左上から時計回りに、「本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語」(東京都写真美術館)、「開発の再開発 vol. 1 平山昌尚 |ニース」(gallery αM)、アンリアレイジ20周年記念展覧会「A=Z」(スパイラル)、「エマイユと身体」(銀座メゾンエルメス)
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本展はふたりの写真家、本橋成一(1940〜)とロベール・ドアノー(1912〜94)に注目する企画。東京・東中野に生まれた本橋は、上野駅、築地市場、チョルノービリなどを舞台に、写真家・映画監督として撮影を続けている。対してドアノーは、自身が生まれたパリ周辺を中心に、身近にある喜びの瞬間をユーモラスにカメラに収めてきた。生まれた時代・地域が異なる彼らだが、奇しくも炭鉱、サーカス、市場といった撮影ロケーションや、被写体への向き合い方に共通点が多い。市井の人々の暮らしを撮影し続けてきた、ふたりの写真家の物語に迫る。フォトレポートはこちら。「田沼武能 人間讃歌」も開催されているので、合わせて鑑賞したい。
会場:東京都写真美術館
会期:6月16日~9月24日
先日市ヶ谷へ移転したgallery αMでは、美術家・美術批評の石川卓磨をゲストキュレーターに迎えたシリーズ企画展「開発の再開発」がスタート。第一弾となる本展は、絵画、パフォーマンスなどを発表してきた平山昌尚の作品が公開される。平山は本展にあたり「作家の晩年」に関心を持ち、アンリ・マティスが拠点を南仏ニースに移した時期の作品に注目したという。東京都美術館では現在、マティスの回顧展が開催されているので、合わせて見てみるのも面白いかもしれない。平山が答えるショートインタビュー「Why Art?」もチェック。
会場:gallery αM
会期:5月20日~7月15日
エルメス財団は今夏、自然素材をめぐる職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みる「スキル・アカデミー」の一環として、岩波書店から書籍『Savoir & Faire 土』を出版する。本展はその刊行を記念し、関連する陶芸作品を集めた展覧会。ジャン・ジレル、フランソワーズ・ペトロヴィッチ、安永正臣、シルヴィ・オーヴレ、ユースケ・オフハウズ、内藤アガーテ、小川待子の作品が並ぶ。エマイユとは、陶磁器の表面を覆うガラス質の素材「釉薬」のこと。エマイユがもたらす色彩や効果と、身体の関係を探る。
会場:銀座メゾンエルメス
会期:6月17日~9月17日
フランス・パリに生まれたポール・ジャクレー(1896〜1960)は3歳で来日。月岡芳年の孫弟子にあたる池田輝方・蕉園夫妻から日本画を学び、南洋やアジアで暮らす人々を色鮮やかな木版画で描いた。本展では新版画の潮流のなかでも異彩を放つジャクレーによる、162点の作品が紹介される。
会場:太田記念美術館
会期:6月3日~7月26日
森永邦彦が率いるファッションブランド、アンリアレイジ。本展は、ブランドの設立20周年を記念し、2020年から現在にいたるまでに発表されたコレクションを集結。パンデミック下にオンラインで発表されたものから、リアルな会場で公開されたコレクションまで、かつてない変化に見舞われた4年間における、ブランドの軌跡をたどる。なお展示の一部は、ライゾマティクスが担当している。
会場:スパイラル
会期:6月16日~7月2日