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[画像: 道川省三《Volcano》、2022、陶、H41× W20 × D20 cm]

道川省三 「たづたづしー伝統の先に見えるものー」

SOKYO ATSUMI
終了しました

アーティスト

道川省三
SOKYO ATSUMI(東京)では道川省三 個展「たづたづしー伝統の先に⾒えるものー」を開催いたします。2019年の⾋居(京都)での個展にひき続き、SOKYO ATSUMIでは初個展となります。本展では41点の新作を展⽰し、道川らしい躍動感のある作品に加えて、それに対⽐するような静寂な佇まいの作品も含んでおり、道川作品の魅⼒を多⾯的に触れていただける渾⾝の個展となっております。

本展覧会タイトル「たづたづし」は万葉集「⼣闇は 道たづたづし ⽉待ちて ⾏ませ我が背⼦ その間にも⾒む」から取られた⾔葉です。「たづたづし」は「はっきりとせず、不安である」という意味で、道川は、「先⾏きが不透明な現代社会においても、常に前向きな姿勢で新しいことに挑戦する」という本展への思いをこの⾔葉に込めています。

道川作品は、轆轤の遠⼼⼒を駆使して⽣み出される螺旋状の⼒強いフォルムで知られています。⼟と対話し、⼟に本来備わっている造形と真摯に向き合いながら、逆説的、実験的な⽅法で常に新しい制作に挑戦しています。北海道、有珠⼭の麓に⽣まれ育ち、幼少時代から触れ親しんできた雄⼤かつ驚異的な⾃然を作品に表現します。

《Volcano》は有珠⼭をイメージして制作された作品で、鉄分の強い⾚⼟に部分的に鉄釉を施釉し、⽳窯で3⽇間焼成されました。窯のなかで薪の⾃然灰と鉄釉が溶け合い、独特の⽕⼭の熔岩のようなテクスチャーを表現しています。《Kohiki Natural Ash Sculpture》は、マット釉を使うことで、光の僅かな違いを⽴体的に表現しています。暖かく落ち着きがある⾊が特徴的で、轆轤の強い⼒を利⽤し背の⾼い直⽅体の⼟の塊を分断するダイナミズムも本作の⼤きな魅⼒となっております。その他、複数の⾊⼟を使⽤した彫刻や、伝統とは相対した焼成⽅法によって⽣み出された新作を展⽰いたします。荒々しさを感じさせながらも⽕や⾃然釉から偶然によって⽣み出される形状と、テクスチャーの繊細なコントラストは⾼度に洗練されたバランスを感じさせます。鑑賞者に語りかけるような強い表現性は、陶による芸術の⼀つの到達点を⽰しているといえるでしょう。

展覧会の構成においては⾕崎潤⼀郎の「陰翳礼讃」を引⽤しており、薄暗い空間に作品がぼんやりと浮かび上がります。⽇本の美意識は陰翳との共存にあり、⽇本⼈が⾒出してきた奥ゆかしさや趣が闇に潜みます。本展を通じて、道川の世界観に触れると共に、⽇本のアイデンティティーや美意識のあり⽅を再考する機会になれば幸いです。いにしえより⽇本⼈が築いてきた美意識を、道川は現代においてどのように継承し、本展で発展させたのか― 是⾮ともこの機会に本展をご⾼覧いただきますようお願い申し上げます。

スケジュール

2023年5月13日(土)〜2023年6月29日(木)

開館情報

時間
11:0018:00
金曜日・土曜日は19:00まで
休館日
月曜日、日曜日、祝日
入場料無料
展覧会URLhttp://gallery-sokyo.jp/exhibitions/exhibitions-7394/
会場SOKYO ATSUMI
https://sokyogallery.com/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA ART COMPLEXⅡ304
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩7分, 東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩8分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩3分
電話番号080-7591-5212
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