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[画像: 《CARS: Diamond Mark》(部分)/ 2022 / パネル、麻布、ミクストメディア/ 2910 x 900mm]

元田久治 「CARS」

アートフロントギャラリー
終了しました

アーティスト

元田久治
元田久治は1973年熊本県出身、九州産業大学 芸術学部に在学中に版画技法の一つであるリトグラフと出会い、その後東京藝術大学大学院での版画専攻とオーストラリアとアメリカでの滞在制作を経て、リトグラフ版画家としてのキャリアを積んできました。元田作品を特徴づける点として、東京タワーや渋谷のスクランブル交差点など、国内外の誰もが知っているランドマークを廃墟と化した、精密な風景画が挙げられます。2004年頃から描き始めた一連の廃墟の風景は、人工的な構造物が風化し自然に帰る過程への興味や、地元から上京してきた際に感じた都市風景に対する違和感に通底しているといいます。2018年に松濤美術館で開催された『終わりのむこうへ:廃墟の美術史』展では、今日の廃墟画として「今は必ず過去になる」メッセージを孕む元田の作品が大きく取り上げられました。

アートフロントギャラリーでは2017年以来となる本展では、元田はこれまでの作風からの新展開を発表します。本展タイトル「CARS」と銘打たれた一連の新作では、現実の世界の道路をそのまま切り取って持ってきたような実物大のアスファルトと白線を背景に、実物大の、古びて劣化したミニカーのリトグラフが無数にコラージュされています。これまで描かれてきた廃墟風景は既存の建物が空想上で廃墟化され、精密なタッチがリアリティを持って鑑賞者に迫ってくるのに対し、「CARS」シリーズでは、写実的な描写は健在なものの、背景の道路とコラージュされるミニカーがともに実物大であるが故に、その前景にあるミニカーのスケールのミスマッチを印象的に感じさせます。ドローンの偵察映像を彷彿とさせる、上空から真下に見下ろすような視点で展開される無数のミニカーは乾ききった路面上に、あるときは方向をそろえ、またあるときは無秩序に散らばる様相を呈します。その一貫性のなさは、近年のコロナ禍や開戦間もないウクライナ等、解決の糸口の見えない情勢に迷い、不確かな情報に右往左往する人々を映しているようでもあります。リアリティ溢れる研ぎ澄まされた描写感覚を用い、今日の社会動向の核心を俯瞰して表現する元田久治の新境地を是非ご高覧ください。

スケジュール

2022年6月24日(金)〜2022年7月17日(日)

開館情報

時間
12:0019:00
土曜日・日曜日・祝日は11:00〜17:00
休館日
月曜日、火曜日
夏期・年末年始休館
入場料無料
展覧会URLhttps://www.artfrontgallery.com/exhibition/archive/2022_05/4569.html
会場アートフロントギャラリー
http://www.artfrontgallery.com/
住所〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟
アクセス東急東横線代官山駅より徒歩3分、JR山手線・埼京線恵比寿駅西口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅4番出口より徒歩8分
電話番号03-3476-4869
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