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*2024年下半期に見たいおすすめ展覧会(最新版)も公開中
風景画の可能性を広げているアーティスト・小西真奈。雄大な景観を大画面に収め、隅々まで緻密に描き込まれた理知的な作品は広く人気を集めている。コロナ禍で隔離生活を余儀なくされた時期、小西は自宅から徒歩圏内の都立公園や付属の温室、近隣を流れる小川を訪れ、それらの風景を描き続けた。本展は、小西にとって美術館での初の大規模個展となり、これまでの代表作に加え、新作も多数展示される
会場:府中市美術館
会期:12月14日〜2025年2月24日
古来より、人々は幸せな生活を願い、その想いを図様や造形に託してきた。日本美術には、誕生や婚礼などの慶事、節句、日常の営みのなかで飾られる様々な吉祥の表現がある。本展では、長寿や子宝、富や繁栄といった願いが込められた美術に焦点を当て、おなじみの松竹梅や七福神をはじめ、現代の人々にとってもラッキーモテーフと言える作品が多数展示される。
会場:山種美術館
会期:12月14日〜2025年2月24日
2023年3月に逝去した作曲家・坂本龍一の最大規模となる個展が、東京都現代美術館で開催される。本展では、生前坂本が同館のために遺した展覧会を基軸に、アーティストの創作活動の核心をなす「音」と「時間」をテーマに掲げ、未発表の新作と代表的なサウンド・インスタレーション作品を含む約10点の作品群が、美術館の屋内外の空間を舞台にダイナミックかつ没入的に展開される。坂本の活動を時系列に紹介しながら、その先駆的・実験的な創作活動の軌跡を辿るような展覧会となる。同館では12月14日から「MOT アニュアル 2024 こうふくのしま」展もスタートする。
会場:東京都現代美術館
会期:12月21日〜2025年3月30日
彫刻、パフォーマンス、映像作品など、多岐にわたる手法で独自のアートを展開する雨宮庸介。本展では、ワタリウム美術館を舞台に制作された最新VR作品を中心に、《溶けたりんごの彫刻》や《石巻13分》の記録映像、《1300年持ち歩かれた、なんでもない石》のペーパーなど、雨宮の代表作が一堂に会する。大学時代に美術への意識的な関心を深めるきっかけとなったワタリウム美術館での本展は、雨宮にとって原点回帰であると同時に、新たな創作の展望を開く場でもある。アーティストと空間が織り成す化学反応をぜひ見ておきたい。
会場:ワタリウム美術館
会期:12月21日〜2025年3月30日
平安時代、貴族たちは書に秀でた能書家に勅撰和歌集や私家集の書写を依頼し、それらを贈答品や調度品として用いた。当代一流の能書家が写したこれらの歌書は、室町時代以降、茶の湯の流行や書の鑑賞文化のなかで一紙や一頁、あるいは数行単位に切断・分割されるようになり、「古筆切(こひつぎれ)」と呼ばれる形式が生まれた。本展では、重要文化財に指定された「高野切」をはじめ、平安から鎌倉時代にかけて書かれた古筆切を一堂に展示する。
会場:根津美術館
会期:12月21日〜2025年2月9日
近代から現代までの美術における「色彩」の歴史に注目する展覧会がポーラ美術館で開催される。色彩論や色を表現する素材との関係に触れながら、その役割についてあらためて考察する。多様な色彩で視覚世界を再構築した19世紀の印象派や新印象派から、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、色彩の力で鑑賞者の身体感覚を揺さぶる現代アートまで、絵画や彫刻、インスタレーションなどを通して、近現代の色彩の美術史を読み直す展覧会となる。詳細はこちらのニュースから。
会場:ポーラ美術館
会期:12月14日〜2025年5月18日
インドネシアと日本を往復しながら活動する栗林隆は、活動開始以来一貫して「境界」をテーマに、ドローイング、インスタレーション、映像など多様なメディアを用いた作品を発表してきた。本展は、葉山館展示室外の様々な空間を活用し、栗林の視点から生まれた新たな表現を紹介する個展である。本来展示空間ではない場所に特化して構想されたインスタレーション作品や、未発表のドローイングや映像作品を通じて、アーティストのこれまでの活動の軌跡と未来への可能性に触れる貴重な機会となる。
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
会期:12月14日〜2025年3月2日
京都を拠点に活躍した黒田辰秋は、1970年に木工芸の分野で初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された、日本を代表する木漆工芸家である。その制作は、当時一般的であった分業制に疑問を持ち、図案制作、素地作りから加飾までを一貫して自身で行い、実用性と装飾性、素材の特性を一体化させることで、独自の創作世界を切り開いた。黒田の生誕120年を記念する本展は、初期から晩年までの代表作を通じて、日本工芸史に確かな足跡を残した作家の生涯を紹介する。
会場:京都国立近代美術館
会期:12月17日〜2025年3月2日
吉川静子とスイス人グラフィックデザイナーのヨゼフ・ミューラー=ブロックマンの日本初となる大規模回顧展。1960年代、70年代に抽象絵画と彫刻により女性芸術家として注目された吉川と、洗練されたタイポグラフィーとグリッドシステムによるグラフィックデザインで、1950年代以降スイスを代表するデザイナーとなったミューラー=ブロックマン。夫婦として創造的な生涯を過ごしたふたりの活動の軌跡を振り返る。同日開幕する「歌川国芳展 ―奇才絵師の魔力」展もぜひ見ておきたい。
会場:大阪中之島美術館
会期:12月21日〜2025年3月2日
1995年1月17日の阪神・淡路大震災では、兵庫県立美術館の前身である兵庫県立近代美術館(1970~2001)が建物や収蔵品に甚大な被害を受けた。同館を引き継ぎ、2002年に震災復興の文化的シンボルとして開館した兵庫県立美術館では、これまでも震災後の節目の年に関連展示を開催してきたが、今回初めて特別展会場での自主企画展を開催する。参加作家に束芋、米田知子、やなぎみわ、國府理、田村友一郎、森山未來、梅田哲也が名を連ねる。それぞれの視点や表現を通じて、「希望」というテーマを多角的に問い直す機会となる。詳細はニュースをチェック。
会場:兵庫県立美術館
会期:12月21日〜2025年3月9日