The Family (16mm film still from performance) 2022 ©Nayab Noor Ikram

「Acts of Care 第3期:ナヤブ・イクラム、サンプサ・ヴィルカヤルヴィ 『Families』」

KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
あと5日で開催

アーティスト

ナヤブ・イクラム、サンプサ・ヴィルカヤルヴィ
『Acts of Care』第三期では、 KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYにて、2025年4月5日(土)よりナヤブ・イクラムと サンプサ・ヴィルカヤルヴィの二人展『Families』を開催いたします。

ナヤブ・ノール・イクラム(Nayab Noor Ikram)は、フィンランドを拠点に活動するビジュアル・アーティスト。オーランド諸島(6,500を超える島々からなるフィンランドの自治領/住民のほとんどはスウェーデン系)出身のパキスタンのディアスポラ(「移民」「植民」を意味する思想用語。ギリシャ語のディア(分散する)とスピロ(種をまく)を語源とする。出典:artscape)でもあります。写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションなどの作品を手がけ、儀式や象徴を通して、中間的であるということ (in-betweenship)、文化的アイデンティティ、記憶などの概念を探求しているアーティストです。

​本展で発表する映像《The Family》は、アーティストとその家族によるパフォーマンスの記録です。美しく暮れゆく夕陽を背景に、母親がアーティストの髪を儀式的に洗ってゆきますが、伸びやかな声が幼少期の呼び声のような懐かしさを喚起させ、鑑賞者ひとりひとりのルーツに染み込んでゆくかのようでありながら、実は即興的であるという仕掛けによって、家族の個々に横たわる緊張感や感情や記憶をも炙り出すコミュニケーションとしても機能しており、伝統や儀式の創造や継承についても思考させられます。

もうひとりのアーティスト、サンプサ・ヴィルカヤルヴィ(Sampsa Virkajärvi)は、時間と変化と社会、そして個人の選択とその不可能性に興味を持つビジュアルアーティスト/ドキュメンタリー映画監督。本展では2点の映像作品を展示いたします。

《What Remains?》では、自宅で認知症を患うアーティストの実母の晩年を描き、病気が進行するにつれて時間と場所が変化していく様子を描いています。いくつもの家で同時に暮らす彼女。老いた人とその介護者が遭遇する、記憶の喪失、視覚の弱体化、理解力の低下にまつわる困難の一端を描きだすことを試みる作品でもあります。

《With You》は、かつてはパイロットとして一家を大黒柱として支えていた尊敬する実父が、最晩年にはほぼ一日を寝て過ごす様子を克明に描いており、息を引き取るその日までの父と息子の物語をまとめたノンフィクションです。育った時代も、就いた職業も、性格さえも正反対であった父に対して、時には葛藤をかかえながらも深い敬愛を抱き続けた作者である息子が語る、「あなたの生きた80年で、僕たちが一緒に過ごしたわずか18年は、短すぎました」という言葉が光ります。

すべての命には、その遺伝子を遺した親が存在します。目まぐるい日々のなか、過ぎ去った幼少期や、必ずやってくる別離の未来から目を逸らしてしまいがちな私たちですが、本展で展示するフィンランドを拠点する2人のアーティストの作品は、家族という単位の尊さや、忘れがちになってしまう過去や未来を喚起させつつ、各々の「いま」に焦点を合わせることの大切さも教えてくれるかのようです。

『Acts of Care』の最終会期となる本展を、是非お見逃しなくご高覧頂けましたら幸いです。

スケジュール

2025年4月5日(土)〜2025年4月26日(土)

開館情報

時間
13:0018:00
休館日
月曜日、火曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttps://www.kanakawanishi.com/exhibition-054-acts-of-care
会場KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY
http://www.kanakawanishi.com/
住所〒106-0031 東京都港区西麻布2-7-5-5F
アクセス東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩9分、東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A5番出口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1a出口より徒歩11分
電話番号03-5843-9128
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