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新田樹 「樺太/サハリン」

写大ギャラリー
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アーティスト

新田樹
新田樹は1996年にはじめてサハリンを訪れて以降、2010年より継続的にこの地に通ってきました。1905年のポーツマス条約締結後、日本の北辺の地となっていた樺太は、1945年のソ連による対日参戦によって異国の地となり、多くの日本人が本土へと帰っていきました。その一方、敗戦に伴い日本国籍を失った人々は、サハリンに留まらざるを得ませんでした。新田がレンズを向けてきたのは、戦後この地に取り残された朝鮮半島出身者(カレイスキー)やその配偶者たちです。

サハリンで日本語を話す女性たちに出会った新田は、「日本の方ですか?」と、話しかけました。その時の「いいえ、私たちは戦争の前にここへ来た朝鮮人です」という返答は、自身の中に深く沈滞し、長くサハリンに通い詰めるきっかけとなりました。その道程は国家と国家の深い谷間に落ち込んでしまった人々や風景に目を凝らし、そこに響く消え入りそうな声に耳を傾けることでもありました。

新田の写真には、日本と朝鮮、そしてソ連(現ロシア)のあわいで宙づりになりながら、寄る辺なく生きることを余儀なくされた女性たちが写されています。そして、歴史の激流に翻弄されつつも、彼女たちがこの地に足をつけて積み上げてきた時間の層や日本領だった頃の痕跡を簡単には消し去らないサハリン特有の風土が静謐な画面の中に捉えられています。昨年、第31回林忠彦賞と第47回木村伊兵衛賞を受賞し、近年高い評価を受ける新田の作品をぜひご覧ください。

スケジュール

2024年9月9日(月)〜2024年10月30日(水)

開館情報

時間
10:0019:00
休館日
木曜日、日曜日
10月5日は休館
10月13日は開館
入場料無料
会場写大ギャラリー
http://www.shadai.t-kougei.ac.jp/
住所〒164‐8678 東京都中野区本町2-4-7 東京工芸大学 5号館(芸術情報館)2F
アクセス東京メトロ丸の内線・都営大江戸線中野坂上駅より徒歩7分
電話番号03-3372-1321
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