川島は1985年宮城県に生まれ、東京工芸大学大学院を修了後、a.a.t.m.(art award tokyo marunouchi) に選出。2012年にはTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARDでグランプリに輝きました。近年では2015年に写真集「New Coast, and a Fragment Over a Woman」が第18回文化庁メディア芸術祭アート部門審査員会推薦作品へ選出され、オランダのunseen photo fair、フォトロンドンをはじめとするアートフェア、国際写真フェスティバル「Jimei x Arles East West Encounters International Photo Festival」(廈門、中国, 2015)等で注目を集め、評価を確立してきました。
川島は2011年に自身の出身地でもある、東北地方に起こった東日本大震災から、活発化する火山まで、自然災害の多い日本に暮らす私たちが直面するカタストロフから始まる出来事を主なモチーフとしています。川島の特徴的な作家性は、W・Gゼーバルトやアントニオ・タブッキ、スーザン・ソンタグ、ミシェル・ウエルベック、安部公房らの文学作品を伏線にして、ストレートフォトグラフィ、自動演算、3DCG、映像、立体作品、文学作品から引用したテクストを交え、事後を「take」することよりもむしろ、事前を「make」しようとする姿勢にあります。ドキュメンタリー的な手法にみられるような、年月や出来事の推移をそのまま再現するのではなく、紡がれた断章は独立しながらも、ときには脈絡を想起させ、多様な側面を語りうるような詩的な展開をみせていきます。G/P gallery Shinonomeでは、2015年に出版された写真集「描きかけの地誌/蒐集」をもととして、再構築した大型インスタレーションの発表を行います。
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