終了した展覧会・イベントです
[画像: Jason Bereswill, Double Blind, 2022, oil on canvas, 152.4 x 121.9 cm]

ジェイソン・ベレスウィル 「LʼAppel du Vide」

MAKI
終了しました

アーティスト

ジェイソン・ベレスウィル
この度MAKI Galleryではニュージャージー州を拠点に活動する作家、ジェイソン・ベレスウィルによる日本で初めての個展「L’Appel du Vide」を、表参道ギャラリーにて開催いたします。本展ではベレスウィルの代表的なテーマであるサーファー、アイビー、グランドキャニオンなどを含む18点のペインティングが展示されます。自然と人間の関係性を題材にする生気溢れる風景画は、その土地の色や光、エネルギーを臨場感ある描写で捉えながら作家独自の世界観へと鑑賞者を引き込みます。

自然の偉大かつ壮大な存在と人間との関係を示そうとするベレスウィルの作品は、人物より風景に焦点を当て、観る者を絵画の中へ誘引します。グランドキャニオンをテーマにする作品では、数十億年かけて形成された堆積岩層への浸食が生み出す地形を模写し、作家とともに崖に立っているような感覚を呼び起こします。深淵から伝わる恐怖と脅威を表現する「The Colorado」で描写されている見渡す限りの峡谷の絶景から、「Tree 1」のようにより限られた範囲を描いた作品まで、ベレスウィルのキャニオン(峡谷)シリーズは大自然が思いのほか厳しく、必ずしも安全ではない事実を示します。近年の作中に登場する人物は思索に耽け、どこか孤独感を抱いているイメージを漂わせています。また、サーフィンを題材とした作品では、まばゆい光に包まれたサーファーの小さなシルエットが、隣合わせでありながら無限の海の中で孤立しているように描き出されています。水中の暗闇と対照的な鮮やかな閃光は強烈な光を見たときに体験する残像効果——つまり模様がちらつき視野を乱し一時的に盲目となる現象——を表現し、まるで私たち鑑賞者が海岸に立ち海面に反射する陽光を眺めているような錯覚を起こします。サーフペインティングがベレスウィルの光への強い関心を物語るように、アイビーペインティングは作家の色に対する興味を示しています。色の持つ視覚的効果を利用したオプ・アートの影響を受けた作家は、アイビーの常緑の葉をモチーフに色彩と色調を用いて絵画に奥行きを生み出しています。色彩遠近法を応用するベレスウィルは鑑賞者の視線を画面に誘導し、そこから生動する葉の気配は壁やフェンスなどを覆い隠すための装飾として広く使用されるツタをその役割から解放し、生命あるリアリティに結び付けようと試みています。

展覧会のタイトル「LʼAppel du Vide(訳:虚無の呼び声)」は、高所に立ったときにそこから飛び降りたくなるような予期せぬ衝動を指し、ベレスウィルはその病的な現象を体験したときに創造的な衝動との類似性を見出しました。キャニオンペインティングでは物理的な虚無に焦点を当て、サーフペインティングでは視覚的虚無を表現し、アイビーペインティングではツタを装飾の虚無から解放するなど、ベレスウィルは自然を主題に改めてこの世界について考察させるのです。

スケジュール

2023年2月4日(土)〜2023年3月11日(土)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
展示期間以外は不定休
入場料無料
展覧会URLhttps://www.makigallery.com/exhibitions/7853/
会場MAKI
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-11-11
アクセス東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅A2出口より徒歩2分、東京メトロ千代田線・副都心線明治神宮前駅5番出口より徒歩6分、JR山手線原宿駅東口より徒歩10分
電話番号03-6434-7705
関連画像

各画像をタップすると拡大表示します

0件の投稿

すべて表示

まだコメントはありません

周辺展覧会