©︎Tsutomu Iwasaki photo by Ryoko Yashim

岩崎努 展

小山登美夫ギャラリー六本木
4月19日開始

アーティスト

岩崎努
この度小山登美夫ギャラリー六本木では、岩崎努展を開催いたします。
本展は作家にとって弊廊での初個展となり、岩崎の代表作である柿をモチーフとした木彫作品を、新作含め発表いたします。

岩崎努は1972年富山県南砺市井波生まれ。欄間彫刻で知られる富山伝統の井波彫刻師を父にもち、自然と彫刻の道へ進むことになります。
1995年武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業後、彫刻家の多田美波氏、父に師事したのち、より写実的な表現の追求を目指し独立。富山県東岩瀬市に「木彫岩崎」を開業し、伝統をふまえた独自の世界観を発展させてきました。2023年「超絶技巧未来へ!明治工芸とそのDNA」(岐阜県現代陶芸美術館ギャラリー1、長野県立美術館、三井記念美術館等に巡回)への参加や、ライフワークと位置づける天神像の制作、近隣の寺院やミシェランの星つきレストラン、世界的に有名な時計メーカーとの作品など、国内外で高い評価を得ています。

「柿」をモチーフとした作品「嘉来」は、一見木彫とは思えない驚くほど繊細でリアルな表現ですが、岩崎にとっては心象風景を形にしたものであると言います。故郷の井波には柿の木がいっぱいあるが、実がなっても誰も取らずに深いオレンジ色になり、雪が積もり、朽ち果て、下に落ちる。それが作家にとっての原風景であり、郷愁からはじまった作品となっています。

そして作品には岩崎の考える「柿らしさ」「柿の美しさ」を誇張や省略をしながら投影されています。

「例えば、『葉付き柿』の枯れ方をする時は、実はこの色じゃない。でも自分の思う柿の葉の色って、一瞬なんですけどこういう孔雀のような模様が出る時がある。それが僕自身の柿らしさ。だから、郷愁とか哀愁を表現したいと思って枯れてる形にしてますけど、でも本当に枯れている時はこの色ではない。」

制作方法は、粘土での立体スケッチで彫り始める前に十分な時間をかけたのち、木に移行します。一つの木材から枝、葉、実と全て彫り出す「一木造り」技法を用い、日本画家の平井千香子氏にイメージを伝え何度もやり取りしながら着色がほどこされ、制作できる限界は年に2作品。実物の柿の果実より大きいものもあったり、へたも実際の形や色とは異なっていますが、岩崎の中にある「柿の概念」がそこに映し出され、本質に迫る力強い写実性、時間性、そしてそれらを超えた深い作家性をも醸し出されています。

「柿は国果といわれるくらい日本の果物を代表するもので、それぞれの柿の想いがあるはず、幼い時に柿を見た想いなどを少し思い出してほしい」

本物とは、本質とは、ものの存在とはそもそも何なのか。岩崎作品を通して、自分の琴線に触れる部分がどこになるのか、ぜひ体感しにお越しください。

スケジュール

2025年4月19日(土)〜2025年5月24日(土)

開館情報

時間
11:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2025年4月19日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://tomiokoyamagallery.com/exhibitions/iwasaki2025/
会場小山登美夫ギャラリー六本木
http://www.tomiokoyamagallery.com/
住所〒106-0032 東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
アクセス東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅1b出口より徒歩2分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅7番出口より徒歩8分、東京メトロ千代田線乃木坂駅5番出口より徒歩11分
電話番号03-6434-7225
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