2002年に神奈川県・箱根町に開館し、印象派から20世紀にかけての西洋絵画を中心とした約1万点のコレクションを所蔵しているポーラ美術館。「心をゆさぶる美術館」をビジョンに掲げ、従来のコレクションに加え、現代美術の第一線で活躍する作家たちの作品も収集・展示している。このたび同館で2025年に行われる2つの企画展が発表された。
近代から現代までの美術における「色彩」の歴史に注目する展覧会。色彩論や色を表現する素材との関係に触れながら、その役割についてあらためて考察する。多様な色彩で視覚世界を再構築した19世紀の印象派や新印象派から、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、色彩の力で鑑賞者の身体感覚を揺さぶる現代アートまで、絵画や彫刻、インスタレーションなどを通して、近現代の色彩の美術史を読み直す展覧会となる。
おもな出品作家(予定)は、杉本博司、クロード・モネ、ジョルジュ・スーラ、ロベール・ドローネー、アンリ・マティス、ピエール・ボナール、ヘレン・フランケンサーラー、モーリス・ルイス、ケネス・ノーランド、ドナルド・ジャッド、ブリジット・ライリー、ゲルハルト・リヒター、ベルナール・フリズ、ヴォルフガング・ティルマンス、グオリャン・タン、杉本博司、桑山忠明、前田信明、坂本夏子、山口歴、流麻二果、門田光雅、山田航平、川人綾、山本太郎、草間彌生ほか。
ポーラ美術館では、南仏アルルで制作された《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888)、最晩年にフランスのオーヴェール=シュル=オワーズで制作された《アザミの花》(1890)をはじめ、3点のフィンセント・ファン・ゴッホ作品を収蔵している。同館では開館以来初のゴッホをテーマにした展覧会となる本展では、ゴッホの作品や存在が様々な時代や地域に与えたインパクトを検証するとともに、現代における新たな価値を考察する。
おもな出品作家(予定)は、ゴッホをはじめ、ポール・シニャック、アンリ・エドモン・クロス、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガン、アンリ・マティス、アンドレ・ドラン、モーリス・ド・ヴラマンク、佐伯祐三、前田寛治、萬鐵五郎、岸田劉生、木村荘八、草間彌生、森村泰昌、福田美蘭、桑久保徹、フィオナ・タンほか。