比較で捉える不確かさを視覚化する今シリーズは、「認識する」という行為の流動性を示唆してきたヒュンの新たな試みと言えるでしょう。特定の瞬間や出来事を描くことをせず、継続的な「人生のとある一日(A Day in the Life)」を画面に残そうとするヒュンの行為は、通り過ぎる時間そのものを繋ぎとめようとする感情的な行動とも受け取れます。

スケジュール

2023年7月1日(土)〜2023年8月19日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.otafinearts.com/ja/exhibitions/291-a-day-in-the-life-chris-huen-sin-kan/
会場オオタファインアーツ
http://www.otafinearts.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル 3F
アクセス都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅1a・1b出口より徒歩1分
電話番号03-6447-1123
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