世界でもっとも有名な現代アートの賞のひとつであるターナー賞。40周年にあたる2024年の受賞者がジャスリーン・カウルに決定した。
審査員を務めたのは、テート・ブリテン館長のアレックス・フーカーソン、ワイシング・アーツ・センター館長のロージー・クーパー、キュレーター・美術史家のリディア・イー、ジャーナリスト・キャスター・キュレーターのエコウ・エシュン、ジャパン・ハウス・ロンドンのサム・ソーン館長兼CEO。
受賞者には2万5000ポンド(約475万円)、最終選考に残ったファイナリストのアーティストには1万ポンド(約190万円)が授与される。ファイナリスト4名による展覧会はテート・ブリテンにて9月25日から2025年2月16日まで開催中。ほかのファイナリストは、クローデット・ジョンソン、デレーヌ・ル・バス、ピオ・アバド。
ジャスリーン・カウルは1986年スコットランド・グラスゴー生まれ。シーク教徒コミュニティで育った自身の幼少期を反映した作品を制作し、2023年に開催したグラスゴーのトラムウェイで開催された個展「Alter Altar」が受賞の理由となった。カウルの作品は、日常の物や音、音楽を通してコミュニティと文化の継承を呼び起こすものであり、植民地主義の歴史に言及しながら、人々の記憶や文化、政治への問いかけを行う作品だとして評価された。