公開日:2023年8月1日

8月に見たい全国おすすめ展覧会10選:石川竜一、大竹伸朗の個展、トムとジェリー、風景論、妖怪絵巻など

2023年8月にスタートする全国10のおすすめ展覧会を紹介

左上より時計回りに、「大竹伸朗展」(富山県美術館)、石川竜一 「風土 人間の殻」(コミュニケーションギャラリーふげん社)、ICC キッズ・プログラム 2023「こんにちは、もうひとりのじぶん」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC])

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ICC キッズ・プログラム 2023「こんにちは、もうひとりのじぶん」(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京)

初台にあるNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で毎年夏に開催される恒例企画、ICC キッズプログラム。今年のテーマは、「こんにちは、もうひとりのじぶん」です。出品作家はうしお鶏、大原崇嘉、菅実花、木原共、黒田大スケ、古山寧々、佐久間海土、村本剛毅。テクノロジーを通して、様々な自分と出会い直すというコンセプトのもと、写真やAR、3Dモデル、鏡、演劇などを用いたインタラクティブな作品が展示される。

会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
会期:8月1日〜20日

風景論以降(東京都写真美術館)

中世や近代の風景絵画が示すように、視覚芸術や美において「風景」は重要な主題のひとつだ。本展は1970年前後の写真家、映像作家に多大な影響を与えた風景論と、それ以降の写真・映像表現に注目。笹岡啓子、遠藤麻衣子、今井祝雄、清野賀子、崟利子、中平卓馬、大島渚、若松孝二らの作品が公開される。

会場:東京都写真美術館
会期:8月11日~11月5日

あなたのアートを誰に見せますか?(東京藝術大学 大学美術館・陳列館)

本展は、鑑賞者やオーディエンスに注目し、アーティストとの新しい可能性を探る展覧会。アーティストが提示する多様な視点を紹介しつつ、オーディエンスの意見も展示空間の中で視覚化される。出展作家は、青山悟、アンドレア・バウアーズ & スザンヌ・レイシー、メラニー・ボナーヨ、小林正人、リー・ムユン、岡田夏旺、パク・サンヒョン、海野林太郎。孤独、身体とセクシュアリティ、人間と自然の関係、他者との協働や連帯などをテーマとする作品が並ぶ。

会場:東京藝術大学 大学美術館・陳列館
会期:8月8日~8月27日

歌川広重 山と海を旅する(太田記念美術館、東京)

太田記念美術館では、山と海をキーワードに歌川広重の作品を紹介。風景画の第一人者として知られる広重は、甲州や房総などへ旅行に出かけており、旅先で多くの自然を写してきた。本展では、広重が晩年に手掛けた「山海見立相撲」や「六十余州名所図会」などが公開されるほか、既存の地理書を広重がアレンジして描いた名所など、制作過程にも焦点が当てられる。

会場:太田記念美術館
会期:8月1日~8月27日

あの世の探検 - 地獄の十王勢ぞろい - (静嘉堂文庫美術館、東京)

静嘉堂文庫美術館では、冥界にいるとされる10人の大王を描いた《十王図・二使者図》と、合わせて伝来した《地蔵菩薩十王図》が一堂に会する展覧会がスタート。揃っての公開は、1999年の「仏教の美術」展以来となる。ほかにも国宝《曜変天目(稲葉天目)》や近年修復が完了した日本・中国の仏教絵画、江戸絵画の名品なども出品される。

会場:静嘉堂文庫美術館
会期:8月11日~9月24日

石川竜一 「風土 人間の殻」(コミュニケーションギャラリーふげん社、東京)

先日、雑誌『写真』vol.4「テロワール/TERROIR」を刊行したふげん社。それを記念する本展では、雑誌の巻頭写真を担当した石川竜一と、口絵を担当した笹岡啓子、田附勝、中井菜央、山口聡一郎、田代一倫、北井一夫の作品が公開される。テロワールとは、ワインの品評において「土地の味わい」を表すフランス語。写真家たちが、訪れた土地と関わり合いながら撮影された写真作品に注目したい。

会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
会期:8月3日~9月3日

江戸の妖怪絵巻(国立歴史民俗博物館、千葉)

国立歴史民俗博物館は、江戸時代の妖怪をモチーフとした作品に注目する展覧会を企画。江戸時代、描き手の想像力を刺激する妖怪がブームだったという。妖怪たちのパレードを描く「百鬼夜行絵巻」や妖怪たちを図鑑のように並べた「化物絵巻」、源頼光と四天王らによる土蜘蛛退治を描く「土蜘蛛草子」など、多彩な妖怪図が公開される。

会場:国立歴史民俗博物館
会期:8月1日~9月3日

大竹伸朗展(富山県美術館)

東京国立近代美術館、愛媛県美術館で開催されていた大竹伸朗の大規模個展が富山へ。ドクメンタ(2012)やヴェネチア・ビエンナーレ(2013)の参加など、近年は国外でも広く活動してきた大竹。絵画や版画、彫刻、映像、絵本、エッセイまでおよそ500点が、7つのテーマ構成のもと公開される。東京国立近代美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。小池一子との対談も合わせて読んでほしい。

会場:富山県美術館
会期:8月5日〜9月18日

動物と花鳥の分野で新境地を拓いた画家 橋本関雪と榊原紫峰(足立美術館、島根)

島根県の足立美術館では、京都を舞台に活躍した日本画家、橋本関雪(1883〜1945)と榊原紫峰(1887〜1971)に注目する展覧会がスタート。関雪は幼少より漢学を学び、中国の古典や文学を着想に動物画を制作した。対して紫峰は花や鳥に魅せられ、生涯花鳥画を描き続けた。動物画と花鳥画、それぞれの分野で新境地を開拓したふたりの画業に迫る。

会場:足立美術館
会期:8月31日~11月30日

トムとジェリー カートゥーン・カーニバル(長崎県美術館)

1940年に短編作品として登場し、80年以上も世界中で愛され続けている『トムとジェリー』。本展では、最初期からのアニメーションが紹介されるほか、キャラクターたちと写真がとれるスポット、ジェリーが大好きなチーズの世界を表現した空間などが楽しめる。ア・メリカ、おちゃっぴ、キム・ソンへ、坂啓典、ヒグチユウコ、ムラバヤシケンジらアーティストとのコラボ作品や、グッズも注目だ。

会場:長崎県美術館
会期:8月11日〜9月3日

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。
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