これまで鈴木は、主に女性の権利をコンセプトに作品を制作してきましたが、近年では、個人の経験に基づいたものから発想を得て制作に取り組む作品も度々見られるようになりました。数年前に自身の家を構えてから、生活基盤の労働条件が切実になり、非正規労働の問題を痛感していると話します。本展「A tale of The 13th city」でも、生活、労働、未婚や自活など、自身を取り巻く状況を踏まえて考察し、制作テーマとしている「自分とは何か」を追求します。
宇宙にある惑星を舞台に物語が繰り広げられた2022年個展“hi there”では、個人の揺らぎを中心に、遠く離れた惑星で暮らす非正規労働の女性たちが自己を愛する権利について模索し、思い思いのメッセージを綴りました。今回は、その中の女性の1人Bibiが、惑星での労働から戻った後の生活についてクローズアップします。何度移住を経験していたとしても、新天地ではいつも少し不安があります。そのニュアンスを含め、本展ではThe 13th city (13番目の街)と設定いたしました。
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