「太田市20周年記念事業 太田の美術vol.5 赭土でつながる-大槻三好・正田二郎・正田壤-」

太田市美術館・図書館
9月16日終了

アーティスト

大槻三好、正田二郎、正田壤
白い画面に、様式化された人物、昆虫などの生きものを配置した物語風の表現で知られる太田の画家・正田壤(1928-2016)。2022年度、当館に正田壤によるスケッチブックや幼少期の作品など、未公開の資料を新たにご寄贈いただきました。本展は、本資料の内2点に記載された「AKATUTI」という言葉を発端に、1930年から1934年に太田に存在した洋画同好会「赭土会(あかつちかい)」と、これにかかわった太田の作家・大槻三好(1903-1987)、正田二郎(1907-1949)の作品を紹介し、その流れの先に正田壤の画業を見つめる機会とします。

赭土会結成にかかわった太田の教育者であり歌人の大槻三好は、群馬県師範学校で学び、そこで油彩画の制作を始めました。学生同士で組織した絵画同好会「曙会」では、1921年から始まった展覧会において運営面を担い、自らも出品しつつ活躍。それと同時に、上毛新聞の柳芳太郎と出会い、彼に請われて同紙の文芸欄「日曜文芸」に版画を提供することになりました。師範学校卒業後は、太田に戻り教師をしながら郷土の文芸発展に寄与する活動を多様に展開します。その一つが赭土会でした。

正田壤の叔父である画家・正田二郎は、太田中学校を卒業後、県庁に勤めながら油彩画を制作。大槻とは1928年に出会い、赭土会にも参加して同会展覧会に出品しました。1931年第12回帝展に《M市公園》(群馬県立近代美術館蔵)が初入選した後に上京し、熊岡美彦(1889-1944)に師事して主に東光会で活躍しました。

正田壤は、正田二郎の兄・正田太郎の長男として生まれ、二郎からも絵画の基本を教わりました。二郎から壤へ送られた手紙には、デッサンの基礎がていねいに説かれています。そうした教えを得たのちに絵画制作に邁進したさまは、新規寄贈資料からも見てとれます。

本展開催のきっかけになった「AKATUTI」と記載のある正田壤のスケッチブックと、大槻や正田二郎が参加していた赭土会との関係は、残念ながら不明です。しかしながら、「あかつち」という名のもと、美術を志した作家たちがこの地にいたことから、本展では3名の作品を見つめます。太田で芽生え、育った文化の一断片をご覧ください。

スケジュール

開催中

2024年7月13日(土)〜2024年9月16日(月)あと11日

開館情報

時間
10:0018:00
休館日
月曜日
7月15日、8月12日、9月16日は開館
7月16日、7月30日、8月13日、8月27日、9月17日は休館
入場料300円
展覧会URLhttps://www.artmuseumlibraryota.jp/post_artmuseum/187612.html
会場太田市美術館・図書館
http://www.artmuseumlibraryota.jp
住所〒373-0026 群馬県太田市東本町16-30
アクセス東武伊勢崎線太田駅北口より徒歩1分、JR高崎線熊谷駅南口よりバス50分「太田駅南口」下車徒歩8分
電話番号0276-55-3036
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