公開日:2023年4月15日

【2023年4月第3週】今週末見たい展覧会5選。百瀬文の個展から庭園美術館の建物公開まで

毎週更新。関東近郊を中心にピックアップ。今週は百瀬文、フィリップ・クスティック、シャワンダ・コーベット、須田悦弘の個展、庭園美術館の建物公開の5つ

週末に訪れたい展覧会を、TAB編集部がピックアップ。気になる展覧会はTABアプリでブックマークがおすすめ。開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

百瀬文 「口を寄せる」(十和田市現代美術館、青森県)

青森県の十和田市現代美術館では、百瀬文の個展が開催中。百瀬はこれまで、コミュニケーションの複層性をとらえた映像作品を通じて、身体・セクシュアリティ・ジェンダーといったテーマを扱ってきた。本展では、『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ(緒方恵美)や『ONE PIECE』のモンキー・D・ルフィ(田中真弓)など、アニメ作品において女性声優が少年役を演じることに焦点を当てた新作に注目したい。フォトレポートはこちら。展覧会に合わせて、批評家gnckによる百瀬へのインタビューもぜひ読んでほしい。

会場:十和田市現代美術館
会期:2022年12月10日~23年6月4日

建物公開2023 邸宅の記憶(東京都庭園美術館)

東京都庭園美術館では、年に一度の建物公開中。今年は、本邸宅の主であった朝香宮家の人々に注目。宮邸時代の家具や調度を用いて邸宅空間を再現するほか、かつてこの空間を往来した人々が残した写真や映像資料、工芸品、調度品、衣装などを公開し、当時の生活を紹介する。

会場:東京都庭園美術館
会期:4月1日~6月4日

フィリップ・クスティック 「human product」(PARCO MUSEUM TOKYO、東京都)

渋谷パルコ4階のPARCO MUSEUM TOKYOでは、フィリップ・クスティックの日本初個展が開催中。クスティックはこれまで、シリコン製の「もう一人の自分自身」を用いて、身体、心、テクノロジーの関係性を題材として制作してきた。本展では、人間の存在や、OS(オペレーティング・システム)として自分自身をアップデートする能力、人生に意味を与える複雑なシステムを作り出す傾向について問いかける作品を出展する。

会場:PARCO MUSEUM TOKYO
会期:4月7日~4月24日

シャワンダ・コーベット 「Down the road」(SAI、東京都)

同じく渋谷にあるSAIで開催されているのは、アメリカ出身、現在はロンドンを拠点に活動する女性アーティスト、シャワンダ・コーベットの個展。コーベットは多様なメディアを横断し、記憶、経験といった考えや身体と空間との相互作用について探求してきた。展覧会タイトルの「Down the road(ダウン・ザ・ロード)」とは、コーベットが育った南ミシシッピの言葉で、特定のものを意図しない曖昧な方向性を示すという。映像、陶器、絵画など、合わせて41の作品を通じて、彼女が持つ物語の情景を描き出す。

会場:SAI
会期:4月1日~4月23日

須田悦弘 「補作と模作の模索」(ギャラリー小柳、東京都)

本展は、ロンドンギャラリー白金とギャラリー小柳の共同企画による、須田悦弘の個展。1969年山梨県生まれの須田は、本物と見紛うほど精緻な草や花の木彫を作り、それを思いがけない場所に設置するインスタレーションを制作してきた。現代美術家の杉本博司が名付けたという展覧会タイトルが示すように、これまで制作してきた自然を模した作品を「模作」、近年の注目作を「補作」と呼び、これまでの須田の仕事を紹介する。

会場:ギャラリー小柳
会期:4月8日~6月24日

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