2024年1月開幕の展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
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新春に相応しい展覧会が東京国立博物館でスタート。戦乱の時代に生きた本阿弥光悦(ほんあみこうえつ、1558〜1637)は、革新的で傑出した品々を生み出した傑出した人物。その後の日本文化にも大きな影響を与えてきたその創造的世界は、まるで大宇宙(マクロコスモス)のごとく深淵だ。本展では、光悦自身の手による書や作陶にあらわれた内面世界と、同じ信仰のもとに参集した工匠たちがかかわった蒔絵など同時代の社会状況に応答した造形とを結び付ける糸として、光悦とその一族が篤く信仰した当代の法華町衆の社会についても注目。造形の世界の最新研究と信仰のあり様とを照らしあわせることで、総合的に光悦を見通す。
同館では1月23日から、「中尊寺金色堂」展も開幕。
会場:東京国立博物館
会期:1月16日〜3月10日
2024年は、第1回印象派展から150周年の節目の年。東京都美術館は、アメリカ・ボストン近郊・ウスター美術館の所蔵品から印象派作品を紹介する展覧会を企画した。出展作家には、日本でもよく知られるモネ、ルノワールなどフランスの印象派はもちろん、ドイツや北欧の作家、国際的に活動したサージェント、さらにはアメリカの印象派を代表するハッサムらの名前も。印象派のアメリカでの展開が紹介されるのは、ボストン近郊にあるウスター美術館のコレクションならではだ。出展作品のほとんどが初来日だという本展。ぜひ見ておきたい。
会場:東京都美術館
会期:1月27日〜4月7日
アメリカ近代建築の巨匠として知られるフランク・ロイド・ライト。昨年、豊田市美術館で開催されたその個展がパナソニック汐留美術館へ巡回する。展示されるのは、日本初公開となる建築ドローイングや図面の数々を含む約420点。帝国ホテルの設計をキャリアの中心軸として、ライトの魅力に迫る。豊田市美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。
会場:パナソニック汐留美術館
会期:1月11日~3月10日
天王洲アイルの寺田倉庫G1ビルでは、ゴッホの作品3000点以上をイマーシブな映像として体験できる展覧会が開催される。世界99都市を巡回し、900万人以上を動員してきた本展。国内では名古屋と神戸で開催され、のべ約34万人が来場したという。サラウンド音響やアロマの仕掛けも施された空間で、ゴッホ作品の没入体験を味わいたい。ニュースはこちら。
会場:寺田倉庫G1ビル
会期:1月6日〜3月31日
本展は、ガラス作家・山野アンダーソン陽子の作品を起点とするプロジェクト「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」を紹介する企画。画家から伝えられたガラス作品のイメージを山野が造形し、それを画家が描く。さらに、写真家・三部正博が画家たちのアトリエを撮影し、デザイナー・須山悠里が本をデザインする。この連続的なコラボレーションで生み出された、クリアーガラスの食器、絵画、写真が公開される。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:1月17日〜3月24日
テクノロジーとアートを掛け合わせ、最新カルチャーを体験できる3日間のイベント「DIG SHIBUYA(ディグシブヤ)」。渋谷公園通り周辺エリア、代々木公園ケヤキ並木などの公共スペースや周辺のギャラリースペースを舞台に、最新テクノロジーを絡めたアートを展開する。第1回となる今回は、ロサンゼルス拠点のFriendsWithYou(フレンズウィズユー)をメインアーティストに迎え、「Magic, Luck and Friendship(魔法、運と友情)」をモットーにした彼らのインスタレーション作品やパフォーマンスを発表する。
会場:Spotify O-EASTほか渋谷周辺エリア
会期:1月12日〜1月14日
札幌市内にある北海道立近代美術館では、アイヌの特徴的な渦巻き文様であるモレウをテーマとした展覧会が開催される。モレウを中心に、アイヌアートの多様性とデザイン性に富んだ造形力に焦点が当てられる。木工芸、染織の優品のほか、貝澤徹、西田香代子、藤戸康平らの近作も注目だ。
会場:北海道立近代美術館
会期:1月13日〜3月10日
岩手県初の洋画団体「北虹会」の第1回展が開催された1910年を出発点に、県ゆかりの美術家たちの作品を常設で公開する近代美術展示室を備えた県立博物館が開館した1980年までの70年間にフォーカスし、盛岡で開催された象徴的な展覧会や出来事の歴史をひもとく。県内に点在する個人や企業の所蔵作品を含めた約150点をを通して、岩手で活躍した美術家たちや、その作品の来歴をたどる。
会場:岩手県立美術館
会期:1月6日〜2月18日
戦後日本の前衛美術を牽引した具体美術協会の中心メンバーのひとりとして知られる白髪一雄。床に置いたキャンバスに足で絵具を塗り広げる「フット・ペインティング」などにより、絵画における身体表現の可能性を追求し続けた。その出身地である兵庫県尼崎市の「白髪一雄発信プロジェクト」と新潟県立近代美術館が共同で本展を開催。白髪の作品に加え、元永定正、斎藤義重、末松正樹、江口草玄、難波田龍起らの作品を加えた約80点を紹介する。
会場:新潟県立近代美術館
会期:1月13日〜2月25日
開館以来文化財の修復に取り組んできた石川県立美術館。1997年には付属施設として石川県文化財保存修復工房が開設され、2016年には美術館の広坂別館に隣接してリニューアルオープン。地元北陸の文化財修復の拠点となるべく活動してきた。本展では、文化財修復を改めて地域文化の本質的な独自性と位置付け、藩政期から修復工房開設に至る石川の文化風土を再認識しつつ、文化財の保存・修復の成果を技術面に主眼を置いて紹介。地域間の連携など、これからの文化財活用を展望する。
会場:石川県立美術館
会期:1月4日〜2月12日
春陽会は1923年に第1回展が開催された美術団体。当時民間最大の美術団体だった日本美術院の洋画部を脱退した画家たちによって結成され、現在も活動は続いている。本展は設立100年を記念し、黎明期から1950年代までの展開を振り返るもの。同じ芸術主義を持ち連帯するのではなく、それぞれの画家たちの個性を尊重する「各人主義」を掲げた春陽会のメンバー。その作品を中心に、約200点の名品が公開される。本展は3月に、長野県立美術館へ巡回予定だ。
会場:栃木県立美術館
会期:1月13日〜3月3日
本展で焦点が当てられる鳥文斎栄之(ちょうぶんさい・えいし、1756〜1829)は、旗本出身の浮世絵師。当初は徳川家に「絵具方」として仕えていたものの、やがて武士の身分を離れ本格的に浮世絵師として活躍するようになった。本展は、世界初となる栄之展。国外に流出した名品を集めつつ、栄之の画業を総覧しその魅力に迫る。
会場:千葉市美術館
会期:1月6日〜 3月3日
ミューぽんで100円OFF!(3名まで割引)
「ヴンダーカンマー=驚異の部屋」とは、絵画や彫刻、動物の剥製や植物標本など、美しいものや奇妙なものを世界各地から収集する空間やその文化現象を指す。16世紀ヨーロッパで始まり、美術館や博物館の原型とされている。豊田市美術館は、4月に市内に豊田市博物館が開館することを機に本展を企画。文化表象の実践の場として、未来の「ミュージアム」の可能性に迫る。出展作家は、リゥ・チュアン、タウス・マハチェヴァ、ガブリエル・リコ、田村友一郎、ヤン・ヴォー。
会場:豊田市美術館
会期:1月20日~5月6日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)
本展は、池田満寿夫と彼が交流を持ったデモクラート美術家協会の作家に注目する企画。旧満州国で生まれた池田は、戦後長野に引き上げ、後に上京。靉嘔や瑛九、久保貞次郎と交流し、1957年の第1回東京国際版画ビエンナーレ展に出展。1966年にはヴェネチア・ビエンナーレで版画部門の国際大賞を受賞し、国際的に評価されるようになった。同館が所蔵する池田作品のうち、1950年代〜66年頃までの作品が並ぶほか、池田と交友を持った作家による版画と油彩画も展示される。
会場:広島市現代美術館
会期:1月20日〜3月17日
福岡を拠点とする前衛美術グループ「九州派」のメンバーとして活動し、2015年に逝去したオチ・オサム。アスファルトや日用品を表現の素材とした制作や、球体をモチーフとした絵画で知られている。本展は、美術館では初となるオチの回顧展。生活と制作を地続きであるという態度のもと、ドローイングやコラージュを作り続けた作家の全貌に迫る。
会場:福岡市美術館
会期:1月24日〜3月24日