森淳一《trinity》 2011 木、タグアナッツ 164 x 84 x 74 cm|撮影:宮島径 ©MORI Junichi

「森淳一 展 / 常陸国出雲大社コレクション」

常陸国出雲大社 山鬼ホール
7月31日終了

アーティスト

森淳一
常陸国出雲大社では2024年8月1日(木)より、「森淳一展 / 常陸国出雲大社コレクション」を開催いたします。彫刻家の森淳一は1965年長崎県生まれ。1996年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了、現在は東京藝術大学美術学部彫刻科教授。これまでに、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた水や泡、髪の毛の素描をもとに、大理石や柘植(つげ)の木を用いて制作した一連のシリーズや、故郷の長崎で起きた原爆をテーマとする作品等を制作してきました。

本展で展示をしております立像作品《trinity(トリニティ)》は、2011年にミヅマアートギャラリー(東京)で開催した「trinitite(トリニタイト)」という展覧会で初めて発表されました。森がこれまでに発表した木彫の中で最も大きな作品となる本作は、ある写真集の表紙に写されていた「三位一体像」に惹かれ、制作に至りました。胴体内部は、外見の重厚で威厳のある佇まいからは想像ができないほどの軽さに至るまで彫られ、また、繊細に彫り抜かれた顔の内部は光と影が交錯し、モチーフとなった三位一体像とは異なる新たな表情を与えられています。その猛々しくも繊細な姿は、新たな“イコン”のようでもあります。

素材を驚異的なまでに彫りこむことで生まれる、光と影の隙間で微かに存在しているかのようなその繊細さと緊張感は、森の作品に美しさと同時に、ある種の異様とも言える存在感を与えています。

先の「trinitite」とは、1945年にアメリカで行われた人類初の核実験、“トリニティ”実験の際に生成された人工鉱物の名称を指します。この実験で使用された爆弾と同系のものが同年、長崎に投下されました。長崎に生まれ育った森にとって、原爆は決して歴史の中の事件ではなく、目を逸らすことのできない現実として常に彼の傍らに影のように存在し、影響を与えてきました。森淳一は、木彫だけでなく、セラミックや写真、平面作品と様々なアプローチから原爆の手触りを手に入れ、体感しようと試みています。

本展は、《trinity》を中心とし、これまでの森淳一の当社コレクション作品を一堂に公開する貴重な機会となります。約一年間にわたる常設展示となりますので、ぜひご参拝の際に、ゆっくりとご高覧を賜れましたら幸いです。

スケジュール

開催中

2024年8月1日(木)〜2025年7月31日(木)あと322日

開館情報

時間
9:3015:00
休館日
水曜日
※祭事により変更がございます。最新情報は公式サイトよりご確認ください。
入場料無料
会場常陸国出雲大社 山鬼ホール
https://izumotaisha.or.jp/山鬼ホール/
住所〒309-1634 茨城県笠間市福原2001 常陸国出雲大社社務所内
アクセスJR水戸線福原駅より徒歩11分
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません