左:蜷川実花 © mika ninagawa Courtesy of Tomio Koyama Gallery 右:山元春挙 山上楽園 1922 京都市美術館蔵
リニューアルオープンから5年。歴史と現代性を併せ持つ、京都市京セラ美術館。「村上隆 もののけ 京都」「金曜ロードショーとジブリ展」など、2024年も幅広いジャンルのアートに触れられる機会を創出してくれそう。2期に分かれて名品コレクションを紹介する「コレクションルーム」、京都ゆかりの新進作家を個展形式で紹介する「ザ・トライアングル」なども併せて、今年のラインナップを紹介していく。
会場:新館 東山キューブ
村上隆(1962〜)の国内で約8年ぶり、東京以外で初めての大規模個展。村上が活動初期から深い関心を寄せてきた江戸時代の絵師たちが活躍し、今なお、あらゆる芸能と芸術が息づき交わりあう京都を舞台に、新たに描きおろした超大作をはじめ、代表的なシリーズ、国内初公開となる作品など。大多数が新作となる約170点で構成される新・村上ワールドが楽しめる。
会場:本館 北回廊2F
昭和〜平成〜令和と「映画」と私たちをつなぎ、年代を問わず親しまれてきた「金曜ロードショー」。番組が始まったのも、スタジオジブリがスタジオ開きをしたのも1985年。この年を起点として、「金曜ロードショー」の歩みを辿りながら、番組でも多く放映されてきたスタジオジブリ作品の魅力を重ね合わせながら紹介する。
会場:本館 北回廊1階、新館 東山キューブ
イタリアを代表するブランド・グッチによる大規模な世界巡回展「Gucci Cosmos」。上海、ロンドンに続き、開催される。100年以上の歴史の中でも、特にアイコニックなデザインを世界中から集め、没入型インスタレーションとして展開。また、開催地独自の視点を織り込み、京都そして日本特有の文化に共鳴するストーリーやエレメントにもスポットライトを当てる。
会場:本館 南回廊1F
京都駅東部に、2023年に全面移転した京都市立芸術大学キャンパス。竹内栖鳳、山元春挙などが教壇に立ち、土田麦僊、村上華岳、小野竹喬ら数多くの画家が学んできた。大学の前身である京都府画学校や美術工芸学校、絵画専門学校など、近代における歩みを資料によって振り返りながら、それら学び舎が育んだ40人以上の有名画家を一堂に紹介する。
会場:本館 北回廊1・2F、南回廊2F、光の広間
毎年開催されている、日本最大規模の総合公募展「日展」の京都展。日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門にわたり、全国を巡回する基本作品と京都・滋賀の作家による地元関係作品の計約500点を鑑賞できる。
会場:新館 東山キューブ
写真家・映画監督の蜷川実花による、関西初の美術館での大型個展。大型の映像インスタレーションを含む多様な手法で表現された作品群は、互いに関連し合い、暗闇から鮮烈な色彩まで、様々な表情を持って静かに鑑賞者の感情を揺さぶる。現代社会でたおやかに光を見出す彼女の作品世界をナラティブに追体験させ、内省的な旅へと鑑賞者をいざなってくれるだろう。
約4,200点を数える近代以降の京都の美術(日本画、洋画、彫刻、版画、工芸、書)を中心としたコレクションの中から、夏期と冬期に分かれて、テーマ特集展示を行っている。竹内栖鳳、上村松園、木島櫻谷など京都を代表する人気の名作紹介に加え、テーマ特集展示を通じて、京都を基軸とした近代から現代の美術の面白さが体感できる。
会場:コレクションルーム
日本で明治から昭和にかけて形成された「美人画」というジャンル。「女性が女性を描くとき、どんな女性をモデルにするのか」を切り口に、「美人画」を描いたとされる代表的な画家、上村松園や伊藤小坡をはじめ、秋野不矩や梶原緋佐子など、京都画壇で活躍した女性画家の作品を通して、当時の女性画家の画業や彼女たちの見た美しい女性像を探る。
会場:コレクションルーム
明治時代に、京都で世界を驚嘆させたやきものたち……。国博覧会で人気を博したそれらは、多くが海外へ輸出されたため、存在は長らく謎に包まれていた。三代清風與平を中心に、初代宮川香山、初代伊東陶山らによる明治・京都が生んだ卓越した美と技術の粋に迫る。多くの西洋人コレクターを魅了した、美しい釉薬や上品で精緻な浮彫が施された三代清風與平の器は見物だ。
新進作家の育成・支援の機会を創出するとともに、市民や観光客など来館者が気軽に現代美術に触れる場を提供しようとして生まれた新設スペース。2024年度は4名の作家をフィーチャーする。
川田知志(1987年大阪府生まれ)は、7月16日〜10月6日、MIKADO2(山田周平、小池一馬、神馬啓佑、金光男)は、10月19日〜12月22日、坂本森海(1997年生まれ)は、2025年1月11日〜3月16日、迎英里子(1990年兵庫県生まれ)は、2025年3月29日〜6月1日に展示が予定されている。
◎パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展ー美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ/3月20日〜7月7日
会場:本館 北回廊1階、南回廊1階
◎KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2024 川田喜久治「見えない地図」、川内倫子「Cui Cui + as it is」、潮田登久子「冷蔵庫+マイハズバンド」/4月13日〜5月12日
会場:本館 南回廊2階
◎奥村厚一 光の風景画家/7月19日〜9月8日
会場:本館 北回廊1階
◎モネ 睡蓮のとき/2025年3月7日〜6月8日
会場:本館 南回廊・北回廊1階
京都市京セラ美術館
詳細:https://kyotocity-kyocera.museum/
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