公開日:2025年1月29日

2月スタートのおすすめ展覧会18選:AIと現代アート、オーブリー・ビアズリー、横浜美術館リニューアルオープンなど【2025年版】

東京、神奈川、埼玉、京都、広島など、全国の美術館で2025年2月に開幕する展覧会を紹介。
  1. 【東京】「魂を込めた 円空仏 ―飛騨・千光寺を中心にして―」(三井記念美術館)
  2. 【東京】「CURATION⇄FAIR Tokyo」(kudan house)
  3. 【東京】「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(森美術館)
  4. 【東京】「異端の奇才――ビアズリー」(三菱一号館美術館)
  5. 【東京】「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」(サントリー美術館)
  6. 【東京】「片桐石州の茶 武家の正統」(根津美術館)
  7. 【東京】「総合開館30周年記念 鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために―」(東京都写真美術館)
  8. 【茨城】「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー)
  9. 【埼玉】「メキシコへのまなざし」(埼玉県立近代美術館)
  10. 【千葉】「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」(DIC川村記念美術館)
  11. 【神奈川】「岩竹理恵+片岡純也×コレクション 重力と素材のための図鑑」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)
  12. 【神奈川】「横浜美術館リニューアルオープン記念展 おかえり、ヨコハマ」(横浜美術館)
  13. 【神奈川】「生誕120周年 サルバドール・ダリ ―天才の秘密―」(横須賀美術館)
  14. 【京都】「東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ」(福田美術館)
  15. 【京都】「ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2025」(京都国立博物館)
  16. 【岡山】「柚木沙弥郎 永遠のいま」(岡山県立美術館)
  17. 【広島】「Perfume COSTUME MUSEUM」(広島市現代美術館)
  18. 【高知】「浜田浄 めぐる 1975-」(高知県立美術館)

【東京】「魂を込めた 円空仏 ―飛騨・千光寺を中心にして―」(三井記念美術館)

江戸時代前期に日本各地を巡り、木肌とノミ痕を活かした現代彫刻にも通ずる独特の神仏像を残した円空。晩年には飛騨(現在の岐阜県)で過ごし、千光寺を始めとする周辺地域で多くの像を制作した。本展では、円空が魂を込めて彫り上げた仏像の数々を一堂に展示する。

会場:三井記念美術館
会期:2月1日〜3月30日

【東京】「CURATION⇄FAIR Tokyo」(kudan house)

「CURATION⇄FAIR Tokyo」は、古美術・近代美術・現代美術・工芸を「見て」「買える」イベント。展覧会とアートフェアで構成され、展覧会を通じて美術作品への理解を深めるとともに、アートフェアでお気に入りの作品を購入できる機会を創出する。2025年は、展覧会が2月1日~16日、アートフェアが2月22日~24日に行われ、キュレーター・音響構成・会場構成として、遠藤水城、兼平彦太郎、岩田智哉、蓮沼執太、五月女哲平が顔を揃える。kudan houseで開催される展覧会は、遠藤、兼平、岩田がキュレーションを担当。詳細はニュースをチェック

会場:kudan house(九段ハウス)
会期:2月1日〜2月24日

【東京】「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(森美術館)

ゲームエンジン、AI、VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)などのテクノロジー、さらにはアルゴリズムや生成AIなど人間の創造性を拡張するテクノロジーを採用した新しい「マシン」時代の現代アートを紹介する展覧会。出展作家は、キム・アヨン、ルー・ヤン(陸揚)、佐藤瞭太郎、ヤコブ・クスク・ステンセン、アドリアン・ビシャル・ロハスら。ニュースはこちら

会場:森美術館
会期:2月13日〜6月8日

【東京】「異端の奇才――ビアズリー」(三菱一号館美術館)

25歳で世を去った画家オーブリー・ビアズリー(1872〜98)は、ろうそくの光をたよりに、精緻な線描や大胆な白と黒の色面からなる、きわめて洗練された作品を描き続けた。本展は、19世紀末の欧米を騒然とさせたビアズリーの歩みをたどる、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画。初期から晩年までの挿絵や希少な直筆の素描に加え、彩色されたポスターや同時代の装飾など、約200点を通じてビアズリーの芸術を見る。

会場:三菱一号館美術館
会期:2月15日〜5月11日

【東京】「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」(サントリー美術館)

エミール・ガレ(1846〜1904)は、フランス北東部ロレーヌ地方の古都ナンシーで、父が営む高級ガラス・陶磁器の製造卸販売業を引き継ぎ、ガラス、陶器、家具において独自の世界観を展開し、輝かしい成功を収めた。ガレの没後120年を記念する本展は、ガレの地位を築いたパリとの関係に焦点をあて、彼の創造性の展開を顧みる。パリ装飾美術館から万博出品作を始めとした作品が多数出品されるほか、近年サントリー美術館に収蔵されたパリでガレの代理店を営んだデグペルス家伝来資料が初公開となる。

会場:サントリー美術館
会期:2月15日〜4月13日

【東京】「片桐石州の茶 武家の正統」(根津美術館)

片桐石州(1605~73)は大和国小泉藩第2代藩主であり、武家茶道・石州流の祖である。石州は千利休の流れをくみながらも、武家にふさわしい格式ある茶の湯を確立し、古田織部や小堀遠州と並ぶ茶道の大家として名を残した。その影響は江戸幕府にも及び、武家社会における茶道の礎を築いた。本展は、歴史的に重要でありながら、これまで注目されてこなかった石州と石州流の茶の湯を紹介し、その魅力を伝える。

会場:根津美術館
会期:2月2日〜3月30日

【東京】「総合開館30周年記念 鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために―」(東京都写真美術館)

1963年生まれの写真家・アーティストの鷹野隆大。初公開作品を含めその軌跡を概観する個展が、開館30周年記念を迎える東京都写真美術館で開催される。鷹野は写真集『IN MY ROOM』(2005)で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在も国内外で活躍を続ける。『IN MY ROOM』に代表されるセクシュアリティをテーマとした作品と並行し、「毎日写真」や「カスババ」といった日常のスナップショットを手がけ、さらに東日本大震災以降、「影」を被写体とした写真の根源に迫るテーマにも取り組んでいる。本展のタイトルである「カスババ」とは鷹野による造語で、カスのような場所(バ)の複数形である。詳細はニュースをチェック

会場:東京都写真美術館
会期:2月27日〜6月8日

【茨城】「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー)

躍動感溢れる筆遣いと力強い色彩の絵画で知られる近藤亜樹(1987〜)。東日本大震災の余波に人々の心が揺らぐ2012年に画家としてデビュー。日常の事物や記憶に残る人々の面影、植物、幼子の言葉といったプライベートなモチーフから生と死や超越的な自然の力といったテーマまでを自身のなかに受け止め、それらを描くことで異なる者同士が「いま・ここ」につながり合う世界を展望してきた。本展では、生命の祝福、他者とともに在ること、災害や戦禍にある人々への想い、葛藤とレジリエンスなど、近藤の作品を通して「生きること」と「描くこと」が切り開く世界に迫る。

会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期:2月15日〜5月6日

【埼玉】「メキシコへのまなざし」(埼玉県立近代美術館)

埼玉県立近代美術館は1982年の開館以来、メキシコの近現代美術を収集し、メキシコ美術に焦点をあてた展覧会をたびたび開催してきた。こうした活動の背景には、埼玉県とメキシコ州との姉妹提携締結(1979)に加えて、1955年の「メキシコ美術展」を訪れ、メキシコ美術への造詣を深めていった初代館長・本間正義の存在があった。本展では、1950年代にメキシコに惹かれた美術家のなかから、福沢一郎、岡本太郎、利根山光人、芥川(間所)紗織、河原温の足跡をたどり、彼ら彼女らがメキシコをどのようにとらえたのかを考える。また同館のメキシコ美術コレクションとその形成の歩みを、学芸員としてメキシコ美術の普及に努めた本間の仕事とともに紹介する。

会場:埼玉県立近代美術館
会期:2月1日~ 5月11日

【千葉】「DIC川村記念美術館 1990–2025 作品、建築、自然」(DIC川村記念美術館)

規模縮小と東京都内への移転が決定したDIC川村記念美術館にて、館内の全展示室を用いた最後のコレクション展示が開催される。約150点の作品を紹介し、30年以上にわたる活動を振り返る機会となる。本展は美術館と対話しながら作品を鑑賞することで、深い発見と「出会い」の場を提供する。これまでの歩みを集大成し、今後の方向性を示す展覧会となる。

会場:DIC川村記念美術館
会期:2月8日〜3月31日

【神奈川】「岩竹理恵+片岡純也×コレクション 重力と素材のための図鑑」(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)

2013年よりユニットとして作品発表を行ってきた岩竹理恵と片岡純也(ともに1982〜)。岩竹は絵画の空間性を思索する平面作品を、片岡は身の回りや自然の現象から着想を得たキネティック作品を制作し、インスタレーションとして身体性や時間性を喚起する新たな視覚体験を提供してきた。本展は、曼荼羅、大津絵、鯰絵、茶器など日本美術を中心に、作家と学芸員が選定した作品を展示し、神奈川県立近代美術館のコレクションに新たな視点を加える企画である。

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:2月1日~ 4月13日

【神奈川】「横浜美術館リニューアルオープン記念展 おかえり、ヨコハマ」(横浜美術館)

2021年3月から大規模改修工事を行っていた横浜美術館が、2月8日に全館オープンを迎える。リニューアルオープン記念展となる「おかえり、ヨコハマ」は蔵屋美香が2020年に横浜美術館館長に就任してから初となる、自身の企画による展覧会。同館のコレクションを新たな視点で紹介するほか、横浜市歴史博物館、横浜開港資料館、横浜都市発展記念館、横浜市民ギャラリーなど、主に横浜市内の施設が所蔵する作品や資料も展示。ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、ルネ・マグリット、奈良美智など、近代美術の名作から現代美術の作品までを楽しむことができる。詳細はニュースをチェック

会場:横浜美術館
会期:2月8日〜6月2日

【神奈川】「生誕120周年 サルバドール・ダリ ―天才の秘密―」(横須賀美術館)

サルバドール・ダリ(1904〜89)の生誕120周年およびシュルレアリスム宣言100周年を記念して開催される本展は、世界屈指のダリ・コレクションを誇る諸橋近代美術館の所蔵品を中心に、ダリの生涯を概観し、渡米以降の活動に注目する。油彩、素描、版画、彫刻に加え、ミロやマグリットなどシュルレアリスムの作家たちの作品を通じて、ダリがいかにして世界中で愛される芸術家となったのか、その魅力に迫る。

会場:横須賀美術館
会期:2月8日〜4月6日

【京都】「東山魁夷と風景画の旅 日本から世界へ」(福田美術館)

国民的に知られる風景画・東山魁夷(1908〜99)は、国内外を旅し、自然が織りなす風景を描き続けた。本展では、福田美術館で初公開となる《夕涼》を始め、《青きドナウ》など、魁夷の風景画約30点に加え、特別公開の《花明り》を展示する。さらに、近代日本画家の風景画のほかに、西洋近代風景画の基礎を築いたカミーユ・コロー(1796〜1875)やクロード・モネ(1840〜1926)など、フランスで活躍した画家の作品も紹介する。

会場:福田美術館
会期:2月1日〜4月13日

【京都】「ARTISTSʼ FAIR KYOTO 2025」(京都国立博物館)

次世代のアーティストが世に羽ばたくためのきっかけづくり、そして来場者とアーティストとのダイレクトなコミュニケーションを生み出すフェアとして、8回目の開催を迎える「ARTISTS' FAIR KYOTO」。「Singularity of Art」をテーマに据え、ディレクターを椿昇が務める。参加作家は池田光弘、伊庭靖子、薄久保香、大庭大介、加藤泉、鬼頭健吾、田村友一郎、鶴田憲次、名和晃平、ミヤケマイ、ヤノベケンジ、Yotta、ロバート・プラットら。詳細はニュースをチェック

会場:京都国立博物館ほか
会期:2月28日〜3月2日

【岡山】「柚木沙弥郎 永遠のいま」(岡山県立美術館)

倉敷市玉島の洋画家、柚木久太の次男として生まれた柚木沙弥郎(1922〜2024)は、戦後に職を得た大原美術館で民藝運動に出会い、芹沢銈介のもとで染色家としての活動を開始。型染の第一人者として活躍し、自由でユーモラスな形態と美しい色彩が調和した作品は、多くの人々に愛されている。1990年代以降は、染色のみならず、版画やコラージュ、絵本、立体など大きく創作世界を広げ、100歳をこえてなお意欲的に活動した。そんな柚木の長きにわたる創作活動の全貌を紹介する展覧会。島根県立美術館(4月18日~6月16日)、静岡市美術館(8月16日~10月13日)、東京オペラシティアートギャラリー( 10月24日~12月21日)に巡回予定。

会場:岡山県立美術館
会期:2月14日〜3月23日

【広島】「Perfume COSTUME MUSEUM」(広島市現代美術館)

世界を舞台に第一線で活躍を続ける3人組の音楽ユニットPerfume。本展は、『Perfume COSTUME BOOK 2005-2020』(文化出版局、2020年)を起点に、厳選した約180着の衣装を展示する。さらに、初公開となる型紙やデザインの発想源を示す制作資料も紹介。これまで大切に保管されてきたコスチュームを通じて、Perfumeの魅力を紐解く。

会場:広島市現代美術館
会期:2月22日〜6月1日

【高知】「浜田浄 めぐる 1975-」(高知県立美術館)

高知県黒潮町出身の美術家、浜田浄(1937〜)の過去最大規模となる個展。浜田は、めまぐるしく移り変わる戦後日本のアートシーンを傍目に、東京都練馬区の小学校教員として勤めながら、自らの表現に妥協することなく手を動かし続けてきた。作風の転機にあたる1975年から2024年の最新作までのおよそ60点を通して、浜田の制作が深化する過程を体感できる。

会場:高知県立美術館
会期:2月8日〜4月13日

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