左上から時計回りに、「蔡國強 宇宙遊 ―<原初火球>から始まる」(国立新美術館)、野又穫 「Continuum 想像の語彙」(東京オペラシティ アートギャラリー)、「私たちは何者? ボーダレス・ドールズ」(渋谷区立松濤美術館)、「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」(渋谷ヒカリエホール)
週末に訪れたい展覧会を、TAB編集部がピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
いわきでの花火も話題を読んだ中国出身の作家、蔡國強(ツァイ・グオチャン/さい・こっきょう)の大規模個展は、国立新美術館にて開催中。蔡は東洋哲学、社会問題を作品の基本コンセプトに、火薬絵画、インスタレーションや屋外爆破プロジェクトなどを発表してきた。本展では、彼の作品「原初火球」を宇宙の誕生になぞらえ、その制作の全貌に迫る。フォトレポートはこちら。本展企画者で国立新美術館館長の逢坂恵理子によるインタビューも合わせて読んでほしい。
会場:国立新美術館
会期:6月29日~8月21日
日本の人形と聞かれて何を思い浮かべるだろうか? 生人形や蠟人形から、マネキン、フィギュアまで、国内の人形文化は体系化が難しいほど多様に展開してきた。本展はこうしたボーダレスな日本の人形を、あえて芸術・美術の枠に押し込めずに紹介。人形とその歴史を通して、私たちが何を「芸術」としあるいはしていないのか、その境界に迫る。詳細は会場風景はニュースをチェック。
会場:渋谷区立松濤美術館
会期:7月1日~8月27日
風景にどこか不思議な構造物が配され、懐かしさと不思議さ、現実と虚構が地続きであるような、独特の世界観で知られる画家、野又穫。2020年にはイギリスの有力ギャラリー、ホワイト・キューブにてオンライン個展が開催され、その後同ギャラリーへの所属が決まるなど、世界的にも注目が高まっている。本展は、初期作から最新作まで多数の作品を公開。その制作の全貌に迫る。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:7月6日~9月24日
2013年に亡くなった後も多大な人気を誇る写真家、ソール・ライター。本展は彼の生誕100周年を記念する企画展。ライターの個展は過去2回、Bunkamuraザ・ミュージアムで行われてきたが、同館は現在休館中。それに伴い、会場は渋谷ヒカリエとなった。未公開のモノクロ写真や絵画、大規模なカラースライド・プロジェクションなど、新たに発掘された作品を中心に約400点を公開。半世紀以上にわたってニューヨークのアーティストたちをカメラに収めてきた「カラー写真のパイオニア」の色彩感覚に迫る。ニュースはこちら。
会場:渋谷ヒカリエホール
会期:7月8日~8月23日
田中義久と飯田竜太によるアーティストデュオNerhol(ネルホル)。その個展が、有楽町にあるM5 Galleryと第一生命ギャラリーで同時開催されている。本展においてNerholは、第一生命ビルにいまなお存在する「マッカーサールーム」を起点に、GHQ接収後から現在に至るまで第一生命館が大企業として担ってきた役割や歴史に注目。当時の資料や記録を多く残している朝日新聞フォトアーカイブの協力のもと、平面作品などを公開する。
会場:M5 Gallery
会期:6月23日~7月14日